【プールを行うねらい】
- 体力の向上 : 水中での運動は全身を使うため、体力の向上や筋力の強化に役立ちます。また、心肺機能の向上も期待できます。
- 水に慣れる:幼児期に水に親しむことで、水への恐怖心を克服し、将来的な水泳能力の基礎を築きます。
- 感覚統合:水の中での浮力や抵抗を感じることで、身体のバランス感覚や協調性が養われます。
- 社会性の発達:プール活動を通じて、友達との協力やルールの理解を深め、社会性を育みます。例えば、順番を守ることやお互いに助け合うことを学びます。
- 情緒の安定:水遊びはリラックス効果があり、子どもたちの情緒の安定やストレス解消に繋がります。
- 自信の育成:新しいことに挑戦し、できるようになることで自信を持つことができます。水に浮かぶ、潜るなどの達成感が自信に繋がります。
これらのねらいを持って、幼稚園でのプール活動を計画・実施していきます。
【幼稚園でプール活動を行うメリット】
- 身体能力の向上:水泳は全身運動であり、筋力や心肺機能を強化します。バランス感覚や柔軟性も向上します。
- 健康促進:水中での運動は関節への負担が少なく、怪我のリスクが低い状態で運動量を確保できます。また、冷水による体温調節が促され、免疫力の向上も期待されます。
- 精神的なリラクゼーション:水の中にいること自体がリラックス効果をもたらし、ストレスや不安の軽減に役立ちます。水遊びは楽しい活動として、子どもたちの気分を高めます。
- 水慣れ・安全意識の向上:幼少期に水に親しむことで、将来的に水への恐怖心を減らし、溺水事故のリスクを低減します。また、水に対する正しい知識や安全意識を身につける機会にもなります。
- 社会性と協調性の育成:プール活動を通じて、他の子どもたちと一緒に遊び、順番を待つなどの社会的スキルを学びます。また、友達と協力することで協調性も育まれます。
- 自信と達成感の醸*:水に浮かぶ、泳ぐなどの新しいスキルを習得することで、達成感を得られます。これが自己肯定感の向上や自信につながります。
- 感覚の発達:水の中での感覚刺激は、子どもたちの感覚統合を促進します。浮力や水の抵抗を感じることで、身体の動きをより意識するようになります。
これらのメリットを通じて、幼稚園でのプール活動は子どもたちの全体的な発達に大きな役割を果たします。
【気をつけること】
幼稚園でプール活動を行う際には、以下の点に注意することが重要です。
①安全管理
《監視体制》プールには必ず監視員を配置し、子どもたちが常に見守られていることを確認します。
《人員配置》十分な数の大人が監督にあたり、緊急時に迅速に対応できるようにします。
②健康チェック
《体調確認》プールに入る前に子どもたちの体調を確認します。発熱や風邪症状がある場合は参加を控えさせます。
《感染症対策》水質管理や消毒を徹底し、感染症のリスクを減らします。
③適切な準備
《プールの清掃と管理》プールの水質を定期的にチェックし、適切に清掃・消毒します。
《子どもの準備》水着やタオル、帽子、ゴーグルなど、必要な用具を準備させます。また、日焼け止めの使用や水分補給も忘れずに行います。
④温度管理
《水温管理》プールの水温が適切であることを確認します。冷たすぎる水や暑すぎる水は子どもたちの体に負担をかける可能性があります。
《天候の確認》天候が悪い場合や気温が極端に高い場合は、プール活動を中止することを検討します。
⑤子どもの教育
《ルールの徹底》プールでの安全ルールを事前に教え、守ることの重要性を理解させます。
《水泳技術の指導》基本的な水泳技術や水中での安全な動き方を教えます。
⑥緊急時の対応準備
《緊急時対応マニュアル》万が一の事故や怪我に備えて、緊急時の対応マニュアルを準備し、スタッフ全員がそれを熟知していることを確認します。
《応急手当の準備》救急箱や緊急連絡先を用意し、スタッフが応急手当の方法を習得していることを確認します。
これらの点をしっかりと守ることで、幼稚園でのプール活動を安全かつ楽しいものにすることができます。
【プールを行う際の安全管理】
①監視体制
《十分な人数の監視員》プールには常に十分な数の大人が配置され、子どもたちを見守ります。監視員は泳げることが条件で、救助方法についての知識も持っていることが望ましいです。
《監視エリアの分担》監視員がそれぞれのエリアを担当し、死角をなくすように配置します。また監視役の教員は常に子どもの人数確認をしとおくことが大切です。
②プールの環境整備
《水質管理》プールの水質を定期的にチェックし、清潔を保ちます。適切な塩素濃度を維持し、定期的に水を交換します。
《設備点検》プールの設備(排水口、ラダー、フィルターなど)の安全性を確認し、破損がないか点検します。
③事前準備
《健康チェック》プールに入る前に子どもたちの体調を確認します。風邪や体調不良の子どもは参加を控えます。
《持ち物の確認》必要な水着、タオル、帽子、などが揃っているか確認します。
④着替えと準備運動
《更衣のサポート》子どもたちが安全に着替えられるようにサポートし、更衣室での事故防止に努めます。汗をかいていると、服が脱ぎにくかったり、水着がうまく着られないこともあります。手伝ったり、弱めにエアコンを付けるなどしてサポートしていきましょう。
《準備運動》プールに入る前に、準備運動やストレッチを行い、筋肉をほぐします。体を温めることや怪我防止にも繋がります。
⑤プール内でのルール徹底
《ルール説明》プールでの基本的なルール(走らない、飛び込まない、友達を押さないなど)を説明し、守らせます。命に関わることなのできちんと伝えます。守らなかったらプールに入れないなどの厳しい対応も時には必要です。
《グループ分け》子どもたちをスキルレベルや年齢に応じてグループ分けし、それぞれに適した活動を行います。
⑥水遊び中の注意
《常時監視》活動中は常に子どもたちを監視し、目を離さないようにします。必ず1人はプールの外から監視をし、常に人数確認を心がけましょう。
《救命具の使用》必要に応じて浮き輪やビート板などの救命具を使用させます。
⑦緊急時の対応
《緊急連絡先の準備》緊急時に備えて、保護者の連絡先を確認し、緊急時対応マニュアルを用意します。
《応急手当の準備》応急手当セットを用意し、スタッフが応急手当の方法を習得していることを確認します。
《救助訓練》スタッフが定期的に救助訓練を受け、緊急時に迅速に対応できるようにします。救命救急研修を受け、緊急時の動き・役割、AEDの使い方なども身につけておきましょう。
⑧活動後のケア
《水分補給》活動後に十分な水分補給を促し、脱水症状を防ぎます。
《健康チェック》プール活動後の子どもたちの体調を再度確認し、異常がないかチェックします。
これらの安全管理を徹底することで、幼稚園でのプール活動を安心して行うことができます。安全第一を心がけ、子どもたちが楽しく安全にプールで遊べる環境を提供することが重要です。
【プールに入る時の流れ】
①準備
《体調確認》教員が子どもたちの体調を確認し、発熱や風邪症状のある子どもは参加を控えさせます。
《持ち物の確認》水着、タオル、帽子など必要な持ち物が揃っているか確認します。
②更衣
《更衣室(保育室)で着替え》子どもたちは更衣室で水着に着替えます。この際、スムーズに着替えられるようにサポートします。
《持ち物管理》脱いだ衣服やタオルなどを指定された場所にまとめておきます。
③準備運動
《ストレッチ》プールサイドで簡単な準備運動やストレッチを行い、筋肉をほぐします。これにより、怪我の防止が図れます。
④プールに入る前
《シャワー》プールに入る前にシャワーを浴びて身体を清潔にします。これにより、プールの水質を保つことができます。
《安全・約束の確認》プールサイドでの移動は慎重に行い、走らないように指導します。
⑤プール活動
《ルールの確認》プールでの基本的なルールを再確認し、安全に楽しむための約束を守らせます。
《段階的に水に入る》いきなり深いところに入らず、まずは浅い部分から水に慣れさせます。徐々に深いところに移動します。
《指導と遊び》水遊びや簡単な水泳の指導を行います。遊びを交えながら、水に慣れることを目的とした活動を行います。
⑥プールから上がる
《順序を守る》順番にプールから上がり、急いで上がらないように指導します。
《シャワー》プールから上がったら、再度シャワーを浴びて身体を洗います。体についた塩素をしっかり洗い流します。シャワー後はタオルでしっかり体を拭くように指導しましょう。足が濡れていると廊下で滑ります。僕は子どもには「歩いてみて足跡がつかなくなるまで拭こう」と伝えています。
⑦着替え
《更衣室(保育室)で着替え》再び更衣室で服に着替えます。体を拭いたタオルを床に敷いてその上で着替えるようにすると床が濡れません。濡れた水着やタオルは専用の袋に入れます。
《持ち物整理》持ち物を整理し、忘れ物がないか確認します。
⑧後片付けと整理
《プールサイドの整頓》使用した遊具や備品を片付けます。
《水分補給》活動後には水分補給を促し、脱水症状を防ぎます。
⑨振り返り
《感想共有》子どもたちとプール活動の感想を話しあったり、楽しかったことや気をつけたことを共有したりします。
この流れを守ることで、幼稚園でのプール活動を安全かつ楽しいものにすることができます。
【5歳児の着替え】
5歳児の着替えに関しては、男女別々に着替えることが多いです。以下の理由から、このような対応が取られます。