25年ルール対象車は、解禁前から探すべきか? AIが拾ったエボⅦを調べてみた
おさむ|AI輸出戦略
また出てきましたね、25年ルール対象車。
先日はGDBインプレッサを調べていましたが、今度は三菱ランサーエボリューションVII(エボⅦ)のAI速報が流れてきました。
エボⅦといえばブライアン(ワイルドスピード)

「米国で輸入解禁」「異常高騰」「今すぐ仕込め」
なかなか強烈な言葉が並んでいますw
でも、何度かこうした情報を調べていると、ひとつ気になることがあるんですよね。
25年ルールの対象になる車を、解禁される前から探しておけばいいのでは?
対象になる時期を先に調べ、海外で人気が出そうな車を見つけておく。
もし日本の仕入れ相場がまだ安ければ、商売のチャンスになるかもしれません。
ただし、ここでいきなり車を買うのは違うと思うんです。
まずは、本当に市場が動いているのかを確認したい。
今回はエボⅦを題材に、米国の25年ルール、海外での実際の売買価格、そして対象車を先回りして探す方法について調べてみました。
私は中古車輸出の実務経験者ではありません。AIを使って海外市場の情報を集め、公開情報や制度を確認しながら、どこに可能性があるのかを探っています。
今回も、AIの「儲かる」という言葉をそのまま信じるのではなく、確認できたことと、まだ分からないことを分けて考えていきます。
1. 25年ルールは、何が変わる制度なのか
まずは制度の確認から。
米国には、製造から25年以上経過した自動車について、連邦自動車安全基準(FMVSS)への適合を問わず輸入できる扱いがあります。
これが、いわゆる「25年ルール」です。
日本では普通に流通している車でも、米国へ恒久輸入する場合には、安全基準への適合などが問題になることがあります。
25年を経過すると、この安全基準に関する大きなハードルが変わるわけです。
ただし、ここで注意したいことがあります。
2001年式だから、2026年1月1日から全部の車が対象になるわけではありません。
NHTSAの公式FAQでは、25年の起算点はモデルイヤーではなく、実際の製造日とされています。
例えば、2001年6月に製造された車と、2001年12月に製造された車では、25年を経過するタイミングが異なります。
製造年月を確認できる資料も重要です。
さらに、25年ルールですべての輸入条件がなくなるわけではありません。
排出ガスを管轄するEPAの要件など、別に確認しなければならない項目があります。
EPAには、21年以上経過した車両に関する取り扱いがありますが、エンジンが元のものと同じモデル・仕様であるかなど、条件の確認が必要です。
つまり、年式だけを見て「もう輸入できるから大丈夫」と判断するのは危険です。
車両ごとに製造年月、仕様、改造内容、必要書類を確認する。
これが最初の一歩になります。
2. エボⅦは海外で本当に高く売れているのか
制度が変わることは分かりました。
では、海外の市場では、エボⅦはいくらで取引されているのでしょうか。
公開されているオークションの記録を確認しました。
事例① Bring a Trailer:18,000ドル
2026年7月、Bring a Trailerでは2001年式のランサーエボリューションVII GSRが18,000ドルで売却されています。
走行距離は約15万km。5速MTの右ハンドル車で、掲載情報によると2016年に日本からカナダへ輸入された個体です。
ここで重要なのは、この車が売買された場所は米国ではなく、カナダだったということ。
したがって、この18,000ドルという価格を、そのまま「米国で25年ルールが解禁されたことで生まれた価格」と説明することはできません。
それでも、エボⅦが海外市場で実際に売買されていることを確認できる事例ではあります。
事例② Cars & Bids:30,000ドル
もうひとつ、Cars & Bidsで2001年式エボⅦ RS2の取引記録を確認しました。
こちらは2026年4月の競売で、入札額は27,750ドルまで上がりました。しかし、リザーブ価格には届かず、競売そのものでは売買が成立していません。
その後、掲載ページには「Sold After for $30,000」と記録されています。
つまり、競売終了後に30,000ドルで売却されたということです。
この車両は欧州仕様の左ハンドル車で、コロラド州のタイトルが付いています。多数の改造も施されていました。
ここも注意したいところです。
競売中の落札価格が30,000ドルだったわけではありません。また、日本仕様の右ハンドル車と同じ条件でもありません。
この2台から何が分かるのか
今回確認できたのは、エボⅦに海外で高額な売買事例があることです。
一方で、次のことまでは証明できません。
- 25年ルールによってエボⅦの価格が急騰した
- 日本で安く仕入れれば、米国で高く売れる
- 日本仕様の右ハンドル車なら同じ価格になる
- 輸送費や関税などを差し引いても利益が残る
ここは分けて考える必要があります。
海外で高値が付いている。
これは市場を調べるきっかけになります。
でも、そこからすぐに「輸出すれば儲かる」と結論付けるのは早い。
今回の調査では、そこを混同しないことを大切にしました。
3. 海外価格を見てから、日本の仕入れ価格を考える
仮に、海外で高額な取引事例が見つかったとします。
次に調べるべきなのは、日本国内でいくらで仕入れられるかです。
ここで、販売店の店頭価格をそのまま仕入れ価格として使ってはいけません。
店頭価格と、業者オークションなどで実際に仕入れる価格は違うからです。
さらに、仕入れ価格だけで計算を終えることもできません。
例えば、次のような費用が発生する可能性があります。
- 車両の仕入れ代金
- オークション手数料
- 国内陸送費
- 輸出手続きに関する費用
- 海上運賃と保険料
- 関税などの輸入関連費用
- 通関業者への支払い
- 現地での保管、整備、登録に関する費用
- 販売手数料や為替変動の影響
車両や取引条件によって必要な費用は変わります。
米国の関税についても、25年ルールとは別に確認が必要です。対象年齢に達したからといって、すべての費用がなくなるわけではありません。
だからこそ、海外での販売価格を確認したら、今度は日本側の仕入れ価格と諸費用を調べる。
そのうえで、利益が残る可能性があるかを計算する。
海外価格から逆算して、仕入れの上限を決める。
この順番を守りたいところです。
4. だから、対象車を先回りして探す
ここで、最初の仮説に戻ります。
25年ルールの対象になる車を、対象になる前から探しておく。
私は、候補車を見つける方法としては有効だと考えています。
ただし、先回りする対象は「車そのもの」だけではありません。
まずは情報を先回りして集める。
そのために、車種ごとに次の項目を整理しておきます。
① 製造年月
いつ25年を経過するのか。
モデルイヤーだけで判断せず、実際の製造年月を確認します。証明に使える書類があるかも調べておきます。
② 海外の実売価格
販売店の掲載価格だけではなく、売買が成立した価格を優先します。
競売の入札額、リザーブ未達、競売終了後の売却価格も区別して記録します。
③ 日本国内の仕入れ相場
国内の販売店価格と、仕入れを想定するオークション相場を分けて調べます。
状態やグレード、走行距離による違いも無視できません。
④ 海外需要と車両の仕様
同じ車名でも、グレードや仕様、右ハンドル・左ハンドル、改造内容などによって評価が変わります。
海外で高く売れた車両と、国内で安く仕入れられる車両が同じ条件とは限りません。
⑤ 輸入条件と費用
安全基準に関する25年ルールだけで判断せず、EPAの要件、関税、輸送費、通関などを確認します。
ここまで調べれば、単に「25年ルールの対象になる車」ではなく、さらに調査する価値のある候補車を絞り込めます。
5. 「今すぐ仕込め」という言葉には注意したい
今回のAI速報では、「今がラストチャンス」「予約販売ならリスクゼロ」といった表現が使われていました。
でも、買い手が先に見つかっていたとしても、リスクがゼロになるわけではありません。
車両の状態が説明と違う。輸入条件を満たせない。輸送が遅れる。追加費用が発生する。買い手との契約が予定どおり進まない。
こうした可能性は残ります。
予約販売や事前契約を検討するなら、車両の仕様、輸入可否、費用、契約条件などを確認しておく必要があります。
「先に売り先を探す」という考え方と、「リスクゼロで取引できる」という主張は別の話です。
私は、AIが「今すぐ仕込め」と言ってきても、すぐに買うことは考えません。
まずは、どこまで事実が確認できるか。
次に、利益が残る可能性があるか。
その順番で調べたいと思います。
6. 次に調べたいのは、エボⅦだけではない
今回のエボⅦを調べていて、あらためて思いました。
25年ルールをきっかけに調べるなら、特定の車種だけに絞る必要はありません。
今後対象になる車、すでに対象になった車、海外で評価されているスポーツモデル。
製造年月と海外相場、日本の仕入れ相場を組み合わせて調べていけば、候補車を見つけられる可能性があります。
もちろん、対象車なら何でもいいわけではありません。
海外需要が弱ければ売れない。国内の仕入れ相場が先に上がっていれば、利益を出す余地は小さくなる。状態のよい個体が少なければ、安く仕入れること自体が難しくなります。
だから、制度だけでなく、日本の仕入れ市場と海外の販売市場の両方を見る必要があります。
その間に本当に価格差があるのか。
そして、輸送費や各種費用を差し引いても、その差が残るのか。
そこまで調べて、初めて仕入れ候補として検討できます。
まとめ:車を先に買うより、情報を先に集める
GDBインプレッサに続いて、今度はエボⅦ。
25年ルールをきっかけに調べていくと、対象車を先回りして探すという考え方が見えてきました。
今回、海外の公開オークションでエボⅦの売買事例を確認できました。
ただし、確認できた2台の価格だけでは、25年ルールによる価格急騰や、日本から米国へ輸出した場合の利益までは証明できません。
まだ調べることは残っています。
だから、今の段階で「この車を買えば儲かる」とは言いません。
まずは、対象になる車を洗い出す。
製造年月を確認する。
海外の実売価格を調べる。
国内の仕入れ相場を調べる。
そして、必要な費用を差し引いても利益が残るか計算する。
この順番で進めたいと思います。
AIが「今すぐ仕込め」と言ってきても、まずは相場を見せてもらう。
車を先に買うのではなく、チャンスを先に見つける。
25年ルールを使った中古車輸出の可能性は、これからも調べていきます。
