はじめに:この手順書でできること、できないこと
「完全自動で、寝ている間に稼ぐ」。そんな言葉に惹かれて、この記事を開いてくださったのだと思います。最初に、この手順書の立ち位置をはっきりさせておきます。
この手順書がめざすのは、Anthropic社のAIコーディングツール「Claude Code」とGitHubを組み合わせて、「テーマを選ぶ→下書きを作る→サイトに載せる」という作業の大部分を仕組みにし、あなたが手を動かす時間を週数時間まで減らすことです。そのうえで、情報サイトの広告やアフィリエイトによる月5万円の収益を「目標」として置きます。
一方で、次の3つは約束できません。
- 月5万円という結果の保証
- 人の確認がまったく要らない運用
- 何もしなくても収益が増え続ける状態
AIが書いた文章をそのまま大量に公開しても、検索で評価されるとは限りません。事実の間違いが混ざれば、読者にも自分にも損害が出ます。だからこの手順書では「下書きまでは自動、公開の判断は人」という設計を一貫して採ります。これは手間を減らしつつ、品質と安全を守るための現実的な線引きです。
なお、本文中の料金や仕様は2026年10月11日時点で公式の情報を確認したものです。AI関連のサービスは仕様や価格の改定が頻繁にあります。実践の直前に、必ず公式ページで最新情報を見てください。
この手順書で手に入るもの
- ゼロから環境を整えて、サイトを公開するまでの具体的な手順
- コピーして使える指示文(プロンプト)と設定ファイルの雛形
- GitHub Actionsで下書きを自動生成し、プルリクエストで受け取る仕組み
- 月額コストと収益の試算方法、12週間のロードマップ
- 著作権・広告表記・税金で失敗しないための確認事項
プログラミング経験がなくても進められるように書いていますが、「画面の指示どおりに操作する」「エラーが出たら文面をそのままClaude Codeに見せて相談する」くらいの根気は必要です。
第1章 「完全自動」「不労所得」の正体を先に知っておく
1-1 自動化できる部分、できない部分
収益サイトの運営を分解すると、次のようになります。
自動化しやすい作業は、キーワード候補の整理、構成案づくり、本文の初稿、誤字脱字の確認、サイトのビルドと公開、リンク切れの検出などです。ここはClaude CodeとGitHub Actionsが得意とする領域です。
自動化してはいけない作業は、テーマの最終判断、事実の裏取り、体験や一次情報の追加、広告表記の確認、そして公開の承認です。ここを人が担うことで、記事に独自性が生まれ、トラブルも避けられます。
つまり「不労所得」というより、「作業を大幅に圧縮できる資産づくり」と捉えるのが正確です。サイトという資産が育てば、更新頻度を落としても検索流入が続く可能性はあります。ただし、その状態に至るまで数か月から1年以上かかることも珍しくなく、個人差も大きいものです。
1-2 月5万円に必要な数字のイメージ
収益は大まかに「月間ページビュー×クリック率×成約率×案件単価」で決まります。たとえば、広告や案件リンクのクリック率を2.5%、成約率を2%、成果報酬を1件3,000円と仮定すると、月間3万PV前後で5万円台に届く計算になります(詳細は第7章の図4)。
これは架空の数字ですが、「5万円のために何PV必要か」を逆算しておくと、やるべきことが具体的になります。月3万PVを目標にするなら、検索で読まれる記事を何本、どのテーマで積み上げるか、という計画に落とせるからです。
1-3 向いている人、向いていない人
向いているのは、週に5〜8時間を3か月以上確保できる人、記事の確認作業を面倒がらない人、数字を見て改善できる人です。
向いていないのは、短期間で結果が出なければやめてしまう人、「放置で稼げる」前提の人、確認や裏取りを省いて公開したい人です。後者の運用は、費用がかさむばかりか、サイトの評価を落とす原因になります。
1-4 よくある失敗パターン3つ
この種の取り組みで、つまずきやすい典型例を先に挙げておきます。
1つめは、量産に走って確認を省くパターンです。公開本数ばかりを追うと、古い料金や誤った手順が混ざり、読者の信頼を失います。2つめは、ジャンル選びを後回しにするパターンです。仕組みを作る作業は楽しいので、つい環境づくりに時間を使い、肝心の「誰の何の悩みに答えるか」が曖昧なまま進んでしまいます。3つめは、数字を見ないパターンです。公開しっぱなしにすると、どの記事が読まれ、何が足りないのかが分からず、改善の手がかりを失います。
この手順書は、これらを避けるために「確認の工程」「ジャンルの条件」「週1回の数字確認」を最初から組み込んでいます。
第2章 全体像と準備するもの
2-1 仕組みの全体像
この手順書で作る仕組みは、次の流れです。
- テーマ一覧(topics.csv)に、書きたいキーワードを登録しておく
- 決めた曜日の朝に、GitHub Actionsが自動で起動する
- Actions上のClaudeが、未着手のテーマを1つ選び、下書きを作成する
- 下書きは「プルリクエスト」という形であなたに届く(公開はされない)
- あなたが事実確認・加筆をして、問題なければ承認(マージ)する
- 承認されたものだけが自動でサイトに公開される
- 検索での表示回数やクリックを見て、次のテーマに反映する
ポイントは4と5の間に、必ず人が入ることです。自動化する範囲と人が確認する範囲の線引きは、第8章の図6で整理します。
2-2 必要なものと費用
まず、Claude Codeを使うにはClaudeの有料プランが必要です。無料プランではClaude Codeは使えません。個人向けにはPro(月額$20、年払いなら$200)、Max 5x(月額$100)、Max 20x(月額$200)があり、最初はProで十分です。使い始めて上限にたびたび当たるようなら、そのときにMaxを検討すれば遅くありません。

次に、この手順書で使う道具の役割分担です。

注意したいのは、GitHub Actions上でClaudeを動かすときは、サブスクリプションの枠ではなく、APIキーによる従量課金になる点です。Claude Codeの公式ドキュメントでも、GitHub Actionsの実行にはGitHubの実行時間と、APIのトークン利用料の両方がかかると案内されています。
また、GitHub Actionsには無料枠があります。公開リポジトリの標準ランナーは無料で、非公開リポジトリでは無料プランで月2,000分まで使えます。Linuxの標準ランナーを超過して使った場合の単価は1分あたり約0.006ドルです(2026年の価格改定後の水準)。週3回、1回5分程度の実行なら、まず無料枠に収まります。
記事を月30本、自動で下書きする場合の月額コストの試算が図3です。

合計は月に4,000円前後です。ここから収益が上がれば、コストを回収できる構造です。ただしAPIの使用量は、指示文の長さや下書きの文字数で大きく変わります。後述の上限設定を必ず入れてください。
2-3 ジャンルの選び方
ジャンル選びで収益の7割が決まると言っても過言ではありません。次の3条件で選んでください。
- 読者の悩みが具体的で、検索されている(「〜 方法」「〜 比較」「〜 手順」が検索される分野)
- 自分が体験・経験を足せる(実際に触った、買った、手続きした)
- 収益化の出口がある(アフィリエイト案件や広告単価が見込める)
とくに2が重要です。AIが書けるのは一般論までで、あなたの体験が入って初めて、他のサイトと違う記事になります。経験のない分野に手を出すと、AIの文章を言い換えるだけになり、独自性が出ません。
「医療・健康」「お金・投資」のように、読者の人生に大きく影響する分野は、検索エンジンが特に厳しく品質を見る領域でもあります。初心者のうちは、家電・ガジェット、ソフトの使い方、趣味、地域情報など、事実確認がしやすい分野から始めるのが無難です。
ここからは、環境構築から自動化の設定、収益化の設計まで、実際に手を動かす手順を順番に解説します。
