認知バイアスの一つ、「利用可能性ヒューリスティック」について実例とともに解説します。
利用可能性ヒューリスティックとは
よく見るもの、印象的なもの、印象的な経験等を基準に意思決定や判断を行うこと
ピアノを売るなら?
僕はピアノをどこで売ればいいのかよくわかりません。よって、ピアノを売るならタケモトピアノを検索して、電話すると思います。
法律相談なら?
あのCMは印象に残りますからね。
探せば色々あるのはわかっていても、法律相談なんて切羽詰まった状況ならアディーレ法律事務所に相談する可能性は高くなる。悠長に選んでいられないからです。
自分ばかりが仕事をしている?
自分の行った仕事は印象に残るし、他人の仕事は印象に残りにくい。よって、「自分はいつも色々やってるのに、あいつは何もやってない!」というトラブルが起きたりします。
なぜこうなるのか?
タケモトピアノやアディーレの評判はわかりませんが、
「CMでよく見かけるから」
という理由も選ぶ理由になるのがこの利用可能性ヒューリスティックです。
タケモトピアノなんて、ピアノ売ってちょーだいとしか言ってませんが、認知バイアス的にはあの古めかしいCMでも効果はありそうです。
利用可能性ヒューリスティックは脳に備わってる機能の一つです。
経験則に基づいて意思決定をすることで、日常の雑多な選択に悩まずに生活できるようになるからです。
ある程度の知名度があれば、露出を増やして思い出してもらうだけで強い
日清のカップヌードルのCMや、イエローハットのCMなど、一見意味の分からないCMですが、ビジュアルと音楽が強烈に頭に残ります。
カップラーメンを買おうとしたとき、何となくCMで見かけたカップヌードルや、車のパーツでイエローハットを思い出させれば勝ち。こう考えるとCMに中味なんていらないのかもしれません。
自分で応用するならどうする?
SNSも広告の一部と考えれば、露出を増やすことで選んでもらえる可能性が高くなります。
「あの人、よく見かけるな。」
これだけでも選んでもらう理由になるわけですからね。
印象に残らなければ選んでもらえる可能性も低くなる、と考えると、残す印象も大事に思えてきますね。