AI(人工知能)の世界には、膨大なデータから法則を見つけ出す手法だけでなく、人間のように**「以前の経験を思い出し、それを応用して解決する」アプローチがあります。それがケースベース推論(Case-Based Reasoning:CBR)**です。
2024年から2026年にかけて、大規模言語モデル(LLM)の弱点である「根拠の不透明さ」を補う技術として、再び大きな注目を集めています。
1. CBRの基本概念:人間らしい思考の再現
CBRの核となる考え方は、**「類似の問題は、類似の解決策を持つ」**という仮説です。
4つの基本サイクル($R^4$ サイクル)
CBRは、Aamodt & Plaza(1994)によって提唱された以下の4段階をループすることで、経験を積み重ねます。
- Retrieve(検索)行動: 新しい問題(ターゲットケース)に対し、過去の事例庫(ケースベース)から最も似ている事例を抽出します。技術: $k$-最近傍法($k$-NN)や、最新の「ベクトル埋め込み」によるセマンティック検索が用いられます。
- 行動: 新しい問題(ターゲットケース)に対し、過去の事例庫(ケースベース)から最も似ている事例を抽出します。
- 技術: $k$-最近傍法($k$-NN)や、最新の「ベクトル埋め込み」によるセマンティック検索が用いられます。
- Reuse(再利用)行動: 過去の解決策をそのまま、あるいは現在の状況に合わせて調整して適用します。
- 行動: 過去の解決策をそのまま、あるいは現在の状況に合わせて調整して適用します。
- Revise(修正・評価)行動: 導き出した解決策を試行し、期待通りにいかない場合は修正します。ここでは人間の専門家によるフィードバックが重要です。
- 行動: 導き出した解決策を試行し、期待通りにいかない場合は修正します。ここでは人間の専門家によるフィードバックが重要です。
- Retain(記憶・蓄積)行動: 成功した解決策(および失敗の教訓)を新しい事例として保存します。これにより、システムは動的に学習を続けます。
- 行動: 成功した解決策(および失敗の教訓)を新しい事例として保存します。これにより、システムは動的に学習を続けます。
