ルネサス エレクトロニクスが提供するRL78ファミリーは、現代の組み込み設計において「超低消費電力」と「高効率な処理性能」を極めて高い次元でバランスさせた16bitマイクロコントローラ(MCU)です。
2010年の登場以来、家電から産業機器、車載分野まで幅広く採用されている本ファミリーの核心に迫ります。
1. 78K0Rを凌駕する次世代アーキテクチャ
RL78は、旧NECエレクトロニクス製の「78K0R」をベースに、旧ルネサス テクノロジの「R8C」の優れた周辺機能を融合させて誕生しました。その最大の進化点は、内部構造の抜本的な見直しにあります。
■ 3段パイプラインとハーバード・アーキテクチャ
従来の多くの8/16bitマイコンが、命令とデータのバスを共有する「フォン・ノイマン型」を採用していたのに対し、RL78はハーバード・アーキテクチャを採用しています。
- 並列処理の実現: 命令フェッチ専用バスとデータアクセス用バスを分離。
- 3段パイプライン: 「Fetch(取込)」「Decode(解読)」「Execute(実行)」の3ステージ構成により、1命令あたりの実行クロック数(CPI)を劇的に削減しました。
これにより、旧来のアーキテクチャと比較して、同一クロック周波数における実効性能が最大約1.5倍〜2倍に向上。「CPU処理性能が飛躍的に向上した」と言わしめる所以はここにあります。
