AIエージェント開発は「単一のチャット」から「複数のAIが連携するワークフロー」へと完全にシフトしました。現在、その中心にあるのがLangGraph(LangChainチーム)とAutoGen(Microsoft)です。
本記事では、これら2大フレームワークの決定的な違いと、2026年現在の実務における使い分けを徹底解説します。
1. LangGraphとAutoGenの決定的な違い
両者は「マルチエージェント」を標榜していますが、その内部構造は正反対と言っても過言ではありません。
比較一覧表(2026年実務評価)
比較項目 LangGraph (LangChain) AutoGen (Microsoft / v0.4+)
パラダイム グラフ・ステートマシン イベント駆動型・会話ベース
制御性 ★★★★★(極めて緻密) ★★★☆☆(自律性が高い)
状態管理 明示的なStateオブジェクトで一元管理 各エージェントのメモリ+メッセージ履歴
本番運用 最適(再現性・デバッグ性が高い) 適している(プロトタイプから進化)
学習曲線 やや急(グラフ理論の理解が必要) 緩やか(会話を定義するだけ)
エコシステム LangSmith / LangChainとの強固な連携 Azure / Semantic Kernelとの親和性
2. LangGraph:制御と信頼のグラフ・アーキテクチャ
LangGraphは、エージェントの挙動を**「有向グラフ(DAG)」**として定義します。
特徴
- State管理: 全てのノード(処理)が共有する「状態(State)」を定義。どのステップで何が起きたかが完全に透明化されます。
- 「Human-in-the-loop」: グラフの途中で処理を一時停止し、人間の承認を得てから再開する実装が標準機能として備わっています。
- 再現性: 挙動がグラフで規定されているため、LLMの気まぐれによる暴走を最小限に抑えられます。
向いているケース
- 金融・医療など、処理プロセスに厳格なルールが求められる業務。
- 複雑な条件分岐や、エラー時の詳細なリトライロジックが必要なシステム。
