AI開発のパラダイムは、単一の高性能モデル(LLM)から、自律的に動き、道具を使い、互いに協力し合う**「Agentic AI(エージェント型AI)」**へと完全に移行しました。
現在、この領域でデファクトスタンダードとなりつつあるのが、ADK(Agent Development Kit)、MCP(Model Context Protocol)、**A2A(Agent to Agent Protocol)**の3要素です。本記事では、これらをどのように組み合わせ、次世代のマルチエージェントシステムを構築するかを解説します。
1. エージェント開発を支える3つの柱
2025年から2026年にかけて、AIエージェントの「標準化」が急速に進みました。それぞれの役割を整理します。
MCP
Anthropic外部ツール・データの利用標準化Agent ↔ ツール / DB / App
A2A
Google / Linux Foundationエージェント間の通信標準化Agent ↔ Agent
ADK
Google (Vertex AI等)構築・運用のフレームワーク開発者 ↔ エージェント
各要素の詳細解説
- MCP (Model Context Protocol): AIの「周辺機器」を繋ぐ これまでAIに特定のツール(例:GitHubやGoogle Calendar)を使わせるには、個別のAPI連携コードを書く必要がありました。MCPはこれを標準化し、一つの「MCPサーバー」を立てるだけで、あらゆるMCP対応AI(Claude、Gemini、IDEなど)からそのツールを即座に利用可能にします。
- A2A (Agent to Agent Protocol): AI同士の「分業」を実現する 「経費精算エージェント」が「上司承認エージェント」にタスクを依頼する際、ベンダーやモデルが異なっても会話を成立させるためのプロトコルです。Linux Foundationによる管理が進み、相互運用性の核となっています。
- ADK (Agent Development Kit): エージェントを「設計・統制」する Googleが提供するこのキットは、エージェントの「思考プロセス(推論)」や「オーケストレーション(司令塔機能)」を記述するためのフレームワークです。PythonやGoで実装でき、MCPやA2Aを組み込んだエージェントを素早くデプロイできます。
