毎日、ちょっとした一言や表情に傷つき、夜にはぐったりしてしまう――。
HSP気質のあなたは、きっとそんな日々を何度も繰り返してきたはずです。
「もっと鈍感になれたらいいのに」「人の感情を気にしない自分になりたい」そう願いながらも、敏感な自分を否定できずに苦しんでいませんか?
私も同じでした。
しかし、ある方法を知ってからは、外の世界に振り回されることが驚くほど減ったのです。それが――“心の安全基地”をつくること。
心の安全基地とは、ありのままの自分を受け入れてもらえる、安心できる場所や人間関係のことです。
たとえるなら、冒険に出かける子どもの「家」のようなものです。子どもは、家(安全基地)があるからこそ、安心して外の世界を探索できます。もし何か怖いことや困ったことがあっても、「家に帰れば大丈夫」と思える場所があるから、勇気を出して挑戦できるのです。
登場人物:
- パパ:めいちゃんを温かく見守る存在
- めいちゃん:好奇心旺盛で、一人でお出かけをするのが大好きな女の子
舞台: 週末の朝、玄関

「めい、もう準備できたか?」

「うん、パパ!ばっちり!」

「今日はお友達と公園に行くんだっけ?楽しみだな!」

「うん!新しい遊具があるんだって!早く行きたいな!」

「そうか。じゃあ、今日の予定、もう一度確認しておこうか。公園に着いたら、まずは誰と会うんだっけ?」

「えーっと、ゆいちゃんとたかし君と!3人で鬼ごっこをする約束をしたんだ!」

「なるほど。じゃあ、遊んでいる時に何か困ったことがあったら、どうするんだった?」

「んー、まずは自分で考えてみる!それでもわからなかったら、近くにいる公園の先生とか、お店の人に聞く!」

「いいね!もし何かあったら、いつでもパパに電話してもいいんだぞ。困った時は、いつでもパパたちがここにいるってこと、忘れないでね。」

「うん、わかってる!もし道に迷ったら、パパに電話する!」

「そうそう。めいは一人でしっかり考えられるから、パパは全然心配してないよ。でも、困った時は頼っていいんだ。パパとめいのお家は、いつでもめいが帰ってこられる、安心できる場所だからね。」

「ありがとう、パパ!行ってきまーす!」

「いってらっしゃい!楽しんで!」
この会話は、愛着理論における「安全基地(Secure Base)」の考え方を体現しています。
- パパの役割:子どもが探求活動(この場合は一人でのお出かけ)を安心して行えるように、後ろ盾となって見守る存在。
- めいちゃんの成長:「困った時は自分で考えてみる」という発言は、安全基地に支えられているからこそ生まれる自律性の表れです。
- 言葉の力:「いつでもここにいる」「困ったら頼っていい」という言葉は、子どもに「何かあっても大丈夫」という安心感を与え、失敗を恐れずに挑戦する勇気を育みます。
このように、親が子どもの自律性を信頼し、温かく見守ることで、子どもは心の安全基地を内面化し、やがて自分で自分を支えられるようになるのです。
この会話は、愛着理論における「安全基地(Secure Base)」の考え方を体現しています。
このように、親が子どもの自律性を信頼し、温かく見守ることで、子どもは心の安全基地を内面化し、やがて自分で自分を支えられるようになるのです。
この心の安全基地があることで、人は安心して社会に出て挑戦したり、傷ついたりしたときに立ち直ったりする力が育ちます。親やパートナー、信頼できる友人などが安全基地になり得ます。
このように、HSPの人が悩んだ時に、自分が安心できる人・モノ・場所などを知っておくだけで、辛い感情、感覚が軽くなり、自分らしさを取り戻すことができてきます。
ここでいう「心の安全基地」とは、物理的な場所だけでなく、自分の内面にある “戻ってこれる感覚” のことです。
たとえば、深呼吸して落ち着く瞬間、好きな香りに包まれる時間、誰にも否定されない内なる対話。この感覚を知り、日常の中で意識的に確保することが、HSPの人にとっての心の守りになります。
しかし、多くのHSPの人はこの安全基地の存在を知らないか、知っていても活用できていません。なぜなら、「安心感は外側から与えられるもの」だと思い込んでいるからです。