この夏、SNSのアカウントを三つ作りました。
文章を置く場所をふたつと、短い言葉の場所をひとつ。この記事が載っている場所も、そのひとつです。
先に、私のことを少しだけ。
機械を動かす仕事を、30年してきました。いまはAIを毎日、仕事で使っています。調べ物も、文章の整理も、本を作る作業も、AIと一緒にやります。
SNSも、長くやってきました。毎日、書いています。
ただ、ThreadsとTipsの開設は、今回が初めてでした。
同じSNSでも、場所が変われば、作法も仕組みも微妙に違います。IDの決まり、プロフィールの形式、やっていいことと、いけないこと。
この「微妙な違い」を埋めるのに、AIを使いました。
「作ろう」と決めてから、ずいぶん寝かせました。明日やればいいや。その明日が、何週間も続く。道具の問題ではなくて、腰の問題です。
それが8月のある月曜の夜、残っていたふたつをまとめて作って、最初の投稿まで済ませられました。
やり方は、ふだんの仕事と同じです。
わからないことを、わからないまま進めない。聞いて、確かめて、次へ。
機械の仕事で30年やってきた、それだけのやり方です。
聞く相手が図書館だった時代も、詳しい人を探した時代もありました。いまは、AIに聞きます。
今日は、そのとき実際にした質問を、順番にぜんぶ書きます。
私は仕事用のAI環境で聞きましたが、中身はスマホのChatGPT(無料版)にそのまま聞けるものばかりです。一字一句の記録ではないので、あとから使える質問の形に直してあります。
用意するもの
- スマホ
- ChatGPTのアプリ(無料版でかまいません)
- 始めたいSNSのアプリ
聞いたこと1:作り方を、順番に
◯◯(SNSの名前)のアカウントを作りたい。手順を、順番に教えてください。
番号つきの手順が返ってきます。それを画面と見くらべながら、一つずつ進めます。
途中でわからない画面が出たら、その画面に書いてある言葉を、そのまま聞きます。
「プロフィールを編集」というボタンが見つかりません。どこにありますか。
この「画面の言葉をそのまま聞く」が、いちばん効きます。本の解説と違って、いま目の前にある画面の話をしてくれます。
聞いたこと2:あとで変えられないものは、どれか
これから決めるもののうち、あとで変えないほうがいいものはどれですか。
段取りを組むときの、いつもの質問です。あとで動かせないものから先に決める。
答えは「ID(ユーザー名)」でした。
表示の名前はあとで直せますが、IDを途中で変えると、それまでの積み上げが切れてしまう。
だから先にIDだけ落ち着いて決めて、私は三つの場所をぜんぶ同じIDに揃えました。場所が違っても同じ名前なら、覚えてもらえます。
聞いたこと3:名前をどうするか
ここで一つ、指摘をもらいました。
私は「61歳の◯◯」という形の名前を考えていました。すると、「61歳からの」にしませんか、と返ってきました。
「の」だと、62歳になった日に嘘になります。
「からの」なら起点の意味なので、いくつになっても本当のまま。
一文字の違いです。毎日AIと仕事をしている私も、ここは気づいていませんでした。
道具は、使い込んでいる人間にも、まだこういう返しをしてきます。だから面白いんです。
聞いたこと4:プロフィール文に何を書くか
プロフィール文の下書きを作ってください。入れたいのは、①何をしてきた人か ②誰に向けて書くか ③いま何をしているか、の三つです。
出てきた下書きを、自分の言葉に直します。直したら、また貼って聞きます。
読みにくいところ、意味の通らないところはありますか。
書いてもらって終わり、にはしません。下書きはAI、決めるのは自分。この分担を崩すと、自分のアカウントという気がしなくなります。
聞いたこと5:やってはいけないことは何か
このSNSの決まりごとで、特に気をつけることを教えてください。
宣伝ばかりの記事は嫌われること。同じ文章をあちこちに使い回してはいけないこと。
規約を全部読んだら1時間かかるところが、5分で要点になります。大事なところだけ、あとで原文を確かめました。ここは機械の仕事と同じで、要約を信じきらず、元を見ます。
聞いたこと6:身を守ることは
個人が特定されないために、気をつけることはありますか。
家の場所がわかる写真。表札や番地。散歩の道順がわかる書き方。
言われてみれば当たり前のことほど、始める前に確かめておいてよかったと思います。
聞いたこと7:最初の投稿はどうするか
最初の投稿は、何を書けばいいですか。
立派な宣言はいりません、挨拶でじゅうぶん、と返ってきて、気が楽になりました。
その夜のうちに最初の投稿まで置いて、翌朝は「おはようございます」から始めました。
61年ぶんの「明日やればいいや」について
作業そのものは、夜のうちに終わりました。
何年も寝かせたわりに、あっけないものでした。
重かったのは作業ではなくて、腰でした。
始める夜をひとつ決めてしまえば、あとは、聞けば返ってくる。返ってくるから、手が止まらない。止まらないから、終わる。
30年、確かめながら進める仕事をしてきました。
いまは、確かめる相手がいつでも隣にいます。
これでできないはずはないと、やり終えた夜、本気で思いました。
61年続けた「明日やればいいや」を断ち切るのに、かかったのは一晩でした。
——
やり直しじゃなく、再起動。積んだものは、消えていない。
時代は、繰り返す。
昔を知れば、未来は読める。
だから私は、40年分の中身を数えています。
北島正幸(61歳)|restart.61
