こんにちは、サックス、フルート奏者の菊地康正(KOSE)です。KOSEとは英語圏の人が発音しやすいスペルです。日本語だと「こうせい」にです。
長らく演奏活動と、教育活動をしてきました。


自己紹介として2016年発売のアルバム「Fabulous」の譜面付きダイジェスト動画を聞いてくれたまえ。

管楽器の入り口は、たいてい吹奏楽、ブラバンです。僕もそうでした。中学入学の日の吹奏楽部の演奏に感激し、これだ!とその日に入部、やらされたのはチューバでしたが、何かが違うと気が付き
サックスに換えてもらいました。中高と吹奏楽部でしたが、渡辺貞夫さんの番組他から次第にジャズの自由な世界に気が付き、職業として音楽の道に進みました。
マチュアでも楽器でアドリブを目指している方は多いと思います。何をどのようにやればうまくアドリブできるのか?僕も長らくそのテーマで努力してきました。
20代のころの方法は、とにかくたくさんレコードコピーして譜面を作り、それを練習して暗記して自分の、アドリブを試みるという方法でした。その後その道の先達である松本英彦の教えを受け、
またバークリー帰りの音楽家、三木敏悟に作曲、編曲のレッスンを2年間受けました。
楽器の技術を向上させ、音を聞き取る耳の精度を上げてゆくのはジャズ奏者には必須の過程ですが、問題はそのやり方に有ります。アマチュアでも、それなりにアドリブが上手くなりたい、
またはストレートメロディでもプロ奏者のように上手く感動させるような演奏がしたいと思っている方には、このティップスは良いヒントになると思います。
音をどういう風に認識するかというテーマは、諸説あり、決まった音程に名前を付けて読む「固定読み」と、キーが変わったらその基準音を「ド」と読み
その都度移動して歌い、認識する移動読みが有ります。僕は子供のころから移動読みで、そのメリットを教示してきた人間です。このティップスでは、その長所と訓練法をご紹介します。
サックス、フルートのみならず、すべての楽器(声も含む)でアドリブの上達を目指す皆さんには、根本の音を聞き取る最も合理的なやり方がマスターできるチャンスです。
声楽、歌い手さんは、音の高さを感覚的にとらえる音感と、それをコントロールする喉だけなので移動読み、または潜在的移動読みが多く、器楽(管、弦、鍵盤)の方は固定読みが多いようです。
日本の旧文部省では、どちらが子供に教えるのに良いかという不毛な論争を30年以上続けた結果、どちらもありという玉虫的結論に達したようです。
どちらにも長所と短所があり、使い分けるのが良いというのは実際的な答えですが、絶対音感保持者以外は、移動読み的な相対音感を発達させるのが良いと僕は考えます。
個人的には私は、ジャズのサックス、フルート奏者であり、ブルースやスタンダードナンバーを練習し、コード進行を記憶し、幾多の偉大な奏者のフレージングを研究、咀嚼、消化し、
自身のフレージングを築き上げてきました。その技術を買われて日本の芸能界のトップの皆さんとの仕事が多かったです。
またそれまでの研究成果を、著作にして発表したところ、大変な反響があり、その後通信講座や多くの著作の先駆けとなりました。またその後30年に渡り多くの生徒さんを指導してきたわけです。


移動読みも固定読みも母国語と第二言語の様なもので、最初にマスターしたものの方がより自由自在なのはそのとおりです。無理をすれば固定読みも不可能ではありませんが、子供のころから移動読みで育った僕には、すべての調性音楽(ドレミでなぞることができる)は、テレビコマーシャルから、歌謡曲、山手線の電車の閉まる音楽までドレミで聞こえてしまうので、直しようもありませんし、その便利さを享受しています。
なぜ便利かというと、自分の楽器(サックス、フルート)およびピアノで、すでに12のキーをマスターしているので、ドレミで歌えて記憶出来れば、即座に12のどのキーでも演奏し、歌えるのです。
これはジャズ奏者には必須の能力で、聞いた音をドレミでキャッチ出来てその通り演奏出来たら、耳の良い歌い手さんと同レベルという事になります。
素人でも、音感の良い歌い手なら、記憶した同じ曲を、キーを変えてもすぐ歌えるのは、皆さんがカラオケで体験している通りですが、楽器で、特に管楽器でそれを行うのは、高い技術と、それを達成するのに多くの努力と時間が必要です。
歌い手が楽譜を読むときに、#や♭がどんなに多くても気にしないで歌えるのにはちょっとしたコツが有ります。
#は、F,C,G,D,Aの順に付いて行き、♭は、B,E,A,D,Gの順に付いて行きます。#の時は一番右の#がシに当たるので、その1音上がドになります。
一番右の#がD#なら、キーはEとなり、Eの音をドと読んで歌います。

♭の場合は、1個の時は、その♭した音はファなので、キーはF,2個以上の場合は、右から2番目の♭の音がドです。もし♭4個なら、A♭がドなります。
7通りのドレミファソラシドの読み方さえマスターすればどんなキーでもドレミで歌えるわけです。
では、12のメジャースケールを、楽器上で、移動読みでマスターする方法、練習法を示します。
それは、声楽(歌い手さん)と同様に、12のメジャースケールを、楽器上で指遣いを、覚えてしまい、歌うように吹ければよいわけです。楽器をやったことが有る人なら。
それが出来れば苦労はしないよ!と言うでしょう。そこで、秘策をご紹介するのがこのTips と言う訳です。
まず、メジャースケールを定義します。1オクターブは、振動数が2倍と言われています。それを12等分したのが半音、半音の2倍が全音という音程です。
音程とは、2音の距離と考えてください。
ドレミファソラシド(メジャースケール)は、隣り合った音が、全全半全全全半で出来た7音の音階と定義します。つまり、ミファ、シドは半音、それ以外の隣り合った音はすべて全音です。
キーがCの場合は、C,D,E,F,G,A,B,C=ドレミファソラシドとなります。
ドレミファソラシドを2つのパート、ドレミファとソラシドに、分けて考えて見ることにする。
*ドレミファ、またはソラシドのような4音の音階のことをテトラコードと呼ぶ。正確にはメジャーテトラコードである。(メジャーテトラコード以外に、マイナーテトラコード、フリジアテトラコード、ホールトーンテトラコードがある)

ドレミファ=全音+ 全音+ 半音
ソラシド= 全音+ 全音+ 半音
となり、全く同じ構造である事が解る。と言うことは、同じ歌い方が出来ることがお解り頂けるだろう。
そこで、Cのドレミファをソラシドに読み替えるとFのソラシドとなり、ファソラシ♭ドをドレミファソと読み替えてFメジャースケールを演奏できる。
これは12キーを自由自在に演奏できるようになるための第1歩となるだろう。
そこで、楽譜1のような、歌い方も可能になるわけだ。これは、key=C のドレミファは、key=F(サブドミナントのキー)のソラシドであり、key=C のソラシドは、key=G(ドミナントのキー)のドレミファであると言うことである。
そして、これは、key=Cの時のみならず全てのキーの場合に当てはまるのである。

                                                    
                                                                    
                                                        