プロローグ
ゴミの日の朝、いつものように町内のゴミステーションに向かったぼくは、不思議な光景を目にしました。
ゴミ集積所の向こうに、毎回現れる一台の軽トラック。
車から降りた男たちは、燃えるゴミや不燃ゴミには目もくれず、アルミ缶やダンボールだけを黙々と回収していきます。
まるで自分たちの持ち物のように、資源ごみを次々と軽トラへ…。
誰に頼まれたわけでもなさそうなのに、彼らは町内の複数のゴミステーションを回っているようです。
一体、彼らは何者なのか?
何のために、資源ごみだけを持っていくのか?
ぼくは、班長としてゴミ当番をしていたある日、その謎に迫るきっかけを手に入れました。
そしてその出来事が、ぼくを“ある特殊な仕入れルート”へと導くことになるのです──。
1.謎の軽トラ、その正体は…
班長としてゴミ当番をしていたとき、町内会の評議員と雑談していたぼくは、思い切ってあの軽トラの話を切り出しました。
すると、評議員は笑いながら教えてくれたのです。