私と佐藤くんは、中学の頃から「友達」と呼べるほど仲が良いわけじゃありませんでした。
同じクラスになったときに、掃除の時間が被ったり、プリントを回したりするときに二言、三言話すだけ。
高校に入ってからはクラスも離れて、廊下ですれ違っても、目を合わせるか迷って結局そのまま通り過ぎる。そんな、どこにでもいる「ただの同級生」だったんです。
でも、本当のことを言うと。
生意気で、何を考えているか分からない彼に、私は中学の頃から密かに片想いをしていました。
絶対にバレないように、心の奥に閉じ込めていた、私だけの小さくて可愛らしい初恋。
たまたま同じ時間に自転車小屋にいた、あの日。
沈黙を破ったのは、彼が構えたカメラのシャッター音でした。
あの日、彼が私にレンズを向けた本当の理由と、その後の帰り道。
誰にも話さなかった、私と佐藤くんの放課後の出来事お話をしようと思います。
