「今の仕事、
合ってない気がする」
そう思って
転職サイトを開く。
でも、
求人を眺めているうちに、
「転職しても、
また同じことになるんじゃないか」
「そもそも職場じゃなくて、
私自身に問題があるのかも」
そんな不安が出てきて、
結局ページを閉じる。
もし今、
こんな状態なら。
転職するかどうかを
決める前に、
一度考えてみてほしいことがあります。
それは、
「今うまくいっていないのは、
本当にあなたの性格が原因なのか?」
ということです。
仕事で何度も注意される。
周りの人のように
テキパキ動けない。
仕事に飽きてしまう。
人間関係で気疲れする。
自分の意見を
うまく言えない。
こういうことが続くと、
「私は仕事ができないんだ」
「社会人として
何か足りないんだ」
と思ってしまいますよね。
でも実は、
同じ性格でも、
置かれる場所によって
「欠点」にも「強み」にもなります。
だから、
今の職場でうまくいっていない
=あなたに問題がある
とは限りません。
もしかすると、
あなた自身ではなく、
あなたと今の環境の
組み合わせが合っていないだけ
かもしれないのです。
「また転職しても同じだったら…」と怖くなる人へ
転職を考えるとき、
「今の会社を辞めたい」
という気持ちと同時に、
「でも、
次に行っても同じだったら
どうしよう」
という怖さが
出てくることがあります。
特に真面目な人ほど、
「会社が悪いと
決めつけるのも違うよな」
「私にも直すところが
あるんじゃないかな」
と考えます。
もちろん、
自分を振り返ることは大切です。
ただ、
ここで注意したいのが、
「自分の性格」と
「環境との相性」を
ごちゃ混ぜにしないこと。
たとえば、
植物を想像してみてください。
日当たりのいい場所で
元気に育つ植物もあれば、
直射日光が苦手で、
日陰のほうが育つ植物もあります。
水をたっぷり必要とする
植物もあれば、
水を与えすぎると
根腐れしてしまう植物もあります。
日陰を好む植物を、
「日向で元気に育てないなんて
ダメだ」
と責めても仕方ありません。
必要なのは、
植物の性質を変えることではなく、
その性質に合った場所を
知ること。

人も、
少し似ています。
ある職場では、
「もっと早く決めて」
と言われていた人が、
別の職場では、
「細かいところまで
確認してくれて助かる」
と言われる。
ある職場では、
「また別のことに
興味を持ってる」
と言われていた人が、
別の職場では、
「新しい情報を
見つけるのが早い」
と評価される。
本人の性格は、
ほとんど変わっていません。
変わったのは、
その性格が使われる場所です。
だから転職を考えるとき、
「この性格を直さないと、
どこへ行っても同じ」
と結論を出すのは、
少し早いかもしれません。
同じ性格なのに「強みになる場所」と「欠点になる場所」がある
では、
何によって同じ性格の評価が
変わるのでしょうか。
大きく分けると、
仕事では3つの要素があります。
「仕事の進め方」
「求められる役割」
「人間関係」
です。
ひとつずつ
見ていきましょう。
①仕事の進め方が違えば、
「飽きっぽい」は
弱みにも武器にもなる
たとえば、
あなたが
「飽きっぽい」とします。
ひとつのことを
延々と続けるのが苦手。
同じ作業を
毎日繰り返していると、
だんだん集中できなくなる。
新しいことが気になって、
つい別のことを
始めたくなる。
こんな自分を、
「忍耐力がない」
「何をやっても続かない」
と思っている人は
少なくありません。
では、
毎日ほぼ同じ業務を、
決められた手順で、
正確に繰り返すことが
重要な職場に入ったら
どうでしょうか。
おそらく、
かなり苦しくなると思います。
本人は頑張っているのに、
時間が経つほど
集中力が落ちる。
周りからは、
「落ち着きがない」
「長続きしない」
と思われるかもしれません。
ここだけを見ると、
確かに「飽きっぽさ」は
欠点に見えます。
でも、
環境を変えてみます。
毎月新しい企画が動く。
担当する案件が
頻繁に変わる。
知らないことを調べて、
短期間で形にする。
状況を見ながら、
次々と対応を
切り替えていく。
そんな仕事だったら
どうでしょうか。
今度は同じ人が、
「新しいことへの抵抗が少ない」
「切り替えが早い」
「いろんなことに
興味を持てる」
と評価される可能性があります。
性格は同じです。
「飽きっぽさ」が
消えたわけでもありません。
ただ、
変化の少ない環境から、
変化を必要とする環境に移った。

それだけで、
欠点に見えていたものの
意味が変わります。
ここが、
転職を考えるときに
見落としやすいところです。
「私は飽きっぽい。
だから仕事が続かない」
で終わらせるのではなく、
もう一歩だけ
分解してみる。
「どんな仕事だと飽きやすい?」
「逆に、
どんな状況なら
自然と集中できる?」
この問いに変えるだけで、
見えてくるものがあります。
②求められる役割が違えば、
「慎重すぎる」は
評価まで変わる
もうひとつ、
「慎重すぎる人」を
考えてみましょう。
何かを決める前に、
「本当にこれで大丈夫かな」
と考える。
すぐには動かず、
リスクや問題点を確認する。
勢いだけで
決断するのが苦手。
スピードが求められる環境では、
こういう人は
苦労することがあります。
「考えすぎ」
「決断が遅い」
「もっとサッと動いて」
と言われる。
周りがどんどん
進んでいるのを見ると、
自分だけ能力が低いような
気がしてくるかもしれません。
そして、
「もっと大胆にならなきゃ」
「考える前に
動ける人にならなきゃ」
と自分を変えようとする。
でも、
ここでも環境を変えて
考えてみます。
ミスが大きな損失につながる仕事。
事前確認が重要な仕事。
リスクを見つける
必要がある仕事。
細かな違和感に気づくことが
評価される役割。
こういう場所では、
慎重さは
どう見えるでしょうか。
「確認が丁寧」
「危ないところに気づける」
「安心して任せられる」
という評価に
変わることがあります。
つまり、
「慎重すぎる」という性格だけを
見ても、それが長所なのか短所なのかは
決められない
ということです。
何を求められる場所なのか。
そこで初めて、
その性格の意味が決まります。
③人間関係が違えば、
「気にしすぎる」は
欠点ではなくなる
仕事そのものは
嫌いじゃない。
でも、
職場にいるだけで疲れる。
そんな人もいると思います。
たとえば、
相手の表情が少し曇っただけで、
「何か悪いこと言ったかな」
と考えてしまう。
上司の機嫌が悪いと、
自分まで緊張する。
誰かが困っていると
放っておけない。
言葉のニュアンスや、
その場の空気を
細かく拾ってしまう。
こういう性格も、
環境によっては
かなり消耗します。
強く主張した人の意見が通る。
多少ぶつかっても気にしない。
人の気持ちより、
とにかく数字や
スピードを優先する。
そんな場所では、
「気にしすぎ」
「もっと図太くなったほうがいい」
と言われるかもしれません。
でも、
人の話を聞く仕事だったら?
お客様の小さな変化に
気づく必要がある仕事だったら?
チーム内の調整が
必要な仕事だったら?
同じ性格が、
「よく気づく」
「話しやすい」
「相手の立場を考えられる」
という強みに
変わることがあります。
これも、
本人は変わっていません。
むしろ、
これまで「直さなきゃ」と
思っていた部分を、
そのまま使っているだけです。
ここまでの3つには、
共通点があります。
飽きっぽさ。
慎重さ。
人を気にしすぎること。
どれも、
性質だけを取り出して、
「良い」「悪い」と
決めるのは難しいのです。
どんな環境で、
何を求められ、
どう使われているか。
ここまで見て、
初めて判断できます。

転職で探したいのは「欠点のない自分」ではなく「この自分が活きる場所」
転職を迷っているとき、
つい、
「もっと仕事ができる人に
なってから」
「この欠点を直してから」
「もう少し我慢できるように
なってから」
と考えてしまうことがあります。
でも、
欠点を全部なくしてから
転職しようとしたら、
いつまで経っても動けません。
そもそも、
今あなたが「欠点」だと
思っているものが、
次の環境でも
欠点になるとは限らないからです。
だから、
転職するか迷ったときに
考えてほしいのは、
「私は何が向いているんだろう?」
だけではありません。
もう少し具体的に、
「私は、どんな条件だと
自然に力を出せるんだろう?」
と考えてみてください。
たとえば、
一人で集中できる時間が
必要なのか。
人と話しているほうが
元気になるのか。
毎日ある程度同じほうが
安心するのか。
変化があったほうが
飽きずに続けられるのか。
細かく指示されたほうが
動きやすいのか。
自分で決められる余白が
あったほうがいいのか。
競争があると燃えるのか。
穏やかな人間関係のほうが
力を発揮できるのか。
こうした条件は、
求人票の「職種名」だけでは
分かりません。
同じ営業職でも、
会社によって
働き方は違います。
同じ事務職でも、
求められるスピードや
コミュニケーション量は違います。
同じ業界でも、
職場の雰囲気は違います。
だから、
「この職種が向いているか」
だけで考えるより、
「自分が活きる条件が、
その会社にあるか」
を見ることが大切です。
今の職場で
「欠点扱いされているもの」を
書き出してみる
転職するかどうか、
今すぐ結論を
出さなくても大丈夫です。
その前に、
ひとつ試してみてほしいことが
あります。
紙でもスマホのメモでもいいので、
今の職場で、
「自分のダメなところだと
思っているもの」
を書き出してみてください。
たとえば、
「飽きっぽい」
「慎重すぎる」
「人の目を気にしすぎる」
「マイペース」
「細かいことが気になる」
「一人で抱え込みやすい」
「人と同じように動けない」
など。
そして、
その横にこう書きます。
「この性格が役立つとしたら、
どんな場所?」
すぐ答えが出なくても
構いません。
大切なのは、
「直すべき欠点」
という一方向からだけ、
自分を見ないことです。

たとえば、
マイペース。
周囲と足並みをそろえる環境では、
扱いづらいと
思われるかもしれません。
でも、
自分でスケジュールを組み、
一人で成果を出す仕事なら、
周囲に流されず進められる
力になるかもしれない。
細かいことが気になる。
大ざっぱさや
スピードが求められる場所では、
面倒な人だと
思われるかもしれない。
でも、
品質をチェックする場面では、
他の人が見逃したミスを
見つけられるかもしれない。
人と同じように動けない。
全員が同じ手順で動く場所では、
苦しくなるかもしれない。
でも、
自分で工夫できる環境では、
他の人が思いつかなかった方法を
見つけられるかもしれない。
こうやって考えていくと、
少しずつ、
「私には欠点が多い」
から、
「もしかして、
使う場所の問題もあるのかな」
へ視点が変わっていきます。
「今の会社が合わない」と「私は仕事ができない」は別の話
ここは、
ぜひ分けて
考えてほしいところです。
今の会社で評価されないことと、
あなたに能力がないこと。
今の仕事が続かないことと、
あなたに根性がないこと。
職場の人間関係で疲れることと、
あなたが社会不適合だということ。
これらは、
イコールではありません。
もちろん、
転職すればすべて解決するとは
限りません。
どこへ行っても、
多少の苦手なことはあります。
自分自身が変えたほうが
楽になる部分もあるでしょう。
でも、
「全部自分のせい」
という前提で
考えてしまうと、
転職先でもまた、
自分が苦しくなる場所を
選んでしまう可能性があります。
なぜなら、
仕事選びの基準が、
「自分に合う場所」
ではなく、
「欠点を出さずに済みそうな場所」
になるからです。
失敗しないように。
怒られないように。
迷惑をかけないように。
嫌われないように。
そんな基準だけで選ぶと、
転職できたとしても、
また自分を小さくしながら
働くことになってしまいます。
せっかく環境を変えるなら、
「どこなら欠点を隠せるか」
ではなく、
「どこなら、
この性格を使えるか」
という視点も
持ってみてください。

転職する前に、「自分を直す」以外の選択肢を持ってみる
もし今、
「転職したいけど怖い」
と思っているなら、
焦って答えを
出さなくて大丈夫です。
まずは、
今の職場で苦しい理由を、
「自分の性格が悪いから・・・」
の一言で
終わらせないこと。
仕事の進め方が
合っていないのか。
求められている役割が
合っていないのか。
人間関係が
合っていないのか。
それとも、
別のところに理由があるのか。
ひとつずつ
分けて考えてみる。
すると、
「私はダメだから転職したい」
ではなく、
「私はこういう環境だと
消耗するから、
次はここを変えたい」
と考えられるようになります。
この違いは、
かなり大きいです。
転職は、
今の自分から逃げるためだけの
ものではありません。
今までより、
自分の性質を活かせる場所へ
移るための選択にもできます。
そして、
そのためには、
会社を調べることと同じくらい、
「自分がどんな性質を
持っているのか」を知ること
も大切です。
「欠点だと思っていた部分」を、もう少し違う角度から見てみたい人へ
ここまで読んで、
「じゃあ、
自分の性質は
どう捉えればいいんだろう」
「自分では
欠点しか思いつかない」
と思った方も
いるかもしれません。
そんな方に向けて、
数秘という視点から、
自分の性質を整理する方法を
こちらの記事にまとめています。
『その欠点、実は才能です。数秘でわかる「自分を直さず活かす」生き方』

生年月日から
自分の性質を知り、
これまで欠点だと思っていた部分を
別の角度から捉え直しながら、
自分の性質を活かしやすい環境を
考えていく内容です。
数秘の知識がない方でも、
生年月日から数字を出せるように
解説しています。
転職するにしても、
今の職場に残るにしても、
自分の性質を知っておくことは、
これからの選択を考える
ひとつの材料になります。
「自分を直さなきゃ」
と考え続けて
疲れている方は、
よかったら読んでみてください。
最後に。
今の場所で
うまくいかないからといって、
どこへ行っても
うまくいかないとは限りません。
同じ性格でも、
ある場所では欠点と言われ、
ある場所では頼りにされる。
ある仕事では
苦しくて仕方なかったことが、
別の仕事では、
驚くほど自然に
できることもあります。
だから、
転職を考えるとき、
「今の会社を辞めるべきか」
だけではなく、
もうひとつ
問いを持ってみてください。
「私は、どんな場所なら
この性格を活かせるだろう?」
自分を直すことだけが、
人生を良くする方法ではありません。
自分はそのままでも、
環境との組み合わせを
変えることはできます。
次の場所を探すなら、
「欠点を隠せる場所」ではなく、
「この自分を活かせる場所」
という視点から
探してみてください。
今までとは少し違った選択肢が、
見えてくるかもしれません。

