人は話し方が9割【話し上手は聞き上手】
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最近仕事上でのやりとりで、取引先に「伝え方がよくない」と指摘されてしまうことがありました。そのことがきっかけで会社の上司に紹介されたことが、私が本書を知った経緯です。
本書の概要を説明すると、コミュニケーションの基本である会話の改善方法を誰でも実践できる形で紹介しているビジネス書であり、会話を改善することにより人と話すことだけでなく、人間関係や人生までよりよい方向にすすめていくことができるのです。
本書の特徴は、小手先のテクニックのみでなく会話する際の考え方や心構えも教えてくれるので、より深いレベルでコミュニケーション法を理解することができます。
特に印象に残った点としては、「嫌われない話し方」として相手の話を無理に要約しないことが挙げられていた点でした。相手の会話を正しく理解することがコミュニケーションで特に重要な点だと考えていた私は、相手の発言を咀嚼して自分の言葉に直して、その認識が正しかったかどうかを確認する行為をこれまで何度も続けていました。こういった行為は相手から不快に思われやすいと認識できた点でも私にとっては大きな前進でした。
このほかにも本書には、相手を喜ばせる聞き上手になる方法や、相手の発言の意図を読み取る意識など、コミュニケーションの本質とも呼べる考え方がいくつも収載されています。コミュニケーションに対して苦手意識を感じている人に対して、その思い込みを和らげるようなポイントもあります。世間では陽キャと呼ばれるような常に喋ったり笑いを取ったりするような行為が上質なコミュニケーションというわけでなく、沈黙や話題のない時間も信頼関係を作る一端を担っているといいます。そういった内容に私は特に感動しました。ただのビジネス書や自己啓発本と保温所を捉えるのは非常にもったいないと思います。話すことが苦手と感じている人にぜひとも読んでいただきたい一冊です。
