
【アポ記録2】持ち帰れたのは恵方巻だけだった…

柊@ファッション×LJK×JD モテ攻略
目次
- 出会いの瞬間
- 居酒屋での会話
- カラオケでの失敗
- 最後の抵抗と敗北
- 次に向けて
◆出会いの瞬間
その日は少し肌寒かった。待ち合わせの場所に向かいながら、俺はスマホの画面を見つめる。相手は24歳の某ハイブランド店員。メッセージのやり取りでは好感触だったし、趣味も合いそうだった。
NANAが好きで、特に「シン」推し。学生時代はバンドでボーカルをやっていて、カラオケ好き。さらにお酒も好きで、家でも毎日飲んでいるらしい。
「カラオケ好きで酒好きなら、今日はスムーズに進みそうだな」
そう思いながら、俺は彼女の姿を探した。
そして、すぐに見つかった。ピンク髪が特徴的で、街中でもひときわ目を引く。第一印象は「オシャレで自分をしっかり持ってる子」だった。

彼女は俺を見ると、少し警戒したような表情を見せた。アポ前に夜職をしていると疑われていたから、その影響かもしれない。
まずは自己開示を意識して、距離を縮めることから始めた。
「わたし基本ネガティブ人間だから」
「おれ超ポジティブ人間やから相性いいやん!自己肯定感爆上がりするで!」
彼女は少し笑った。良い反応だ。彼女のピンク髪が気にしていたのも事前情報で知っていたから、「めっちゃ似合ってるよ」と褒めることも忘れなかった。
こうして、俺たちは居酒屋へと向かった。
◆居酒屋での会話
居酒屋の雰囲気は悪くなかった。彼女は警戒心を解いてきたのか、リラックスした表情で酒を楽しんでいる。
話の流れで、彼女の恋愛経験について聞くことになった。
「昔、3年付き合った彼氏がいたんだけどさ…」
彼女の話を聞いていると、過去の恋愛では「追う恋」が好きだったことが分かった。
最初の彼氏は、服飾の専門学校に通っていて、自分のアパレルブランドを作る夢があった。しかし、彼女を好きすぎて仕事が手につかなくなり、夢を語るだけで行動しなくなった。
同棲もしていたが、彼が何もしないことに不満が募り、別れを決意。しかも、彼は彼女に依存しすぎていて、「もし自分がいなくなったら後追いで自殺するんじゃないか」とまで思わせてしまうほどだったらしい。
「それ、めっちゃしんどかったやろ」
「ほんとにね、電車の中で毎日泣いてたくらい」
次の彼氏は、マッチングアプリで付き合ったが、軽い気持ちだったため、すぐに「やっぱり合わない」と感じて別れたらしい。
「だから、付き合うなら自分よりも年上で、精神年齢が高い人がいいかな」
この言葉を聞いて、俺は共感を示すことにした。
「わかるわ。俺も年下と付き合ったことあるけど、考え方が幼すぎてしんどかった。付き合うなら年上の方が向いてる気がする」
彼女は少し笑いながらレモンサワーを口にした。食いつきは悪くなさそうだ。
そして次の目的地は、自然な流れでカラオケに決まった。
◆カラオケでの失敗
カラオケに着くと、彼女はすぐにマイクを握った。
「私、学生時代ボーカルやってたんだよね」
そう言って歌い始めた彼女の歌声は、正直めちゃくちゃ上手かった。リズム感もいいし、音域も広い。「これは本当にバンドやってたんだな」と感心するレベルだった。
俺も何曲か歌いながら、タイミングを見計らう。そして、カラオケが終わる頃に、ついに本題に入ることにした。
「このあとどうしよっか?」
すると、彼女はさらっと答えた。
「なんでもいいよ」
この瞬間、「勝ち確か?」と錯覚してしまった。
そこで俺は、少し強気に打診をしてみることにした。
「恵方巻きとお酒買って、お家行こうよ」
しかし、彼女の反応は意外だった。
「ほんまに2回目会いたいと思ってるから、今日はそういうことしたくない」
その言葉に、俺は一瞬戸惑った。だが、ここで引くのも違うと思い、もう少し粘ってみることにした。
「1回目でヤったら飽きるねんな。わたしの中で統計も出てるねん」
「わたし、意思固い女やねん」
彼女の拒絶は、思った以上に強かった。それでも諦めきれず、コンビニでお酒と恵方巻きを買い、駅まで向かった。しかし、駅前で彼女は再びはっきりと言った。
「ほんまに2回目会いたいと思ってるから、今日はいや!!」
◆最後の抵抗と敗北
それでも俺は最後の一手を打った。
「2回目会う時までに、〜ちゃんに好きな人とか彼氏ができる可能性もあるやん? 人っていつ死ぬか分からんし、2回目会えるって保証はないやん。だから回数よりもタイミングの方が大事じゃない?」
だが、彼女は一歩も引かなかった。
「ごめん、それでも今日は無理」
俺は、その言葉を受け止めるしかなかった。
◆次に向けて
駅で別れたあと、俺はしばらくぼーっとしていた。
「これ、もったいないなぁ…」
手元に残った二本の未開封の恵方巻を見つめる。
「持ち帰れたん、恵方巻だけやん…」
涙をこらえながら決意する。
次があるかどうかは分からない。でも、もしチャンスが来たら、次こそはもっと上手くやる。
そう思いながら、俺は夜の街を歩き出した。