はじめに:私たちはもう、グレーゾーンを歩いているかもしれない
こんにちは。窓の外には田んぼと山、手元にはコーヒーとノートパソコン。
これを読んでいるあなたも、もしかしたら私と同じような景色の中で仕事をしているかもしれませんね。あるいは、家事や育児の合間を縫って、リビングでカタカタとキーボードを叩いているのかもしれません。
私は地方に住む26歳のフリーランスです。
正直に言います。私がこの田舎で、東京の企業と同じような仕事をして、それなりの収入を得られているのは、間違いなく「AI」のおかげです。ChatGPTやMidjourney、Claude……彼らがいなければ、リサーチだけで日が暮れてしまうし、こんなにたくさんの記事を書くことも、見栄えのいいサムネイルを作ることもできませんでした。
「AIって魔法みたい!」
最初はそう思っていました。プロンプトを投げれば、数秒で答えが返ってくる。それを少し手直しして納品すれば、クライアントも喜んでくれる。こんなに効率的で、こんなに楽な働き方、もう手放せない。
でも、最近、ふと怖くなる瞬間があるんです。
ニュースで「AIと著作権」の話題が出るたび、心臓が少しキュッとなりませんか?
「私の使い方は大丈夫だよね?」
「先週納品したあの記事、AIが書いたままの部分があったけど、あれって誰かのパクリだったりしない?」
もし、私たちが「知らなかった」というだけで、法律違反を犯していたら。
もし、ある日突然、クライアントから「あなたの納品物のせいで訴えられた」と連絡が来たら。
このノートは、そんな不安を抱えながらも、これからもAIを相棒として稼ぎ続けたい私たちのための「守り方」の記録です。
難しい法律用語は、私なりに噛み砕きました。
これからお話しするのは、遠い国の裁判の話ではありません。あなたのパソコンの中で、今まさに起きているかもしれない「見えないリスク」の話です。
まずは、私たちが置かれている日本の現状と、一番怖い「無意識のルール違反」について、一緒に確認していきましょう。
第1章 田舎暮らしの私たちが、AIと「法的リスク」に向き合う理由
「日本はAI天国だ」なんて言葉を聞いたことはありませんか?
