仕入れ基準
前章では効率的かつ基本的なリサーチ方法をお伝えしました。
これからは仕入れの基準について説明していきます。
コンディション
Amazon : 新品、ほぼ新品、非常に良い、良い、可
ヤフオク : 新品、未使用品、未使用に近い、目立った傷や汚れなし、やや傷や汚れあり、傷や汚れあり、全体的に状態が悪い
販路ごとに設定できるコンディション設定は上記ですが
以下のようにAmazonランクを基準として合わせて考えると分かりやすいです。

また各カメラ屋さんのランクもおおよそ、ベースは以下で考えます。
「おおよそ」「ベース」なので絶対ではありません。(※これ重要)

カメラ屋さんのランクを鵜呑みにすると全く仕入れできません。
そのランクは本当に合っているのか(目利き)
どうしたらAmazon・ヤフオク上でコンディションを引き上げて出品できるか

などなど考察して、目利きを行って、仕入れて、販売するのが僕たちの仕事です。
不具合事例
目利き力を鍛えるためにも、まずはどんな不具合事例があるのか知っておきましょう。
実際にカメラやレンズの不具合事例を僕が撮影した実物写真とともにAmazonのコンディションランクと照らし合わせて解説していきます。
【キズ・スレ】
大前提として僕らが取り扱うのは誰か人の手によって使用されてきた中古品です。
キズやスレは当然あります。
重要なのはキズやスレの程度。
以下キズが目立つのでコンディションとしては『良い』
文字もかすれて消えているので減点項目は多いです。文字消えは気づきにくいので注意深くチェックするようにしましょう。

以下の写真もスレが目立つのでコンディションランクは『良い』

これ以上にキズスレがわからないほど綺麗であれば『ほぼ新品』で出品できる可能性もあります。
またマウント部もスレキズが付きやすいので注意しましょう。
キズやスレがある場合は、該当箇所の写真を撮影することと、説明文にウソ偽りなく記載するようにしてください。
【テカリ】
キズ・スレに続き、使用感がよく表れるのはテカリです。
手が当たる部分などは摩擦により、マットな表面がだんだんツルツルになっていくのです。
テレビのリモコンなんかも段々ツルツルになっていきますよね。
キズやスレはないけどテカリがある場合も多いので、以下写真を参考にして使用感を見極めるようにしましょう。

左がテカリがある並品、右が使用感の少ない美品です。
【塗装剥げ】
カメラのボディやレンズは塗装が施されています。
この塗装が剥げ落ちた状態は使い込まれたカメラによく見られますので、底面やボディのトップ、レンズの三脚座など注意深く観察しましょう。
塗装剥げがある場合、コンディションランクは『良い』以下が妥当です。

【アタリ】
アタリとは、 何かに激しくぶつけたことがあることを意味するもので、内部にその衝撃が及んでいたり裏蓋が割れていたり正しく閉まらない事があります。
外観としてはヘコミが見られますね。
アタリがある場合、その程度にもよりますが、コンディションランクは『可』もしくは『良い』が妥当です。
トラブルを避けるためにも説明文にしっかり記載してください。

【ベタつき】
カメラはボディのグリップ部分やレンズのピントリング周りにゴムが使用されていますよね。
ゴムは経年とともに劣化することがあり、この現象を加水分解といいます。
つまりはグリップ部分に滑り止めで使用されているウレタンの劣化なのですが、その名の通り水分が原因となりベタつきが出てしまうのです。
ベタつきはほとんどの場合、無水エタノールや除菌シートで除去できますが、ベタつきを取るまで時間が掛かるので、もし修理する場合は自分の作業量と相談しましょう。
ベタつきそのままで出品する場合はコンディション『良い』以下になります。
【白化】
さきほどのベタつきに通じますが、経年劣化によりゴムが白くなる現象です。

実は白化現象はとあるグッズを使用するとカンタンに直せるので、白化で安い商品があれば、かなりラッキーです。

【液晶関連】
メインの液晶パネルやサブ液晶のパネルに傷やスレがないかを見ましょう。

それ以外の不具合は以下になります。
≪黄変≫
液晶の劣化により黄色くなる現象。ランク『良い』以下が妥当。
そもそも以下写真はめっちゃ汚い・・・状態は『可』に近いですね。

≪液晶コーティング剥がれ≫
液晶表面のコーティングが剥がれた状態。程度にもよるがランク『良い』以下が妥当。

≪液漏れ≫
液晶が漏れ出ている状態のこと。表示部分が視認できれば、撮影自体に影響はないので、程度によっては『非常に良い』で出品可能です。
その場合は説明文にキチンと記載の上、写真もしっかり掲載しましょう。

【ファインダー】
最近のカメラはEVFが搭載されています。
EVFとは「Electronic View Finder」の略で電子ビューファインダーのことを指し、ファインダーの奥の小さな液晶で映像が映し出される仕組みです。
電子機器のためファインダーが映し出されない不良や、アイセンサーが反応しない不具合があります。
撮影に影響する場合が多く、その際はコンディションランクは『可』になります。
【チリ・ホコリ】
ファインダー内やレンズ内にチリやホコリが入りこむことです。
レンズの中にチリが入ったらダメじゃないの?
って言われることは多いですが、ほとんどの場合、撮影や描写に影響することはありません。
まれに新品でも入っていることがあると某カメラ店が言ってるぐらいです。
ただし目視でも多数チリやホコリが視認できるレベルなら説明文にきちんと記載しておきましょう。
【クモリ】
その名のとおり、レンズが曇っていることです。
極薄い小クモリは描写にほとんど影響しませんが、濃いものは影響することが多いようです。
プライスタグに『大クモリ』と記載されていたら注意が必要です。
実際に見て曇っているか確認しましょう。
以下写真は大クモリの例です。スゴイ曇ってる。。。

【カビ】
カメラってカビが生えるの!?と意外かもしれませんが、レンズにも食べ物の様にカビが生えます。
正確には「空気中の汚れが付着したものにカビが生える」と言うのが正しいです。
クモリ同様、程度の差はあり、撮影に影響の無い程度のものから致命傷のものまであります
ただ、カビに言えるのは「軽微なものであっても今後広がる可能性がある」「クリーニングしても跡が残る」という点が非常に厄介なところです。
大カビは『可』もしくは『ジャンク』のコンディションなので、仕入れの際には注意しましょう。
【バルサム切れ】
バルサムとはレンズを張り合わせる際に使用される接着剤のことです。
そもそもカメラのレンズは1枚で出来ているわけではなく、複数のレンズを貼り合わせたものとして製造されています。
接着剤の経年劣化により、接着剤が剥がれ、光の干渉縞が現れたり、レンズ内部に気泡が出てきたりする現象がバルサム切れです。
程度によっては撮影に影響するのでその場合は『可』ですが、後述の通り本当にバルサム切れが起こっているのかの見極めは大事です。
以下はバルサム切れの一例ですが、レンズ周辺に発生しているのが分かりますね。これぐらいであれば撮影には影響しません。

【AF異常】
オートフォーカスが正常に作動しない現象です。
- 全く動かない
- 動くが焦点が合いにくい(AFが迷うといいます)
- 動作時に異音がある(AF鳴きといいます Nikonに多い)
こうした不具合が見られます。
MF(マニュアルフォーカス)であればピントを合わせることができるので撮影自体は可能です。
コンディションは『可』『ジャンク』ですね。
異音がある場合は動作自体は正常なことが多く、その場合は説明文にしっかり記載したうえで、コンディション『良い』で販売することが可能です。
【モルト劣化】
モルトとは、カメラの裏蓋の上下の溝や、一眼レフのミラーが当たる部分などに貼られている黒いスポンジのようなもので、正式名称は「モルトプレーン」と言います。
用途としてはカメラの他にフィルム室の遮光に使われたり、プリズム・ミラーなどの緩衝材として使われていますね。
劣化状態も程度によりますが、以下写真のようなガビガビで明らかな劣化状態であれば『良い』

以下のようなスポンジ材が綺麗な状態であれば『非常に良い』で販売可能です。

また修理もしやすい不具合になるので、コンディションランクを上げてあげることも可能ですよ。
【アブラ染み】
レンズには絞り羽が存在しますが、潤滑油が漏れ出してしまう現象になります。
清掃も可能ですが、レンズの分解をしなければならず、工数に見合わないので、ぼくはそのまま販売してしまいます。
その場合はコンディションランク『良い』以下としましょう。
ねらい目
前項の不具合事例いかがでしたでしょうか。
撮影に影響ある不具合もあれば、まったく影響しない不具合もあります。
不具合の程度を上手く見極めて、本当の価値を見出していくことが、カメラ転売の本質であり、仕入れの目利きにつながっていくわけです。
でもいきなり判断しろって言われても難しいですよね(^^;
目利きは日々のリサーチや仕入判断経験の積み重ねであり、知識の蓄積によって得られる力なので、一朝一夕では習得はできません。
ですが、この教材を買っていただいた貴方にだけ、仕入れ判断のサポートとなるような『目利きのポイント』を3つご紹介します。
①ベタつき
このポップがあったらチャンスです。
先述の通り、ものによってはベタつきを取るまで時間が掛かるものはありますが、ベタつきの範囲が狭いもの、そこまでベタついていないもの、いやいや!ベタつきないやんけ!というものまで実際はあります。
だいたいBランク以下の値付けで販売されているので、『非常に良い~ほぼ新品』の価格帯を想定してリサーチしてみてください。
ベタつきをサッと除去してランクを上げて出品できれば仕入範囲が広がるはずです。
②液晶キズ
キズという記載があるだけで敬遠していませんか?
店舗仕入の場合は実際に手に取って確認するようにしてください。
画面シールに傷があるだけの場合があります。
画面シールがサッと取れるなら一気にコンディションランクアップです。
※なおSONYのカメラだけは注意してください。画面シールを剥がすとコーティングも一緒に剥がれてしまう可能性があります。
③クモリ・カビ・バルサム切れ
自分で書いていても嫌な気持ちになる3ワード・・・
ですが、見るべきポイントがあります。
「小クモリ」「小カビ」「バルサム切れ」「わずかな○○」と記載があった場合は、手に取って確認してみましょう。
想定は『非常に良い』もしくはそれ以上で。
そして自分の目でしっかりレンズ内を確認してください。
どこにクモリ、カビがあるかわからない・・・バルサム切れ?どれ??チリじゃないの?
という感想になれば仕入対象です。
不安な方は店員さんにも確認してもらってください。
何が起きているかというと、査定した人が厳しすぎたか、忙しくてそういう風に見えてしまったか何かで、チリと見間違えているケースがあります。
また、確かに小さな点々があるけど、全く撮影に影響がないパターンも多く見受けられます。
こういうポップを見つけたら確認してみましょう!
なんでも手に取って経験していくことがレベルアップの近道です。
店舗別攻略法
仕入れ判断は外観が9割で、その他不具合の記載がある場合も実際に見てみないことには信用したらダメ。
そしてねらい目も3つ覚えた。
いよいよ店舗別の仕入攻略法に入っていきましょう。
以下より店舗別の仕入コツなどをお伝えしますが、大前提として初心者の方は全頭リサーチを行ってください。
全頭リサーチを続けることが成功への近道です。
ぼくは最初の2ヶ月ぐらい全頭しまくっていました。
だからこそ3か月目から相場が自然と頭に入るようになり、今ではスマホを開かず、リサーチせずとも一瞬で判断ができるようになりました。
全頭リサーチという下積みがなければ、残念ながらカメラで稼げるようにはならないので、最初は歯を食いしばってリサーチしてください。
少々厳しいことを言いましたが、これマジです。
コンサルをしている方でも、いかに全頭リサーチしたかによって、その後の売り上げの伸びが大きく変わっています。
これから全頭リサーチの助けになるようなテクニックをご紹介していきますので、それを頭に入れた上で、以下やっていきましょう。
今回はリサイクルショップ2店、カメラ転売を開始するには外せない2店舗の合計4ショップを紹介します!
ブックオフ
ブックオフにカメラなんてあるの!?
って思う方もいらっしゃると思いますが…
それこそが仕入しやすい所以でもあります。基本的には「中古本」専門店なのでカメラの査定があまいことがあります。
限定色が通常色と同じ価格で陳列されている…など、
カメラ店では絶対あり得ない値付けがされていることもあります。
またせどらーが多い店舗ではありますが、ビームを使う人が多いので、ビームが使えないショーケースはそもそもライバルが少ないのが特徴。
ここでブックオフ店舗ごとの特徴を見ていきましょう。
- BOOKOFF
- BOOKOFF PLUS
- BOOKOFF SUPER BAZAAR
まずBOOKOFFは街中でも最も見かけるブックオフの実店舗です。中古の書籍・CD・DVD・ゲームソフトを主に扱っています。
あまりに小さい店舗だと家電自体の取り扱いが少なく、カメラがあっても利益が抜きにくいことが多いです。
そのため効率を考えても、他の店舗のついでに見てみるぐらいに留めておいた方がよいでしょう。
まれに超お宝があり得ない値段で置いてあることもありますが・・・・
次にBOOKOFF PLUSですが、こちらはその名の通り、通常のブックオフのラインナップにプラスして、家電やホビーグッズ、アパレルの取り扱いがあります。
カメラを取り扱う店舗が多く、ショーケースにして1~2ケース分が展示されています。
最後にBOOKOFF SUPER BAZAARはブックオフの最上位。
取扱している商品の種類も数も店舗規模も段違いです。
カメラはショーケース2~3台あることが多いですね。
PLUSもBAZAARもカメラ自体のショーケースは少ないので基本的には全頭してください。
加えて言うと『カメラ専門店ではない=査定があまい可能性がある=かなり綺麗なものじゃないと陳列されにくい』ということが成り立ちます。
そのため、ショーケースに展示されている商品は検品の必要がないくらい綺麗なものが多く、「非常に良い」「ほぼ新品」を狙ってリサーチすると見つけやすい印象です。
逆を言えば、店員さんが査定の際に少しでも「?」と思ったものはジャンクコーナー行きになる可能性が高いです。
どういうことかというと、ジャンクコーナーでも普通に作動するものが多く、ちょっとチリが多いとか、ゴミがあるだけで超格安で売られていることが多いのです。
いくつか仕入例をご紹介します。
もちろん本格的な難あり商品もあるので、そこは見極めが必要ですが、かなりの確率で通常品が存在するので、必ずリサーチするようにしてください。
ハードオフ
ハードオフも中古せどらー御用達の店舗ですよね。
一般的には、、、、
- ジャンクコーナーを優先
- 緑の値札と白い値札を見る
- 赤札はスルーでOK
- 赤札の未使用品だけ見る
みたいなノウハウ、セオリーだと思います。
すべて取っ払いましょう。
勝手な思い込みであり、マインドブロックでしかありません。
ぼくの優先順位は以下です。
- ①赤札(ショーケース)
- ②緑札
- ③青箱(ジャンク)
それこそ赤札は、店員さんが細かく相場をチェックして値付けしている物がほとんどで、完品の商品はマニュアルに沿ってキッチリした相場になっているといわれています。
確かにそういう商品も多いですが、カメラはプレミア価格になりやすい商品も多いので、一昔前の相場になっていたらチャンスです。
また付属品を見るのも大切です。
付属品が完全に揃っていなくてもカメラ本体が綺麗で、通常使用できるだけの付属品(バッテリーや充電器)が付属するのであれば、コンディションは高めで出品できます。
またアクションカメラに多いのですが、別売りの付属品がついていないか調べましょう。
付属品だけで1万円する商品もザラにあります。
以下はその最たる例です。
GoPro HERO9自体は売値44,800(執筆時点)ですが、付属品それぞれ8,000円ぐらいで販売できます!
ここで赤札の仕入れポイントをまとめておきましょう。
- 新品の供給不足で相場が上昇していないか
- 付属品が揃っていない商品はないか
- 別売り付属品が付いていないか
- 「未使用品」と記載されていないか
次にショーケース以外の仕入れです。
キャップやフードなどの周辺部品の中で純正のものを調べましょう。
CanonやNikonの大きいフードやOLYMPUSの金属フードなどがあれば利益が取れやすいです。
またフィルターもいいですよ。
純正フィルターはもちろん、NDフィルターと呼ばれる少し黒っぽいフィルターは価格が高めなので利益が取りやすいです。
次に調べたいのはカメラバッグです。
こちらもフィルターに続き、純正品の値段が高い印象ですね。あとはメーカーにもよりますが、素材や作りがしっかりしているものは積極的に調べましょう。
めちゃくちゃ高値で抜けます。
以下のカメラバッグは僕自身仕入れるまで知らなかったのですが、作りがしっかりしているのでリサーチしたところ、少なくとも2万で売れることがわかったので仕入れました。
実はこれ、世のカメラマンが憧れるバッグで、FBA納品後即売れでした。

最後に三脚・雲台です。
三脚ってだけで調べない人が多いこと山のごとし。
ライバル激少なのでマジでねらい目です。
店側もショーケースに入らないし、早く売りたいのか相場より安いことが多いのも良いところ。
特に以下ツイートの三脚メーカは要チェックです。
最後にジャンクコーナーです。
緑の札をみて通常動作するものを選定していきます。
液晶のヒンジ(パカパカする部分)が緩んでいるとのことでジャンクになっていました。
でも動作自体は問題ありません。
緩みも言われてみないと分からないぐらいだったので、コンディション設定としては「良い」でOK。

売値は15,000~20,000円ぐらいになるので、約1万円利益になります。
次に、何か壊れているようなら、相場より安いかどうか、撮影に影響はあるのか、直すことはできないのか、を判断し仕入するか検討。
ただし!虚偽の出品はしないこと!
最後に修理は「容易に」できるのかどうかを確認し仕入判断を行います。
ぼくはほとんど修理はしないので、修理時間5分ぐらいで終わるもの以外は基本的にスルーしてます。
修理している時間があるなら他で10個仕入れる。
これがゆうの流儀です。
カメラのキタムラ
中古せどらーにはなじみがないかもしれませんが、カメラ転売を始めるにあたってカメラ専門店に行かないという選択肢はありません!
ちょっと専門店は・・・
緊張する・・気が引ける・・・
と始めたての方にはハードルが高く感じられるかもしれませんが、そんな人こそカメラのキタムラは仕入先としてオススメです。
人によりますが、店員さんもせどらー・バイヤーに寛容な場合が多いですし、むしろ売上を上げてくれる存在として認識されています。
※ただしマナーは守ること!!!!ぜったいに丁寧に紳士的にコミュニケーションをとってください!
早速ですが仕入判断における攻略ポイントをお伝えいたしますね。
- ①やや難あり
- ②並品
- ③良品
- ④美品
①やや難あり

キタムラの値札は右上にコンディションの記載があります。
入店して全頭するのは基本ですが、とくに『やや難あり』は必ずチェックするようにしましょう。
基本的に何かしらの不良や不具合があると査定されたために、相場より格安になっている場合が多いです。
【 相場より安い=仕入がしやすい 】これは理解できるけど、”難”があったらそもそも出品時の売値も安くなるんじゃないの?
確かに備考や商品コメントに記載されている事象をそのまま受け取ると、そうなります。
ですがこの章の冒頭で説明したことを思い返してください。
”カメラ屋さんのランクを鵜呑みにすると全く仕入れできません。そのランクは本当に合っているのか(目利き)どうしたらAmazon・ヤフオク上でコンディションを引き上げて出品できるか、などなど考察して、目利きを行って、仕入れて、販売するのが僕たちの仕事です。”
店員さんも人間なのでミスすることもあります。
何の不具合もないのに『やや難あり』で陳列されるケースだってあります。
カメラ専門店だからといって身構える必要はないのです。
しっかり自分の目でコンディションを確認することが大切です。
ここで先ほど紹介した画像の難ありに戻りましょう。

ピントリングベタツキあり
とありますね。
ねらい目でも述べたようにベタツキは仕入チャンスです。
とくにピントリングぐらいでしたらベタつきの範囲も狭いことが多いので、サッと除去するだけで利益確定です。
上記の商品に至ってはほとんど感じられない程度のべたつきでした・・・

(↑ 実際の販売履歴です。もちろんクレームによる返品はありませんでした。)
とにかくやや難ありを見つけたら
・外観が綺麗かどうか
・外観は汚いものの相場より格段に安い
この場合は実際に手に取ってみましょう。

8,960円 ⇒ 14,800円

69,800円 ⇒ 106,800円
小クモリや小カビなど『小』や『わずかに』などもねらい目です。上記はカビではなくチリが光の反射でカビに見えただけだったパターンでした。(結構このケースはあります)
査定した店員さんが「そう感じただけ」の場合があるのです。
逆に大クモリや大カビ、大キズなどは本当に不具合がある場合が多いので、実際に見て仕入しない判断をします。

71,000円 ⇒ 99,800円
このように、カメラ本体に一切の難なく、安くなっているパターンもあります(笑)
難ありだし、自分にはコンディションチェックする技術はまだないから・・・と決めつけずにフラットな目線でリサーチするのがコツですよ!
並品
並品=B品は少し難しいです。
キズやスレ、チリ・ゴミなどが見た目でわかることが多く、店舗側も認識したうえで査定し、並品となっているケースがほとんどです。
また、難あり品のように格安で値付けしている場合も少ないので、ランクを下げて出品するには値段が高いし、ランクを上げようにも状態的に難しい商品が多いのが並品の大まかな特徴です。
ただしそういうケースが多いだけで、難あり品のときのように見落としや大したことがないものがあります。

備考にいろいろ書かれていますが、実際に検品したところ元箱付きの使用感が少ない商品でした。
・ラバー白く劣化 → きれいにリペアすることが可能
・アイピースキズ → ほんのわずかなキズ
・上面表示パネル → 光の加減でたしかに見え隠れするスレあり
実はショット数(どれだけシャッターを切ったかがデータで分かります)を調べたところ、3桁以下の実使用が少ない商品でした。
相場は以下のような感じです。3桁ショット&元箱付きなので20万近くは狙えます。

備考にいろいろ書かれていても、それが本当かどうか、神経質な人が見ただけかもしれない。
自分の目を信じて、記載内容をある意味「疑って」見ることが大事なのです。

上記は小スレ・小キズとありますが、「ランク:良品」でも本来良さそうなものは多いです。

そもそも安くて「良い」想定で仕入れましたが、ボディはマットな塗装を保っており、ほぼ新品で出すか迷うぐらい綺麗でした。
良品
一番簡単なのが良品です。
良品は基本的に『非常に良い』か『ほぼ新品』を想定して仕入判断を行います。
要は外観がきれいか否かだけを見るのです。
まずは外観で判断し、ピックアップ
↓
その後、動作や備考に書いてあるコメントが本当にあるのかどうかを確認し、問題なければ仕入れ
という流れです。
元箱など付属品が揃っていると尚よしです。

イベント時の仕入れで10%オフで仕入値67,860円!

クーポンはモール原資のため利益18,000円!
とくに『ほぼ新品』は、自分が購入者としてほぼ新品を購入したときに、果たして自分はその商品で満足するのかどうか、自分だったら腹が立たないかどうかを基準にすると分かりやすいです。
ここは主観的な部分なので人によって考え方や感じ方が違います。
ちなみにぼくは返品や返金にならないためにも、一カメラ店として結構厳しい目線で判断しています。
トラブルになる方がメンドクサイと思う質(たち)なので、コミュニティの中でも厳しい部類です。
≪ワンポイントアドバイス≫
初心者の方は上記の考え方を頭に入れて、判断に迷うものがあれば、思い切って一度販売しましょう!
自分の考えがお客さん・市場でどのように受け入れられるかを検証し、その乖離を埋めていく作業もリサーチと同じくらい大切です。
失敗と検証・改善を繰り返していくと知らぬ間に経験値が貯まって、仕入れ判断力がドンドン研ぎ澄まされてきます。


綺麗な三脚もねらい目です
美品
美品は商品の状態が良い分、価格自体もそれなりに高いので、仕入れにくいです。
ただし以下を狙いうちしていけば格段に仕入しやすくなります。
- 品薄状態が続いているもの
- 生産終了から年月が経っているもの
- 限定品やヴィンテージの希少価値があるもの
綺麗なものを高く売ることが出来れば、あなたの仕入れは格段に広がります。
高く売る技術を身に着けていきましょう!
フジヤカメラ
カメラ転売を語る上では決して外せない中古カメラ店。
それがフジヤカメラです。
入荷と売却の入れ替わりが激しく、常に新着商品が店頭に並ぶほど商品の回転が速いからです。
圧倒的に価格が安いから商品の回転が早いんです。
国内のセラーはもちろん、仕入をするために世界各国からバイヤーが集まります。
とりわけオープンの朝10:00は特に安い商品が店頭に並ぶため、毎日オープン前は開店待ちをしている人が並んでいます。
場所は東京都 中野区。
JR中野駅から徒歩5分もかからない場所に店舗が存在します。

駅激チカ!
フジヤカメラの全体像は
- 本店1階・2階・・・各メーカーのデジタル~フィルムカメラ
- 動画館・・・映像機器
- 用品館・・・フラッシュや三脚、雲台などの用品
- ジャンク館・・・訳アリ商品
- フジヤエービック・・・音響機器
とザックリこんな感じです。

本店外観
本店の外観は分かりやすくていいですね!
1階・・・Canon SONY OLYMPUS Panasonic SIGMA コンデジなど
2階・・・Nikon FUJIFILM PENTAX Leica フィルム機など
階層によってジャンルやメーカーが異なります。
店舗に入ると圧倒されることでしょう。
四方に位置するショーケースに、所せましと中古カメラが並んでいます。
仕入は本店でのリサーチがメインになってきます。

本店の対面に位置するのが動画館・用品館です。
こちらは2020年10月にリニューアルオープンしたばかりということもあり、非常に洗練された綺麗な内装になっています。
本店での仕入れが終わったら、動画館・用品館で仕入すると効率が良いです!
フジヤカメラのルール
明確にルールが定められているわけではありませんが、オープン前~商品購入まで暗黙のルールが存在します。
①15分前から並ぶこと
昔は何時間も並ぶ人もいたようですが、通行人の方に迷惑を掛けてしまうことから、現在では15分前から並び始めるのが通例です。
②入店はシャッターが開ききってから
当然走りながら入店は非常に危険なので、はやる気持ちを抑えて、シャッターが開ききってから、店員さんの指示に従って、ゆとりをもって順番に入店しましょう。
走るなキケン!!!
③商品を見つけたら
そのまま置いていると他の人に一瞬で買われてしまいますので、良い商品が見つかったら「お願いします!」と手を上げて店員さんを呼びましょう。
その場でチェックすることも可能ですが、朝オープンしてから10~20分間は『仕入れのゴールデンタイム』なので取り置きをしてもらうことをオススメします。
ただし商品取り置きは30分ぐらいが限度ですので、時計をチェックしながらリサーチして下さいね。
コンディション攻略
正直なところ、ここでも全頭リサーチが一番の『地力』がつく方法になります。
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が、ノウハウもクソもなくなってしまうので、実際にリサーチする際のポイントをご紹介します!
フジヤカメラでのコンディションは以下の通りです。
- 未使用/未開封品 :原則的にメーカー保証書のない、新品同様の未使用品です。
- 新品同様品(A):キズや塗装落ちが目立たちにくい、使用頻度の少ない美品です。
- 美品(AB+):わずかにキズや塗装落ちのある、使用頻度の少ない良品です。
- 良品(AB):キズや塗装落ちがある標準的な良品です。
- 並品(AB-):キズや塗装落ちの目立つ通常に使用された並品です。
- 傷み/難有り(B):かなりの使用感があり使い込まれた老朽品です。
- 現状品:ほとんど機能しません、分解・部品取り用です。
※フジヤカメラ コンディション表より引用
仕入効率を考えたときに、未使用品・新品同様品(A)は最初は積極的に見なくてもOKです。
利益が取れないこともないですが、品薄品などに限られます。
商品知識をある程度習得し、市場在庫や需給バランスが頭に入ってきた頃にリサーチしてみましょう!
初心者時代は効率を重視するために、新品同様品(A)以外に焦点を絞ってリサーチをした方がいいです。
【美品(AB+)や良品(AB)】
「ほぼ新品」狙いでリサーチすると見つけやすいです。
比較的キズもなく綺麗な商品が多いので、ショーケース越しから見て、外観の塗装がマットかつスレや傷が少なく綺麗そうなら出してもらいましょう。
ショーケースから出してもらい、外からは見えなかった部分に傷がなく、非常に良い・ほぼ新品で利益が取れそうであれば仕入してOK。
逆にキズがある場合もあるので、その場合はケースに戻してもらいます。

84,150円 ⇒ 120,000円
なんと世界限定500台の超希少機種なんです。
こういう限定機種は必ずチェックしましょう。店側が設定した値段よりもネットの方が大きく売れることが往々にしてあります。
特に最近は中国の方が僕のショップから買い付けするケースが多いです。

カメラのボディに装着するグリップです。
安くて利益出なさそうなので残っていることが多いですが、回転が素晴らしいので仕入れておきましょう。
【並品(AB-)】
ほぼ新品~良いぐらいのコンディションで、最も目利きが試されるコンディションです。
査定の幅が広いため、傷が少ないものから多いものまであります。
キズの付きやすい箇所(底面や角、液晶、フード取り付け部、銘鈑など)に傷がないか、レンズ内はどうかなど、くまなくチェックして仕入判断をしましょう。

小さなスレがあるので「ほぼ新品」では惜しくも出せなかったですが、ズームリングの重さは気にならないレベルのため「非常に良い」で出せます。

スレキズなく「ほぼ新品」の外装!8,000円ぐらいで売れました。
【傷み/難有り品(B)】
そもそもキズ・スレがあるもの、レンズ内にチリ・クモリがあるものは多いです。
そのためB品の多くは相場より安く提供されています。
利益が抜けるパターンとしては下記です。
- 外観上の問題が少ない
- 店員さんの感覚が語られている
- クモリありで更に安くなっている
- 外観上の問題があり格安になっている

B品なのに外装はめちゃくちゃ綺麗。→ ショーケースから出してもらって再度隅々まで確認しても綺麗。ピントリングの油切れ=フォーカスリングがスムーズに回らないことを指しますが、???というぐらいスムーズ。
よって「ほぼ新品」114,000~119,800円で売れます。

これも外装は小スレ程度。「非常に良い」39,800円で売れていきました。
B品はキタムラでいう並品です。
B品は傷が多いものなどが多く、実際店舗に行ってみると、たくさんのB品の中から利益が取れるものを探し出すのは結構難しいです。ですが査定の幅が広い分、本当にたいしたことない「難」があったりします。
それらを狙っていきましょう。
最後に「B-」「現状品」を解説します。
【「B-」「現状品」】
B-とは店頭限定の「B」と「現状品」の間のコンディションです。
どちらも何かしらの不具合や難があるため、B品よりも更に安い、いわば超激安商品になっています。
これらはリサーチする前に、見つけたら確保するようにしましょう。
いいですか。
見つけたら確保です。
そもそもが激安品のため利益が出しやすく、ライバルたちがこぞって探しているので確保しなければ持っていかれます。
状態確認するポイントはこれまでと同様で、まずは外観をチェックします。
次に値札に記載されている不具合事象を実際に確認し、動作や撮影に影響するのか、本当にあるのか、店員さんの見間違いはないかを確認しましょう。
だいたいの場合は「良い」でも利益が取れるはずです。
「B-」「現状品」だけでも月50万は稼げる激アツ商品です。

最安値14~15万です。確かにかなりキズは多かったですが、安過ぎますね。

外装は綺麗。ズームリングの引っ掛かりで特価品になっていましたが・・・これはAB-査定でも良かったのでは?と個人的には感じました。店員さんもヒト。人によって価値観は様々です。「非常に良い」6万で売れていきました~

うん、安いね。少ガタはどの部分を指しているか結局分かりませんでした。
念のため近くにいた店員さんとも確認しましたが、分からずじまい。
ということでコンディションは「非常に良い」35,000~40,000円で売れます。
フジヤカメラ総括
いかがでしたでしょうか。
とにもかくにも、最初は外観が綺麗かどうかだけで判断。
- ①綺麗だったらショーケースから出してもらう。
- ②実際にモノを見て、ショーケースの外側からでは分からなかった部分を徹底的に見る。
- ③最後にタグに記載されているコメントや不具合などを確認する。
大半の人は最初にタグに書かれている「引っ掛かり」「ガタつき」「クモリ」「カビ」などを見て、勝手に状態を想像し、決めつけ、ショーケースから出しすらしません。
これが僕とそれ以外の人との違いです。
見る順番・判断の順番が違うだけ
なんですよね。
今日からこの順番でリサーチして、固定概念は取っ払って仕入れ判断していきましょう。
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最後の最後に大事なことをお伝えしておきます。
スレやキズ、クモリ・カビなど認識した上で安くて仕入れたもの
家に帰ってあとから気付いたキズや不具合
これらはしっかり説明文に記載するようにしましょう。
虚偽の販売は絶対にNGです。
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第4章では実際に僕が売り買いしている利益商品を一挙300万円分紹介しています。
第3章で学んだことをインプットしてアウトプットする前の準備体操としてご利用ください!
特に何故それを仕入れたのか、何をポイントとしてリサーチしているか、何がトレンドなのか、どのように高く売りぬいているのか、生のリアルな情報を包み隠さず公開しますので、是非マネしましょう!
利益商品は見るだけでなく、実際に探すまで行動を起こしてください。
では第4章でお会いしましょう。