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査定書をAIで作る ―― 価格の算出から提案資料・媒介トークまで、宅建士の半日を取り戻すためのプロンプト7本

査定書をAIで作る ―― 価格の算出から提案資料・媒介トークまで、宅建士の半日を取り戻すためのプロンプト7本

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真山英二 | 不動産業界での生成AI活用の第一人者

真山英二 | 不動産業界での生成AI活用の第一人者

査定が1件、机上で半日。物件調査をして、相場を調べて、根拠を文章にまとめて、ようやく1通の査定書ができあがる。込み入った戸建てや、資料の多い相続がらみの案件なら、ほぼ丸一日が消えます。私自身、現役の売買宅建士として、何件もそうやって時間を溶かしてきました。日中は現場、夜に査定書、という働き方です。

けれど、この半日のうち「宅建士にしかできない判断」は、実はほんの一部です。残りの多くは、調べた数字を整える作業、根拠を読みやすい言葉に直す作業、提案資料の体裁を組む作業——つまり文書作業です。ここはAIが得意とするところです。

この記事では、私が実際に査定システムとして組んで運用している手順を、そのまま「明日から使えるプロンプト7本」に落とし込みます。具体的には——査定価格そのものの算出補助、その根拠の言語化、売主に渡す提案資料の構成づくり、そして媒介を取りに行くトークの壁打ち(AIに練習相手になってもらうこと)まで。AIにできることは、思っているよりずっと多いのです。

ただし、ひとつだけ揺るがない原則があります。AIが作った査定書は、宅建士が必ずレビューし、確定させる。だから責任は宅建士に帰属する。 これは制約ではなく、むしろAI活用の「価値の根拠」です。最終確認をあなたが握っているからこそ、下準備を安心してAIに任せられる。

この記事の地図は、次のとおりです。

  • 第1章:なぜ「査定」にAIが使えるのか(判断と文書作業の切り分け)
  • 第2章:査定根拠コメントを言語化させる(プロンプト①②)
  • 第3章:査定価格をAIで扱う2つの型(プロンプト③④/この記事の核)
  • 第4章:売主が納得する「提案資料」の構成をAIで設計(プロンプト⑤⑥)
  • 第5章:媒介取得トークの壁打ち(プロンプト⑦)
  • 第6章:4つの安全装置

第1章 なぜ「査定」にAIが使えるのか

この章で得られるのは、「査定のどこをAIに任せ、どこを自分が握るのか」という一本の線引きです。これがはっきりすると、以降のプロンプトを迷わず使えるようになります。

査定という仕事を、いったん2つに分解してみてください。

ひとつは「判断」です。どの事例を採用するか。築年や駅距離の違いをどう価格に反映するか。最終的にいくらと出すか。これは宅建士の経験と責任で決める領域で、AIに肩代わりさせるものではありません。

もうひとつは「文書作業」です。事例の数字を集計する、単価を平均する、判断した結果を売主に伝わる文章にする、提案資料の体裁を整える。ここは手間はかかるけれど、判断そのものではありません。査定の半日のうち、時間を奪っているのは圧倒的にこちら側です。

AIが効くのは、この「文書作業」の側です。私のシステムでも、スタンスは一貫してこうです——AIが事例を抽出・スコアリングして初期の査定額を提案し、人が最終確認する。AIに下書きを任せ、宅建士が判断して確定する。この順番を崩さない限り、AIは安全な時短ツールになります。

役割分担を表にすると、こうなります。

工程AIに任せる(文書作業)宅建士が握る(判断・責任)
事例選別条件で絞り込み・スコアリング・候補提示採用/除外の最終決定
価格算出単価集計・初期査定額・価格帯の計算最終査定額の確定
補正補正理由の文章化補正額の決定
査定書作成根拠コメント・市場コメントの下書き、テンプレ流し込み訪問時の特殊事情の反映・全文レビュー・免責確認

【F0をまだ読んでいない方へ】 この記事は、シリーズ無料記事「不動産売買でAIを使う前に守る3つのルール」(F0)を読み終えている前提で進めます。①顧客情報・未公開物件情報は入れない、②AIが間違えやすい急所は一次資料で裏取りする、③判断と責任は宅建士が持つ——この3つは本記事でも繰り返し前提になります。未読の方は先にF0をご覧ください。

中心となる命題は、この一文に尽きます。査定における「判断」は宅建士が握り、「文書作業」だけをAIに渡す。 この線引きさえ守れば、半日の作業の大半を、品質を保ったまま圧縮できます(最終レビューを宅建士が必ず行うことが前提です)。

判断と文書作業の切り分け方は、これで見えたはずです。では実際に、何をどう入力すれば査定書の文章が出てくるのか。

ここから先では、私が日常業務で動かしているプロンプトをそのまま開示します。「根拠コメントを書く」「価格を算出させる」「2本立て価格を出す」「提案資料を設計する」「媒介トークを壁打ちする」——7本のプロンプトに、安全装置4つをセットにして。

私自身、AI活用でいちばん時間がかかったのは「どう問えばまともな答えが出るか」の試行錯誤でした。その結果だけを、ここに全部置いています。


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査定書をAIで作る ―― 価格の算出から提案資料・媒介トークまで、宅建士の半日を取り戻すためのプロンプト7本

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この記事のライター

真山英二 | 不動産業界での生成AI活用の第一人者

慶應義塾大学理工学研究科修了後、PwC(現IBM)にてビジネスコンサルタントとして従事。 2008年より株式会社ハッピーハウス代表取締役。全日本不動産協会神奈川県本部にて「教育流通委員長」を歴任し、県下2,400社の不動産業者への指導・研修を取り仕切る。関わった不動産取引は累計1,000件超。著書は丸善本店にて週刊ベストセラーとなり、NHKをはじめTVメディアでの出演も多数。 「中小企業の社長は忙しすぎる」という課題を解決するため、自身の実務で検証済みの「不動産×生成AI」ノウハウを発信中。実践セミナーも大人気。 理論だけでなく、明日の現場で使える実利的なDX(生成AI活用)を提案します。

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