🔷R07_I-1|過去問題
令和7年2月18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画は、前回の第6次から大きく政策転換した内容となっている。特に、原子力発電に関しては、第6次では「原発依存を低減する」としていた記述から一転して「最大限活用する」と方針転換し、具体的には2040年での電源構成の中で原子力の割合を2割程度とした。
(1)上記の政策方針を達成するためには、すべての既設炉の有効活用を果たさなければならないが、現在の状況を俯瞰したとき解決しなければならない技術的課題を多面的に示せ。
(2)前問(1)で抽出した技術課題に対して解決策を具体的に示せ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行して目標が達成されたとして、残された長期的な技術的課題とその対策を示せ。
(4)上記の解決策の実施において技術者として倫理的、社会の持続性の観点で留意事項を述べよ。
「日本技術士会」HP
🔷R07_I-1|骨子例
1.既設炉有効活用の技術課題
〇観点1:高経年化対策技術の確立
・材料劣化への対応技術
・予防保全技術の高度化
〇観点2:安全性向上対策の実装
・過酷事故対策の強化
・デジタル制御システムとサイバーセキュリティ
〇観点3:運転効率向上と人材確保
・設備利用率向上技術
・技術継承と人材育成体制
2.技術課題に対する具体的な解決策
①先進的劣化診断技術の導入と予防保全の高度化
・AI活用による非破壊検査技術
・デジタルツイン技術による劣化予測
②多層防護システムの強化と電源信頼性向上
・冷却機能の多重化対策
・全交流電源喪失時の電源確保
③デジタル技術活用による運転効率化と人材育成
・ビッグデータ解析による異常兆候検知
・VR・AR技術による訓練強化
④品質保証体系の強化と国際連携
・リスク情報活用保守手法
・国際安全基準との整合性確保
3.残された技術的課題及びその対策
1)廃止措置技術の確立と放射性廃棄物処分システムの構築
・遠隔解体技術とロボット技術
・放射性廃棄物の処理技術
2)次世代原子炉技術の実用化と核燃料サイクルの高度化
・革新炉技術の実証と商業化
・核燃料サイクル技術の確立
4.解決策実施における留意事項
☆技術者としての倫理の観点
・公衆安全最優先の責任
・継続的技術研鑽と説明責任
☆社会の持続可能性の観点
・地球温暖化対策への貢献
・地域社会との信頼関係構築