技術士R07【1203農業部門-農業農村工学】選択問題Ⅲ-2|1800字では伝えきれない!骨太論述と全詳解|温室効果ガス削減等
小泉士郎🎈|技術士(建設・総監部門)×セルフケア
【技術士第二次試験|規定字数に関する重要なお知らせ】
本記事の解答論文は、
「深い考察と多角的な視点を学ぶための教材」
として作成しています。
- 本記事の内容規定字数(1800字以内:600字詰め解答用紙3枚)の1.3~1.5倍程度の分量で、骨太な論述と詳細解説を行っています。
- 規定字数(1800字以内:600字詰め解答用紙3枚)の1.3~1.5倍程度の分量で、骨太な論述と詳細解説を行っています。
- 試験本番での対応実際の技術士第二次試験においては、規定字数(1800字以内)を厳守してください。本記事の論旨や視点を、規定字数内に収める訓練としてご活用ください。
- 実際の技術士第二次試験においては、規定字数(1800字以内)を厳守してください。
- 本記事の論旨や視点を、規定字数内に収める訓練としてご活用ください。
🔶R07_Ⅲ-2|過去問題
農業生産基盤の整備に当たっては、環境への負荷の低減、影響の回避・最小化など農村地域で形成されている環境との調和に配慮して行うことが重要である。また近年は、食料の供給の各段階において、温室効果ガスの排出削減など環境への負荷の低減が求められる社会情勢となっている。このような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1)農地や農業水利施設の整備や保全管理の取組を、環境との調和に配慮しながら進めるに当たり、多面的な観点から、あなたの選択科目に関わる技術課題を3つ抽出し、観点を明記したうえで、それぞれの技術課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ、その技術課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策に関連して新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
「日本技術士会」HP
🔶R07_Ⅲ-2【1.5倍論述のための】骨子例
(1)環境調和型整備の技術課題
〇観点1:生態系保全
・水域、陸域の生態系ネットワークの保全と連続性確保
・多自然型手法による生態系ネットワークの再構築
〇観点2:温室効果ガス削減
・農業生産基盤整備におけるカーボンニュートラル実現
・再生可能エネルギー導入と精密水管理システムの構築
〇観点3:水質保全
・農地からの面源負荷削減と健全な水循環の維持
・植生浄化帯設置と流出負荷の精密制御
(2)最重要課題およびその解決策
▼最重要課題
・水域、陸域の生態系ネットワークの保全技術
▽解決策1
・横断構造物における移動連続性の確保
▽解決策2
・環境配慮型水路の設計と多様な生息場の創出
▽解決策3
・水田、水路、ため池を繋ぐネットワークの構築
(3)新たな懸念事項及びその対策
◇懸念事項及びその対策1
・維持管理負担の増大と管理組織の脆弱化
・ICT活用による省力化と新たな管理体制の構築
◇懸念事項及びその対策2
・激甚化する気候変動への適応の限界
・動的適応策とモニタリング、防除体制の強化
◇懸念事項及びその対策3
・経済的合理性と環境配慮のトレードオフ
・環境負荷低減の見える化と総合的投資効率の提示
🔶R07_Ⅲ-2【深掘り考察】設問(1)解答
(1)環境調和型整備の技術課題
〇観点1:生態系保全
技術課題として、水域・陸域の生態系ネットワークの保全と連続性確保が挙げられる。農業水利施設の整備において、コンクリート三面張り構造は魚類等の水生生物の移動経路を遮断し、生態系の連続性を損なう。圃場整備に伴う湿地環境や水田魚道の消失により、希少種を含む水生生物の生息域が減少している。多孔質素材の活用や覆土による多様な流況の創出、魚道設置等の多自然型手法を用いた水路設計、ビオトープの機能的配置により、水田と水路を繋ぐ生態系ネットワークの再構築が必要である。
〇観点2:温室効果ガス削減
技術課題として、農業生産基盤の整備・管理におけるカーボンニュートラル実現が挙げられる。建設資材の製造・運搬や施工段階でのCO2排出に加え、管理段階でのエネルギー消費が課題である。特にセメント等の炭素集約型材料の使用が排出の主要因となる。また、水田からのメタン発生抑制に向けた中干し延長を行う際、末端排水路の整備不良は排水停滞を招き効果を減殺する。小水力発電等の再生可能エネルギー導入、省エネ型ポンプへの更新、低炭素型資材の選定に加え、メタン抑制と安定生産を両立する精密な水管理システムの構築が必要である。
〇観点3:水質保全
技術課題として、農地からの面源負荷削減と健全な水循環の維持が挙げられる。化学肥料等の使用に伴う窒素・リンの公共水域への流出が下流域の富栄養化を招く。特に豪雨時の圃場からの土砂流出は水質悪化の主要因となる。用水の反復利用は節水に寄与する一方、水質劣化による営農への影響が懸念される。排水路における植生浄化帯の設置や、沈砂池・調整池の最適配置による水質浄化技術が求められる。循環灌漑システムの適正運用や、自動給排水ゲートを活用した流出負荷の精密制御が必要である。
🔶R07_Ⅲ-2【重要課題特定と解決策の提示】設問(2)解答
(2)最重要課題およびその解決策
