🔷R07_I-1｜過去問題
我が国の防災・減災対策の一環として、令和5年7月28日に閣議決定された国土強靭化基本計画では、「デジタル等新技術の活用による国土強靭化施策の高度化」、「地域における防災力の一層の強化による『地域力の発揮』」の2点が新たに施策の柱として加えられた。この計画は国だけで実施するものではなく、各府省庁が地方公共団体や民間と連携して、総合的・横断的に推進することが期待されている。
（１）防災・減災対策として、デジタル等新技術の活用に関する施策あるいは地域における防災力の強化に資する具体的な施策を挙げ、応用理学部門における技術者としての立場で多面的な観点から３つの技術課題を抽出し、観点を明記したうえで、その技術課題の内容を示せ。
（２）前問（１）で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を１つ挙げ、その技術課題に対する複数の解決策を、応用理学部門の専門技術用語を交えて示せ。
（３）前問（２）で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項を示せ。
（４）前問（１）～（３）の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に即して述べよ。
「日本技術士会」HP
🔷R07_I-1｜骨子例：②地域防災力強化施策
１．防災・減災対策の技術課題
１．防災・減災対策の技術課題
▽防災・減災対策の施策
・地域密着型地震・地盤災害早期警戒システム構築
・高密度地震観測網とAIリアルタイム解析の整備
〇観点１：地震観測・解析技術
・高密度地震観測データのリアルタイム処理精度向上
・P波・S波自動識別アルゴリズムの最適化
〇観点２：地盤工学・物理探査技術
・地盤変位監視システムの長期安定性確保
・異なる計測手法間のデータ統合処理精度向上
〇観点３：情報システム・データ解析技術
・多種センサーデータの統合解析アルゴリズム構築
・地域固有条件への適応性確保
２．最重要課題およびその解決策
▼最重要課題
・多種センサーデータの統合解析アルゴリズム構築
・複合的災害現象の総合評価システム
▽解決策１：多層ニューラルネットワークによる特徴量抽出最適化
・LSTMによるP波・S波特徴量の自動抽出
・CNNによる地盤変位空間パターン認識
▽解決策２：ベイジアンネットワークによる不確実性定量化
・災害発生確率の信頼区間算出
・地域固有リスクモデルの構築
▽解決策３：転移学習とドメイン適応による汎用性向上
・他地域データを活用した転移学習
・異なる地質構造・気候条件への適応性確保
３．解決策実行に伴う波及効果及び懸念事項
◇波及効果１：災害予測精度の飛躍的向上
・従来予測比で誤報率30％以上削減
・住民避難行動への信頼性向上
◇波及効果２：防災技術の標準化促進
・他地域適用の可能性拡大
・全国規模防災システム高度化の加速
◇懸念事項１：アルゴリズムのブラックボックス化
・災害警報発令根拠説明の困難性
・住民・行政の理解獲得における課題
◇懸念事項２：運用コスト増大
・GPU演算資源の高負荷
・クラウドインフラ維持費用の高騰リスク
４．業務遂行に必要な要件・留意点
☆技術者としての倫理の観点
・住民生命安全最優先の技術開発
・AI予測システムの不確実性の正確な住民伝達
☆社会の持続可能性の観点
・地域コミュニティとの協働体制構築
・費用対効果定量評価による社会負担適正化配慮
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