技術士R05【1203農業部門-農業農村工学】Ⅱ-2-1 |1200字では伝えきれない!骨太論述と全詳解|スマート農業導入等
小泉士郎🎈|技術士(建設・総監部門)×セルフケア
🔷R05_Ⅱ-2-1|過去問題
低平に広がった農地が概ね標準区画に整備されている水田地域において、スマート農業の導入を視野に入れ、担い手の経営規模の拡大や一層の生産コストの削減を目指した農地整備を進めることとなり、あなたがその計画策定業務の担当者となった。
(1)計画策定に向けての調査、検討すべき事項とその内容について述べよ。
(2)本業務を進める手順と、その際に留意工夫すべき点について説明せよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
「日本技術士会」HP
🔷R05_Ⅱ-2-1【1.5倍論述のための】骨子例
(1)調査・検討すべき事項およびその内容
①現況農地および営農状況の調査
・現況農地の測量と担い手の経営実態把握
・土壌条件調査と整備後の利用計画策定
②スマート農業導入に向けた技術的検討
・自動走行機械の導入可能性と圃場条件
・RTK-GNSS基地局と水管理自動化の検討
③事業実施に係る法規制の確認
・農業振興地域計画との整合性確認
・環境配慮対策と許認可手続きの整理
④関係者の意向調査
・地域住民を含む関係者意向の把握
(2)本業務を進める手順及び留意点・工夫点
▽手順①:基礎調査および現地測量
・基準点設置と地権者への事前説明徹底
・ドローン等による効率的測量手法の採用
▽手順②:整備計画案の作成
・担い手計画に即した区画規模の設定
・3次元CADによる複数案の可視化比較
▽手順③:経済効果の算定
・科学的根拠に基づく定量的効果把握
・実証事例データによる現実的効果予測
▽手順④:地元関係者への説明
・高齢化等を考慮した丁寧な説明実施
・視覚的資料による整備後イメージの提示
▽手順⑤:実施設計および事業計画書作成
・農繁期を避けた工区割りと施工時期設定
・地質調査による軟弱地盤対策の事前計画
(3)関係者との調整方策
1) 担い手農家および地権者との調整
・個別ヒアリングによる経営方針等の把握
・定期説明会と先進地事例による情報共有
2) 土地改良区との調整
・既存水系統との整合性確認と技術協議
・新技術管理運営方法と職員研修の計画
3) 関係行政機関との調整
・道路・河川管理者との早期協議開始
・環境部局との希少生物等保全協議
4) 地域住民および非農家との調整
・工事影響の事前説明会開催
・農家と非農家の協働による地域づくり推進
🔷R05_II-2-1【深掘り考察】設問(1)解答
(1)調査・検討すべき事項およびその内容
①現況農地および営農状況の調査
現況農地の区画形状、面積、法面構造、用排水路の配置状況を測量により把握する。担い手農家の経営面積、作付体系、使用農業機械の規模を調査し、大型機械の効率的運用に必要な区画規模を検討する。土壌条件、地下水位、排水性等を調査し、大区画化に伴う地耐力確保や排水対策の必要性を判断する。担い手への農地集積状況と今後の意向を把握し、整備後の利用計画の基礎資料とする。
②スマート農業導入に向けた技術的検討
自動走行トラクターやドローン等の導入可能性と必要な圃場条件を検討する。RTK-GNSS基地局の設置位置や通信環境の整備状況を調査し、高精度測位システムの構築方法を検討する。水管理の自動化に必要な給水栓や水位センサーの配置計画を立案する。ICT機器の維持管理体制とランニングコストを試算し、費用対効果を評価する。
③事業実施に係る法規制の確認
農業振興地域整備計画や土地改良区の用排水系統との整合性を確認する。生態系や景観への影響を調査し、環境配慮対策を検討する。道路管理者、河川管理者等との協議事項を整理し、許認可手続きの工程を把握する。
④関係者の意向調査
地域住民や非農家を含む関係者の意向を調査し、合意形成の方策を検討する。
🔷R04_II-2-1 <1200字では伝えきれない!解答(2)・(3)全文>
(2)本業務を進める手順及び留意点・工夫点
