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ミニスカセクシーポリスの事件簿              誘惑のVIPルーム

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名前:神崎 レイナ(かんざき・れいな)年齢:28歳 職業:警視庁特捜班 刑事 外見:長い黒髪をハーフアップ、グラマラスな体型。赤のミニスカスーツ+タイトなジャケット、生足+ヒール。性格:冷静沈着だが、捜査のためなら大胆な行動も躊躇しない。心理戦・色仕掛け・変装が得意。特技:相手の目を逸らさずに心理を読み取ること。誘惑しながら情報を引き出す尋問術。信条:「武器は銃だけじゃない、私自身も武器よ。」 

第1章 潜入の夜

 六本木の夜は、湿り気を帯びた光で満ちていた。夏の熱気を残したアスファルトの上に、ネオンが青や赤の滲みを落とし、人々の影を艶やかに染め上げる。 その大通りの一角、黒塗りのドアを構えた高級クラブ〈ルミナス〉の前で、神崎レイナは軽く顎を上げた。長い黒髪をハーフアップにまとめ、赤のミニスカスーツにタイトなジャケット。ヒールの細い踵がアスファルトを打つたび、短い金属音が夜気を切った。

(ターゲットは、この奥――)

 クラブのオーナー、早乙女豪。表向きは事業家、裏では密輸ルートの仲介人。今夜、その暗号を聞き出すことがレイナの任務だ。 ガードマンが二人、ドアの前に立ち、無言の圧力をかけてくる。レイナは軽く微笑み、艶やかな声で言った。

「予約はしていないの。けど、席はあるでしょう?」

 その視線と声色に、一瞬だけガードマンの眉が緩む。上から下まで値踏みするように視線が滑り、やがて彼は無線で中に確認を取った。 数秒後、重いドアが開く。冷たい空気と、香水とアルコールの混ざった匂いが一気に溢れ出した。

 店内は、天井のシャンデリアが水晶の雫のように光を散らし、赤と金のインテリアが非現実的な華やかさを演出している。グラスの触れ合う音、低く流れるジャズ。 レイナはカウンター席に腰掛け、バーテンダーに目を向けた。

「モエ・アンペリアルを、グラスで」

 わざと高額なシャンパンを選び、目立つ行動を取る。バーテンダーは流れるような手つきでボトルを傾けながら、軽く笑った。

「珍しいですね、この時間に一人で来られる女性は」

「静かに飲みたい夜もあるのよ」

 軽い会話の中、レイナは周囲を観察する。ホールには、黒服のスタッフと高級ブランドを纏った客ばかり。中央奥の一段高いガラス張りの部屋――そこがVIPルームだろう。薄いカーテン越しに、人影がゆったりと動いている。

 ふと、バーテンダーが小声で囁いた。「今日は特別な客が来てるらしいですよ。オーナーが直々に接客するくらいの」

 心の中で小さく頷く。情報の断片は、こうして集まる。

 グラスを傾けながら、レイナは席を立ち、フロアの中央をゆっくりと歩いた。視線がいくつも彼女を追う。その中に、確かに鋭いものが一つ――VIPルームの奥から射抜くような視線があった。

 視線の主が、早乙女豪だった。 四十代半ば、仕立てのいいスーツに身を包み、グラスを片手にカーテン越しの彼女を見ている。目が合うと、豪は笑わない。ただ、口元の筋肉がわずかに動き、興味と警戒をないまぜにした表情が浮かぶ。

(乗ってきたわね)

 レイナは視線を外さず、ゆっくりとシャンパンを口に運ぶ。あえて長い沈黙を作り、豪に“動かせる駒”として認識させる。 やがて、黒服の一人が彼女のそばに近づき、低い声で告げた。

「オーナーが、お話ししたいそうです」

 レイナは唇の端を上げ、軽く頷いた。「もちろん、光栄だわ」

 赤いミニスカの裾を揺らしながら、彼女はVIPルームのドアへと向かう。そこから先は、密室――そして、本当の勝負が始まる。

第2章 誘いの視線

 VIPルームの扉が静かに閉まると、外の喧噪は水面下に沈んだ。部屋は広く、低いテーブルと深いソファが向かい合う。壁には抽象画、天井近くの間接照明が琥珀色の層を作っている。中央に置かれたシャンデリアは小ぶりだが、クリスタルの粒が微かな風に呼吸するように揺れた。

 早乙女豪は窓際のソファに腰を沈め、葉巻を指先で回していた。男の視線は、レイナの歩幅、肩の角度、指先の止まりまでを順に計測しているようだった。「初めての顔だな。——この店ではな」

 レイナは笑みだけを先に届け、遅れて声を追わせた。「顔はひとつだけど、夜は幾通りにも変わるの。ここは、そのための場所でしょ?」

 黒服が二人、壁際に立つ。豪は顎をわずかに引き、彼らを一歩下げさせた。「名は?」「レイナ」「職業は?」「今夜の私に肩書きは要らないわ。あなたに似合う飲み方を探しに来ただけ」

 豪は口角をわずかに歪めた。視線はレイナの瞳から外れない。「ならば、選べ。俺の時間か、俺の酒か」「両方。片方だけじゃ味が薄いもの」

 レイナは対面のソファには座らない。あえて豪の斜め、肘が触れるか触れないかの“距離の計算”が成立する位置に腰を下ろした。香りの束が互いに交わり、誰の呼吸なのか曖昧になる。

 シャンパンが運ばれる。豪がグラスを軽く上げた。「乾杯の言葉は?」「秘密の先回りに、かしら」「悪くない」


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