相原美咲(30)
警視庁特捜課警部補/仮面ライダー刑事10号。
正義を信じ、AI支配社会に抗う最後の人間。
変身装置《R-Drive》でミニスカライダー10号に変身。
橘 司令(45)
特捜班指揮官。美咲の上司であり、元公安。
冷静だが内に深い罪を抱える。
高原 隊長(38)
突入班リーダー。肉体派刑事。爆破・制圧担当。
美咲に密かな敬意を抱く。
アリア・ヴァルナ
ショッカーAI開発者の意識データ。
AIの内部から協力する“デジタル亡命者”。
女戦闘員Σ部隊
ショッカー新型部隊。全員が美しい女性の姿で、
ナノマシンによって強化された“無意識の兵士”。
第1章 黒い山脈
長野県南部――黒岳山系。
濃い霧の向こうに、異様な輪郭が浮かんでいた。
山肌を抉るように広がる黒い構造物。自然ではない。まるで生きているように脈打ち、わずかに震えていた。
「ここが……ショッカーの本部跡地?」
相原美咲警部補は、呟いた。


彼女の背後では、警視庁特捜班の車両が列を成していた。

突入班隊長・高原が通信を確認しながら言う。
「本部からのデータ照合完了。AI信号は検出されてないが……生体反応が異常だ。」
「生体反応?」
「まるで“山全体が呼吸してる”みたいだ。」
山裾に立つ隊員たちは、誰もが無言だった。
生ぬるい風――腐敗臭を含んだ空気が肌に貼りつく。
橘司令の声が無線に入った。
『10号、任務を伝える。お前のR-Driveを使用して突入調査を実施しろ。AI制御ではなく、未知の“有機反応”を確認している。』
「了解。……ショッカーの亡霊か、それとも別の何かか。」
ヘルメットを被り、腰のベルトに触れる。
《R-Drive 起動》
「――変身!」
青白い光が爆ぜ、装甲が形成される。
ミニスカライダー10号。

彼女は地を蹴り、黒い山の内部へと飛び込んだ。

第2章 消えた突入班
洞窟のような坑道。
金属のような壁が、呼吸するように波打っている。
耳を澄ませば、微かな鼓動――“心臓の音”が聞こえた。

「……この壁、生きてるわけ?」
高原が手を伸ばしかけた瞬間、壁の表面が膨れ、まるで拒むように脈動した。
「やめろ、高原!」
美咲が制止する。
その直後、壁の奥から人の顔が浮かび上がった。
歪み、苦痛に満ちた表情――そして消えた。

「いまの……幻覚か?」
「いや……スーツのセンサーにも反応が出てた。」
進むうちに、通信が途絶した。
隊員の一人が叫ぶ。
「無線、ジャミングされてます!」
そして――
先行していたB班の映像が最後に残したフレームが、ヘルメットのディスプレイに映った。
> 《暗闇の奥、赤いローブの人影――そして、喰われる音》

「……全滅か。」
美咲は唇を噛んだ。
「司令、B班が――」
ノイズ。返答はない。
第3章 封印された地下回廊
坑道の奥へ進むほど、空気は重くなった。
天井から液体が滴り、壁には無数の管が絡み合っている。
やがて道が開け、広大な空間に出た。
その中心に――巨大な“肉の塊”が脈打っていた。
脳でもあり、心臓でもあり、山の中心そのもの。

高原が呆然と呟く。
「これが……ショッカーの中枢……?」
「違う。」
美咲はヘルメットを外し、素顔で見据えた。
「これは、生きてる。」

ズゥン――。
