警視庁刑事:南原めぐみ(26)
身長:167cm 体重:60kg 股下:77cm 太もも周り:63cm バスト:88cm





第1章:誘拐された女子大生
白い砂浜と、透き通るようなエメラルドブルーの海。ここは南国リゾート「美波ヶ浜(みなみがはま)」――都心から飛行機で2時間、セレブたちが集う国内有数のリゾート地である。

だが今、その美しさとは裏腹に、ある“連続事件”が静かに進行していた。
「またか……。今度は大学生の娘だ」
警視庁・捜査一課。特命対策チームの会議室に、緊迫した空気が漂う。
ホワイトボードには、4人の若い女性の写真。いずれも20代前半、旅先のリゾートで行方不明になっている。共通点は、美波ヶ浜の高級リゾートホテルに滞在していたこと、そして最後に目撃されたのは“プライベートビーチ”だったという点だった。警視庁・捜査一課。特命対策チームの会議室に、緊迫した空気が漂う。

ホワイトボードには、4人の若い女性の写真。いずれも20代前半、旅先のリゾートで行方不明になっている。共通点は、美波ヶ浜の高級リゾートホテルに滞在していたこと、そして最後に目撃されたのは“プライベートビーチ”だったという点だった。
「誘拐か……?」
捜査官の一人がつぶやく。
そのとき、扉が開いた。
「――呼ばれました?」
茶髪ショート、鋭い目を持つ若き特捜刑事・南原めぐみ(26)が姿を現す。白のシャツに黒のタイトスカート、端正な顔立ちと整ったスタイルが目を引く。

「めぐみ、お前にしかできない仕事だ」
捜査班長の西条が口を開いた。
「今回の事件、犯人はどうやら女性しか狙っていない。しかも条件がある。若く、容姿端麗であること――」
「また、そういう案件ですか。つまり私が“囮”ですね」
「正確には――“水着で潜入”してもらう」
「は?」
めぐみの表情が一瞬止まる。
「美波ヶ浜のリゾートホテルの中に、会員制の“セレブ専用ビーチクラブ”がある。表向きはVIP専用のビーチだが、実は“選別された女性”が次々と行方不明になっている。ここに警察は入れない。だからお前に潜入してもらいたい」
「……つまり、白昼堂々とビキニで泳ぎながら、犯人をあぶり出せと」
「そういうことだ。もちろん、護身用の小型通信機とスタンバイ部隊は用意してある」
めぐみは溜息をついたあと、静かに頷く。
「了解。……やります。水着で潜入、ですね」
西条が苦笑する。
「安心しろ。水着は支給品だ。特殊加工済みの捜査用――露出は控えめにしたつもりだが、お前の好みじゃなかったら、許せ」
「……露出が控えめなビキニなんて、あるんですかね?」
皮肉を言いつつ、めぐみは資料ファイルを手に取った。中には被害者たちのSNS記録、最後の投稿、そしてビーチクラブの会員リストの一部が。
「この“白ビキニの女”って?」
めぐみが指差したのは、ある写真。そこには、白のビキニを着た女が写っていた。だがその顔は日差しの反射でよく見えない。
「最後に誘拐された女子大生と一緒に写っていた。どうやらクラブの常連らしい。誰なのかは不明」
「つまり、こいつに近づけば何か分かる可能性がある……」
めぐみは写真を睨みつけた。
「よし、準備します。……この“白ビキニ女”に会いに、行ってきます」
翌日。美波ヶ浜リゾート。
高級ホテルのチェックインカウンターに、キャリーケースを引いた“ある美女”が現れた。
白いノースリーブワンピースに大きなサングラス。細身ながら引き締まったボディライン、日焼けしていない均整の取れた肌。

「特捜刑事・南原めぐみ、コードネーム“アクア・ゼロ”。潜入開始します」
耳元の小型通信イヤピースに、めぐみは小声で囁いた。
このホテルに3日間滞在し、毎日ビーチクラブに通いながら、例の“白ビキニの女”に接触し、行方不明の女性たちの行方を突き止める。
だが彼女は、この先に待ち受ける――想像を超える“罠”の存在をまだ知らなかった。
第2章:特命・水着捜査官
南原めぐみがチェックインしたのは、美波ヶ浜でもトップクラスのリゾートホテル「ル・シエル・ミナミ」。五つ星の称号を持ち、政財界や芸能人も密かに利用する超高級施設だ。
エレベーターの中、めぐみは鏡に映った自分をふと見つめた。
「まさか、水着で捜査する日が来るとはね……」
ドアが開き、部屋に入るとすぐにキャリーケースを開き、用意された“捜査用水着”を取り出す。
それは――シンプルな白のビキニ。だが、ただの水着ではない。
生地には防犯用のナノセンサーが仕込まれており、強引な接触が加わると即座に司令部へアラートが飛ぶ。また、右の腰紐には小型通信装置、左のブラカップ裏には超薄型レンズが埋め込まれていた。
「完璧ね……けど、露出が控えめって言ったの誰?」
試着して鏡を見ると、ビキニの形は上品だが、彼女の均整の取れたボディライン――特にヒップや太もも、胸元がはっきり強調されていた。まさに「セレブ好み」のシルエットだ。
髪をゆるくまとめ、サングラスとビーチバッグを手にしためぐみは、そのままホテル専用のシャトルでプライベートビーチへと向かった。

そこは、宿泊者全員が自由に入れる場所ではない。事前審査を通った“特別会員”だけが足を踏み入れられるビーチ――通称「クラブ・ミラージュ」。
白いゲートの前で、長身の男が立ちはだかった。
「会員証を」
「もちろん。こちらをどうぞ」
めぐみが取り出したのは、警視庁の偽造班が極秘に作り上げた“会員証”。都内在住のIT会社社長夫人という設定だった。
男は端末で情報を確認すると、無言でうなずき、ゲートを開けた。
「……ようこそ、クラブ・ミラージュへ」
ビーチの中に足を踏み入れた瞬間、別世界が広がった。
煌びやかなテントとカバナ、プールサイドにはシャンパンが並び、豪奢なソファに寝そべる男たち、女たちは皆、どこか“選ばれた人間”の空気をまとっていた。

めぐみはその中に自然と溶け込み、あくまで“リゾート客”として、ゆったりとした足取りでビーチチェアに座る。バッグから日焼け止めを取り出しながら、周囲を観察する。
(怪しい男は……まだ動きなし。むしろ女の方が多いな)
そんなとき、背後から声がした。
「初めて見た顔ね。あなた、どこから?」
振り返ると、そこにはスラリとしたスタイルの女が立っていた。長い黒髪、サングラス、そして――純白のビキニ。

そう、“白ビキニの女”だった。
(来た……!)
めぐみは自然な微笑を返しながら答える。
「東京からよ。ちょっと疲れてて、癒しを求めに来たの」
「フフ、ここは癒されるわよ……特別な人間だけが、ね」
女は何かを含ませるように笑い、隣のデッキチェアに腰を下ろした。彼女の肌は陶器のように白く、だがその奥に冷たい雰囲気を秘めていた。
「あなた、名前は?」
「真野理沙。そちらは?」
めぐみは、用意していた偽名を口にする。
「篠宮あすか。夫が少し仕事で忙しくて、今回は一人旅なの」
「そう……一人旅って、いいわよね。何が起きても誰にも知られない」
不意に、女の言葉が重く沈んだ。
(やっぱり怪しい……!)
そのとき、近くのカバナにサングラスの男が数人入ってきた。タブレットを操作しながら、何やらリストを見ている。視線の先には――めぐみ。
(……私、マークされた?)
女が立ち上がる。
「今日は日が強いから、気をつけて。あと、クラブの奥の“特別エリア”には入らないこと。あなたにはまだ、早いから」
そう言い残し、白ビキニの女は静かに歩き去った。
めぐみはその背を目で追いながら、通信装置にささやいた。
「クラブ内部で“白ビキニの女”と接触。コードネーム“ミラージュ1”と仮称。警戒されてる可能性あり。引き続き、監視継続」
波の音が強くなり、雲がひとつ、太陽を覆った。
美しい楽園の中に、確かに“黒い影”が差し込み始めていた。
第3章:ターゲットは白ビキニの女
“白ビキニの女”――仮称ミラージュ1が去ったあとも、南原めぐみはビーチチェアに横たわりながら、冷静に情報収集を続けていた。

カバナの一角に陣取る男たち。彼らは一見セレブ風だが、視線の動き、タブレット操作、無線のやりとりは明らかに「仕事の匂い」がする。現地の警備員ではない。警察関係者にも見えない。だとすれば――私兵か。
(彼女、“特別エリア”って言ってたわね)
ビーチのさらに奥、ヤシの木の向こうに、金のアーチと鉄の柵に囲まれた“立ち入り禁止エリア”があった。そこにはセキュリティが複数配置され、一般客は近づけないようになっている。
めぐみは慎重に立ち上がると、ビーチバーへと歩き出す。
「フルーツスムージーを」
グラスを受け取ったその瞬間、小さな声でささやきが聞こえた。
「……ミラージュ1、今夜動くらしい」
(盗聴マイクに入った……!)
通信装置のフィルターを通じて、近くの男の声が自動で拾われた。めぐみは何気なく笑顔を浮かべながら、バーの近くにある会員専用スパのロッカーを見やる。
(今夜、何かが起きる)
めぐみは一旦ホテルに戻り、日が沈むのを待った。
午後9時。ビーチは照明に照らされ、ナイトパーティの準備が進められていた。

クラブ・ミラージュでは、VIP向けの“選別イベント”が密かに行われるらしい。
――それが、誘拐の現場。
めぐみは再び白のビキニをまとい、肩に薄いシフォンのパレオをかけてパーティ会場に姿を現した。
控えめに歩きながら、視線はひとりの人物を捉えていた。
“白ビキニの女”――ミラージュ1だ。
彼女は、海岸の特設ラウンジの奥で、数名の男たちと話していた。ワインを片手に、口元には妖艶な笑み。だがその奥には、冷たい知性がある。
(あれが、誘拐の“選別役”……?)
男たちは一人の女性客に近づき、軽く声をかけた。ほどなくして、女性は笑いながら彼らと奥の「特別エリア」へと歩いていく。
その姿を、白ビキニの女は静かに見送っていた。
(確定。彼女が送り手、男たちが実行役。そして奥に……連れ去られる)
めぐみは、決断した。
歩みを進め、白ビキニの女の正面に立つ。
「今夜も、いい月ね」
「……あなた、また来たの?」
女は一瞬、眉をわずかに動かした。
「だって、癒されに来たんでしょう? でも、あなたの視線は違う。まるで――刑事みたい」
めぐみの背中に緊張が走る。
「何のことかしら?」
「フフ……気づいてるわよ、最初から。あなた、“あすか”じゃないわね。都内訛りが抜けてないし、ここの空気に慣れていない」
その瞬間――背後から男たちの気配。
(囲まれた……!?)
振り返ったときにはもう遅かった。サプレッサーの付いた小型スタンガンが、めぐみの背中に――。

「くっ……!」
意識が遠のいていく中、女の声が耳元で囁かれた。
「今夜は特別な“選別”。あなたのようなタイプ、滅多にいないの」
目が覚めたとき、めぐみはコンクリートの床に横たわっていた。
腕は後ろに拘束され、脚もベルトで留められている。白ビキニ姿のまま、体の自由はほぼなかった。
部屋は無機質な照明と監視カメラに覆われた、“監禁ルーム”。

(やられた……完全に捕まった)