はじめに
「正義は、目立ってなんぼでしょ?」
そう言って、彼女はスカートの裾をひらりと揺らした。その太ももは、人間の常識を超えた70cm。その脚の長さは、堂々たる95cm。そしてその背丈、195cm。

――水原安奈、23歳。警視庁特別捜査班所属。
彼女の存在を、あなたはまだ知らないかもしれない。だが、裏社会ではすでに“伝説”として語られている存在だ。
この物語は、そんな彼女の戦いの記録であり、記録に**“残せなかった”真実の断片**を掘り起こすものである。国家が隠した闇に一人で立ち向かった女刑事の、蹴撃の記録。
正義とは何か?法とは誰の味方か?女というだけで、軽んじられる社会。処女というだけで、好奇と蔑視の眼差しが向けられる世界。
安奈は、そんな社会すべてに蹴りで答えてきた。拳銃もナイフも持たない。彼女の武器は、ただひとつ――その脚。

「話し合いでは届かないなら、私が脚で届かせる」そう言って、彼女は今日もたったひとりで犯罪の巣窟へ向かう。
この本は、フィクションでありながら“現実”でもある。なぜなら、語られなかった正義の姿は、常に現実の隙間に潜んでいるからだ。
読者のあなたに問いたい。正義は本当に、法の中だけにあると思っているか?もし答えが「違う」のであれば、あなたはすでに、安奈と同じ視点でこの世界を見つめている。
国家の裏側に、正義の脚が届くのか。果たして、暴かれるべき“本当の敵”とは誰なのか。
水原安奈――彼女の物語は、今、あなたの目の前で始まる。
第1章:誰にも止められない脚――水原安奈、異端の始まり
「女の刑事なんて、見た目だけだろ? 実力じゃ男には勝てないって」
警視庁特別捜査班、通称「特捜ゼロ」のオフィスで、そんなつぶやきが交わされたのは、彼女が初めて現れた日のことだった。だが、誰よりも無言で、誰よりも圧倒的な存在感を放つ一人の女の登場が、その空気を瞬時に凍らせた。
身長195cm。モデルを超えるバランスの取れた体型に、ぴったりとした制服のミニスカート。スカートの奥から覗く脚は、太もも周り70cmという凶器のような筋肉を備え、黒のロングブーツがさらにその威圧感を際立たせていた。
「……水原安奈です。よろしくお願いします」

低く落ち着いた声でそう言った彼女は、明らかに“異端”だった。刑事というより、“兵器”のような出で立ち。だが、その態度は礼儀正しく、どこか幼ささえ残す表情が周囲を混乱させた。