1. この記事で作るもの:ASURACOREの発表内容の確認表
取引先ごとに見積もりの計算を表計算ソフトで手入力する。
そんな毎日を送っているのが、架空の会社「サンプル商会」の営業担当・佐藤さんです(以下は説明用の架空の例で、実在の人物や会社ではありません)。
佐藤さんは2026年10月14日のニュースを見て、こう思いました。
「AIが業務システムを作ってくれるらしい。
うちにも関係があるのだろうか」。
そこで佐藤さんは、公式ページを開いて言葉を書き写しながら、まず次のような確認表を作りました。
3行だけ埋めた、最初の段階のものです。
| 項目 | 区分 | 公式の記載(原文に近い言葉) | 自社で確認すること |
| 販売開始(いつから使えるか) | 予定・検討中 | 「2027年4月以降」 | 自社の困りごとを、その時期まで待てるか |
| 価格(いくらかかるか) | 予定・検討中 | 「システム構築費用 60万円〜」「月額利用料 5万円〜」。現時点で検討中の価格であり、今後変更となる可能性があります | 下限で計算した初年度の目安と、自社の予算 |
| 対象の企業規模(自社でも使えるか) | 記載なし | 該当する記載が見つからない | 公式の案内が更新されたら、自社が対象に入るか確認する |
この表の「区分」は、公式ページに並んでいる分類ではなく、この記事が読み分けのために付けた名前です。
発表は明るいニュースですが、読んだだけでは「いつから・いくらで・自社に関係あるのか」がはっきりしません。
発表の日付は確定していても、販売が始まるのは2027年4月以降の予定で、価格も検討中とされているためです。
この記事で作るのは、上の表と同じ4列の確認表です。
公式の発表ページとサービスページを開き、書かれていることを「確定している」「予定・検討中」「記載なし」の3つに分けて、自分の手で書き写していきます。
使う道具はパソコンやスマートフォンのブラウザだけです。
確認表を作るのに費用はかかりません。
アカウント登録も不要です。
ASURACOREはまだ販売されておらず現時点では利用できないため、この記事では導入したときの効果、使い心地、削減できる時間の評価は扱いません。
実際に使った感想も扱いません。
扱うのは、公式ページに書かれている内容の整理と、自社に向くかどうかの判断までです。
最終的には「今は待つ」「無料の事前登録だけしておく」「別の手段で足りる」のどれかを、自分の判断で選べる状態を目指します。
2. 発表で分かること:確定していることと、予定・検討中のこと
確認表を埋めるには、まず公式ページに書かれている内容そのものを押さえる必要があります。
以下は、ラクスのニュースリリース(2026年10月14日)とASURACOREのサービスページを2026年10月15日に確認した範囲の内容です。
確認日より後に更新される可能性があるため、書き写すときは必ず開いた時点の原文を見てください。
確定していること
- 発表日:2026年10月14日に、ラクス株式会社がASURACOREを発表しました。
- サービスの内容:AIと業務専門家が協働して、企業ごとのカスタム業務システムを構築するサービスです。
- 進め方:ディレクターがヒアリングし、AIが設計・構築し、検証・調整する、と案内されています。
- 事前登録:無料で登録でき、最新リリース情報の先行配信と、販売開始時の優先案内が得られると案内されています。
予定・検討中のこと
- 販売開始は2027年4月以降です。これは予定であり、確定した開始日は示されていません。現時点では利用できません。
- 価格は、システム構築費用60万円〜、月額利用料5万円〜と案内されています。ただし「現時点で検討中の価格であり、今後変更となる可能性があります」と注記されています。「〜」は下限を表す書き方で、上限や平均ではありません。この金額に何が含まれるかは記載がありません。
訴求として書かれていること
- 「最短1か月で構築」「最短1ヶ月で使い始められます」。これは公式の訴求であり、すべての案件が1か月で終わると書かれているわけではありません。
- サービスページでは、「見積もりの計算が、毎回大変で」のような、いつもの言葉で相談できる(専門用語は不要)と案内されています。
記載がないこと
- 対象の企業規模・業種、契約期間、保守・運用の範囲、データの扱い、他の道具との連携、価格に含まれる範囲、成果事例は、発表ページとサービスページを見た範囲では確認できません。
- ここでいう「記載なし」は「できない」「ない」という意味ではなく、確認した公式ページでは見つけられない、という意味です。空欄は推測で埋めず、空欄のまま残してください。
書き写す元になるページは次の2つです。
- ラクス ニュースリリース(2026年10月14日): https://www.rakus.co.jp/news/2026/1014.html
- ASURACORE サービスページ: https://www.rakus.co.jp/asuracore/
次は、この内容を4列の確認表に書き写す順序と、区分の付け方を見ていきます。

図: ASURACOREの発表日(2026年10月14日)・販売開始の予定(2027年4月以降)・検討中の価格(構築60万円〜、月額5万円〜)・無料の事前登録を並べた全体像です。
3. 手順①:公式ページを開いて、3区分の確認表に書き写す
最初に、前の章で挙げたニュースリリースとサービスページの2ページを開きます。
必要なものはブラウザだけです。
費用はかからず、ページを見るために申し込みも要りません。
書き写す先は、表計算でもノートでも構いません。
列は「項目/区分/公式の記載/自社で確認すること」の4つを用意します。
区分は3つに分けます。この3つの呼び方は公式が使っている分類ではなく、読み分けのために当記事で置いた整理です。
- 確定している:ページにそのまま書かれていて、時期や条件の限定が付いていないもの
- 予定・検討中:「予定」「検討中」「最短」「変更となる可能性」など、動く余地のある言い方が付いているもの
- 記載なし:開いたページの中に見つけられなかったもの
迷ったときは「予定・検討中」に寄せてください。限定の言い方が付いているのに確定の欄へ入れると、あとで社内に伝えた内容がずれます。また「記載なし」は「できない」「やらない」という意味ではありません。開いた公式ページでは確認できない、という意味です。空欄のままにせず、その言葉で残しておきます。
書き写すときは、要約せず原文の言い回しのまま写します。
たとえば価格なら「システム構築費用 60万円〜」「月額利用料 5万円〜」と、注記の「現時点で検討中の価格であり、今後変更となる可能性があります」を一組にして残します。
片方だけ写すと、確定した価格のように見えてしまいます。
表の先頭には、発表日(2026年10月14日)と見たページのURL、そして自分が確認した日付を控える行を置きます。
発表のあとに内容が更新されることがあるため、確認日を分けて残すのが大切です。
並べる項目の例は、提供開始時期/サービスの内容と進め方/期間の訴求/価格/事前登録/対象となる企業の規模・業種/契約期間/保守・運用の範囲/データの扱い/他の道具との連携/価格に含まれる範囲/成果事例です。
後半は、見つからなければ「記載なし」として残します。
この作業にAIチャットは使いません。
要約の過程で「最短」「予定」「検討中」といった限定の言葉が落ち、意味が強くなってしまうおそれがあるためです。
原文を画面で見ながら、自分の手で写してください。
「自社で確認すること」の欄は、判断に必要になったときの宿題を書く場所です。
「予算に入るか社内で確認」「記載のない項目をどこで確かめるか」など、自分が次に確かめることを一言で構いません。
完了の見分け方:表を見て、どの項目が確定で、どれが予定・検討中で、どれが記載なしなのかを、自分で説明できる状態になっていれば第一段階は終わりです。うまくいかないときの戻り方は、最後の章にまとめています。

図: 公式ページの記載を「確定している」「予定・検討中」「記載なし」の3つへ振り分ける流れです。
4. 手順②:自社に向くかを5つの問いで決める
表が埋まったら、次は自社に当てはめます。
公式ページには対象の企業規模・業種や成果事例の記載がないため、「どんな会社に向くか」は公式の記載からは分かりません。
分かるのは、自社の困りごとと、待てるかどうかです。
次の5つを順に考えます。
- 困りごとは、見積もりの計算のように、毎回くり返す作業か。 サービスページでは「見積もりの計算が、毎回大変で」のような、いつもの言葉で相談できると案内されています。自分の困りごとが、この例のような毎回くり返す作業に近いかどうかを考えます。
- 今の道具の工夫で足りていないか。 表計算の関数や入力の決まりごとを整えるだけで済むなら、まずそちらを試す価値があります。工夫で足りるかどうかを確かめずに結論を出すと、判断の材料が不足します。
- 2027年4月以降まで待てるか。 販売開始は2027年4月以降の予定です。それまで今の困りごとを抱えたままでよいか、別の手を打つ必要があるかを考えます。
- 予算の下限の目安を確認したか。 構築60万円+月額5万円×12か月=初年度は120万円〜、という計算になります。ただしこれは検討中の価格の下限から計算した目安であり、見積りではありません。価格に何が含まれるかの記載はないため、含まれる範囲は不明のままです。この数字を社内の予算額として確定させないでください。
- 困りごとを、業務を知る人が専門用語なしで説明できるか。 進め方は、ディレクターがヒアリングし、AIが設計・構築し、検証・調整するという形が案内されています。公式は相談の言葉について「専門用語は不要」と案内しているので、自社の作業を普段の言葉で説明できるかを確かめておきます。
5つを並べた結果、選ぶ結論は次の3つのどれかです。
- 今は待つ:困りごとが急ぎでなく、時期を待つ間に大きな支障がない場合。
- 無料の事前登録だけしておく:関心はあるが今は動かない場合。事前登録は無料で、最新リリース情報の先行配信と販売開始時の優先案内が得られると案内されています。費用をかけずに情報だけ受け取る選択です。
- 別の手段で足りる:今の道具の工夫や既存のやり方で困りごとが小さくなる場合。
判断はすべて読者自身が行います。
当記事の区分や問いは考える順番をそろえるための道具で、答えを決めるものではありません。
価格と時期は検討中・予定であり、内容が変わる可能性があります。
最終的には、最新の公式案内と自社の事情を突き合わせて決めてください。
5. 具体例:佐藤さんの困りごとで確認表と5つの問いを埋める
ここからは、判断の流れをつかむための架空の例です。
実在する会社の導入事例ではありません。
場面:見積もりの計算を、毎回手入力している
サンプル商会(架空の会社)の営業担当・佐藤さん(架空の人物)は、取引先ごとに見積もりの計算を表計算ソフトで毎回手入力しています。
取引先ごとに単価や条件が少しずつ違い、そのたびに式や数字を入れ直しているため、佐藤さんの困りごとは「見積もりの計算が毎回大変」というものです。
これは、ASURACOREのサービスページで相談の言い方の例として挙げられている「見積もりの計算が、毎回大変で」と同じ種類の困りごとです。
佐藤さんは、公式の発表ページとサービスページを自分で開き、次のような確認表を埋めました。
区分の言葉は、この記事での整理です。
| 項目 | 区分 | 公式の記載(原文に近い言葉) | 自社で確認すること |
| 発表日 | 確定している | 2026年10月14日に発表 | 日付と出典URLを控えたか |
| サービスの内容と進め方 | 確定している | AIと業務専門家が協働してカスタム業務システムを構築。ディレクターがヒアリングし、AIが設計・構築し、検証・調整する | 自分の言葉で困りごとを伝えられるか |
| 販売開始時期 | 予定・検討中 | 2027年4月以降 | それまで待てるか |
| 価格 | 予定・検討中 | 構築60万円〜、月額5万円〜。「現時点で検討中の価格であり、今後変更となる可能性があります」 | 予算の下限の目安を確認したか |
| 事前登録 | 確定している | 無料。最新リリース情報の先行配信と販売開始時の優先案内が得られる | 登録しておくか |
| 対象の企業規模・業種、契約期間、保守・運用の範囲、データの扱い、他の道具との連携、価格に含まれる範囲、成果事例 | 記載なし | 公式ページでは確認できない | 判断に必要なら、どこで聞くかを決める |
「記載なし」は、公式ページに書かれていないという意味です。
「できない」「提供しない」という意味ではありません。
5つの問いに当てはめる
- 困りごとは、見積もりの計算のように毎回くり返す作業か → 当てはまる。取引先ごとの見積もり計算を毎回入力している。
- 今の道具(表計算など)の工夫で足りていないか → まず試す。表計算の式やひな型の見直しで楽にならないかを先に確かめる。
- 2027年4月以降まで待てるか → 待てる。今すぐでなくても困らない。
- 予算の下限の目安を確認したか → 未確認。構築60万円+月額5万円×12か月で初年度は120万円〜になるが、これは検討中の価格の下限から計算した目安で、見積もりではない。何が価格に含まれるかも不明。
- 困りごとを、業務を知る人が専門用語なしでも説明できるか → 説明できる。佐藤さん自身が日々の作業を知っている。
佐藤さんの結論
「無料の事前登録だけしておき、まず今の表計算の改善を試す」。
待てる時期のサービスであり、価格も検討中、含まれる範囲も不明です。
今すぐ契約を決める必要はないので、情報だけ受け取れる事前登録をしておき、その間に表計算の見直しを試す、という選び方になります。
この結論も、最終的には読者自身が自社の事情に当てはめて決めてください。

図: 確認表の記入例です。
会社名はすべて架空で、「記載なし」の行は公式ページで確認できなかった項目を表します。
6. 確認リストと、うまくいかないときの戻り方
最後に点検する5項目
- 発表日(2026年10月14日)と出典URLを控えた。
- 予定・検討中の項目を、確定している項目と混ぜていない。
- 「記載なし」の項目を「できない」と決めつけず、必要ならどこで確かめるかを決めた。
- 検討中の価格を前提に、予算を確定していない。初年度120万円〜は下限からの目安で、見積もりではない。
- 販売開始前に決める必要がないことを確認した。今決めるのは、待つか、事前登録だけするか、別の手段で足りるか、のいずれかでよい。
うまくいかないときの戻り方
- 公式ページの表現が、自分の書き写しと違う → もう一度原文を開いて見比べる。確認した日付も一緒にメモしておくと、後の食い違いに気づきやすい。
- 区分に迷う → 手順①の基準に戻り、限定表現があれば「予定・検討中」に寄せる。「最短1か月」は公式の表現で、すべての案件が1か月で終わると書かれているわけではない。
- 発表後に内容が更新されていた → ページの日付を見て、最新の記載に合わせる。古い控えは残しつつ、判断は最新の案内で行う。
契約や予算の最終判断は、公式の最新の案内と自社の事情をそろえてから行ってください。
この記事の確認表は、その判断材料を整理するためのものです。
次の一歩
まず、ラクスのニュースリリース(2026年10月14日、https://www.rakus.co.jp/news/2026/1014.html )を開き、販売開始時期を1行書き出してみてください。
「2027年4月以降」という予定が、自社の予算の時期や困りごとの期限に間に合うかどうかが、判断の出発点になります。
あわせてASURACOREのサービスページ(https://www.rakus.co.jp/asuracore/ )で、サービスの内容、価格の記載、事前登録の案内を確認すると、確認表の空欄を自分で埋められます。
この記事が少しでも参考になったら、AI実用ラボをフォローしていただけるとうれしいです。初心者にも分かりやすいAI活用情報をこれからもお届けします。
