問い合わせメール、どれが未対応か分かりますか?Gmailのフィルタとラベルで仕分ける方法
【初心者向け】確認日: 2026-10-02
1. この記事でできること
注文に関する質問、不具合の報告、その他の問い合わせ。
種類の違うメールが同じ受信トレイに次々と届き、どれに返信済みでどれがまだなのか、画面をスクロールしながら目で追いかけていませんか。
複数の窓口や複数の担当者で1つのGmailアドレスを使っていると、対応済みのメールと未対応のメールが混ざり合い、「さっき見た気がするけれど返信したかどうか思い出せない」「担当者同士で誰が対応したか分からず、同じ問い合わせに二重で返信してしまった」という状態が起きがちです。
TL;DR
- Gmail標準の「フィルタ」「検索演算子」「ラベル」の3つを組み合わせると、問い合わせメールを種類ごとに自動で仕分けできます。
- 追加の契約やツールは不要で、Gmailアカウントがあれば今日から設定できます。
- 1つの条件でのフィルタ作成とラベル付けの基本から、複数条件を組み合わせたフィルタ設計、複数担当者向けの共有ラベル運用、対応期限超過に気づく仕組みまで扱います。
この記事でできることは、Gmailのフィルタと検索演算子、ラベルを使って問い合わせメールを種類ごとに自動振り分けし、未対応メールが埋もれない受信トレイを自分で作れるようになることです。
対象読者は、複数の問い合わせ窓口や複数の担当者で1つのGmailアドレスを使っており、対応済みか未対応かが一覧で分からず対応漏れが不安な方です。
プログラムを書いたり、何かのAPIを契約したりする必要は一切ありません。
必要なものはGmailアカウントだけで、追加費用もかかりません。

※ 実際の画面ではなく、問い合わせメールが混在する様子を表した概念図です。
2. フィルタ・検索演算子・ラベルの役割を知る
仕組みを作る前に、Gmailが持つ3つの機能の役割を整理しておきます。
専門用語に見えますが、それぞれの役割はシンプルです。
フィルタは、「条件に合うメールが届いたら、自動である動作を行う」設定です。Gmail公式ヘルプによると、フィルタが実行できる動作には、ラベル付け、アーカイブ(受信トレイから隠す)、削除、スター付け、自動転送があります。つまり「この条件のメールが来たら、このラベルを自動で付ける」という仕組みがフィルタです。
検索演算子は、「条件をどう書くか」のルールです。Gmailの検索ボックスに入力する特別な単語で、代表的なものは次のとおりです(Gmail公式ヘルプに記載)。
- `from:` 送信元を指定します。例: `from:amy@example.com`
- `to:` 宛先を指定します。例: `to:me`
- `subject:` 件名に含まれる単語やフレーズで検索します。例: `subject:dinner`
- `label:` 既にそのラベルが付いているメールを検索します。例: `label:important`
- `has:attachment` 添付ファイルがあるメールを検索します。
- `OR` いずれかの条件に一致するメールを検索します。例: `from:amy OR from:david`
- `AND` すべての条件に一致するメールを検索します。例: `from:amy AND to:david`
- `-`(マイナス) 指定した条件を除外します。例: `dinner -movie`
ラベルは、メールに貼る分類用の目印です。1通のメールに複数のラベルを付けることもでき、さらに親ラベルの下に子ラベルを配置する「ネスト」構造も使えます(Gmail公式ヘルプに記載)。フォルダのように1か所にしか入れられない仕組みとは違い、ラベルは「付箋を貼る」感覚に近いものです。
1つ注意点があります。
フィルタの動作として自動転送を使う場合、転送は新着メールにのみ適用され、過去に届いたメールには遡って適用されません(Gmail公式ヘルプに記載)。
「フィルタを設定したのに、前からあったメールが転送されない」というときは、この仕様が原因であることが多いです。

※ 実際の画面ではなく、検索条件からフィルタを作る流れを表した概念図です。
3. まずは単純なフィルタで1種類の問い合わせを仕分けてみる
ここからは、架空の例を使って実際の手順を見ていきます。
登場するメールアドレスや件名、担当者名、ラベル名、件数、期限日数はすべて説明用のサンプルであり、実在するものではありません。
例: 件名に「注文について」という文字列を含む問い合わせメールを、自動で「注文」というラベルに仕分けたい場合。
Gmail公式ヘルプによると、フィルタの作成方法は2通りあります。
- 検索ボックスの右側にある検索オプション表示アイコンを開き、条件を入力して一度「検索」で結果を確認したうえで、「フィルタを作成」を選び、実行したい動作を選択する方法。
- 対象のメールのチェックボックスをオンにし、その他アイコンから「メールの自動振り分け設定」を選ぶ方法。
今回は1つ目の方法で進めます。
- 検索ボックスの検索オプション表示アイコンをクリックします。
- 「件名」の欄に `注文について` と入力します。
- 「検索」を押して、意図した問い合わせメールだけが表示されるか確認します。ここで関係のないメールが混ざっていたら、条件を見直してから次に進みます。
- 「フィルタを作成」を選びます。
- 動作の一覧から「ラベルを付ける」にチェックを入れ、「注文」という名前の新しいラベルを選択(なければ作成)します。
- 「フィルタを作成」を押して確定します。
これで、以後「注文について」という件名の新着メールには自動的に「注文」ラベルが付くようになります。受信トレイで `label:注文` と検索すれば、注文に関する問い合わせだけを一覧表示でき、どれに返信したか・していないかを目で追いかける必要がなくなります。
この手順だけでも、1種類の問い合わせを仕分けることはできます。
しかし実際の現場では、「不具合の問い合わせだけを拾いたいが、件名の書き方が担当者によってバラバラ」「複数の窓口を1人で見ているので、送信元や宛先も組み合わせて条件を絞りたい」といった、より複雑な仕分けが必要になることがほとんどです。
次の章からは、複数条件を組み合わせたフィルタ設計と、複数担当者で使う場合の運用ルールを扱います。

※ 実際の画面ではなく、ラベルで仕分けが完了した受信トレイのイメージ図です。
4. 複数条件を組み合わせたフィルタを作る
ここからは、複数の条件を組み合わせて、より実務に近い仕分けを作る方法です。
例: 特定の送信ドメイン(架空の例として `@example-shop.jp`)から届くメールのうち、件名に「不具合」または「エラー」を含むものだけを「不具合」ラベルに仕分けたい場合。
検索演算子は組み合わせて使えます。
この例では次のような条件文字列になります。
from:@example-shop.jp AND (subject:不具合 OR subject:エラー)
`from:` でドメインを指定し、`AND` で「かつ」の条件をつなぎ、`OR` でどちらかの件名に一致すればよいことを表しています。この条件を検索ボックスに入力して「検索」で結果を確認し、意図どおりのメールだけが表示されたら、前章と同じ手順で「フィルタを作成」からラベル付けの動作を設定します。
複数条件を組み合わせるときにつまずきやすいのが、「最初から厳密な条件を作ろうとして、1件もヒットしない」というケースです。対処の考え方はシンプルで、まず `from:@example-shop.jp` のような広い条件だけで検索し、ヒットする母集団を確認してから、`AND subject:不具合` のように条件を1つずつ足して絞り込んでいきます。条件を足すたびに検索結果を確認すれば、どの条件で意図しないメールが混ざった(または消えた)かがすぐに分かります。
不要なメールを除外したい場合は `-`(マイナス)を使います。例えば「不具合」という件名でも、社内メールマガジンの「不具合情報まとめ配信」のようなメールを除外したいなら、次のように書けます。
from:@example-shop.jp AND subject:不具合 -件名:まとめ配信
このように、`from:` `subject:` `AND` `OR` `-` を組み合わせることで、1つの単純な条件では拾いきれなかった問い合わせを、実務の粒度で仕分けられるようになります。
5. 問い合わせ種別ごとの共有ラベル命名ルール
複数の担当者で同じGmailアドレスを使う場合、各自が思いつきでラベルを作ってしまうと、「注文」「ご注文」「注文関連」のように似たラベルが乱立し、かえって何がどこにあるか分からなくなります。
これを防ぐために、ラベル名の命名ルールをあらかじめ決めておくことをおすすめします。
以下は、Google公式のテンプレートではなく、本記事がフィルタ・ラベル機能を組み合わせて設計した実践例(架空のサンプル)です。
自分のチームの実情に合わせて調整してください。
命名ルールの例: `種別/優先度/担当チーム` の順でラベル名を組み立てる。
| ラベル名(サンプル) | 意味 |
| `問い合わせ/高/注文チーム` | 注文に関する問い合わせのうち、優先度が高いもの |
| `問い合わせ/中/サポートチーム` | 不具合に関する問い合わせのうち、優先度が中程度のもの |
| `問い合わせ/低/総務チーム` | その他の問い合わせのうち、優先度が低いもの |
ラベルは親子関係を持たせる「ネスト」ができるため、`問い合わせ` を親ラベルにして、その下に `注文` `不具合` `その他` を子ラベルとしてぶら下げる構造にすると、左側のラベル一覧が整理されて見やすくなります。ネストさせるには、ラベルの編集画面で「次のラベルの下位にネスト」のチェックボックスをオンにします(Gmail公式ヘルプに記載)。
ラベルの色分けも活用できます。
Gmailではラベルに対して最大100個のカスタム色から選べるため(Gmail公式ヘルプに記載)、例えば「優先度高」を赤系、「優先度中」を黄系、「優先度低」を灰色系に統一しておくと、受信トレイを開いた瞬間に目で優先度を判断できます。
なお、ラベルは1アカウントあたり最大5,000個まで作成できます(Gmail公式ヘルプに記載)。
実務でこの上限に達することはまれですが、命名ルールを決めずに増やし続けると管理が煩雑になるため、チームで使うラベルは「種別」「優先度」「担当チーム」のように軸を決めてから作ることをおすすめします。
6. 対応期限超過に気づくエスカレーション基準表
ラベルを付けるだけでは、「ラベルは付いているが、実は3日間誰も返信していない」という見落としは防げません。ここでは、`label:` 演算子と日付条件を組み合わせて、対応が遅れているメールに気づく方法を紹介します。
例えば、「不具合」ラベルが付いているメールだけを一覧にしたい場合、検索ボックスに次の条件を入力します。
label:不具合
この検索結果は、受信した日時の新しい順に並びます。並び順をそのまま使い、一覧の下側(日時が古いメール)に残っているものほど対応が遅れている可能性が高いと判断できます。本記事で提案する運用は、この `label:` の検索結果を毎日決まった時間に開き、一覧の古い側から順に対応済みかどうかを目視で確認するというものです。Gmail自体に「超過日数」を自動判定する機能があるわけではないため、確認作業そのものは人が行う必要があります。
以下は、Google公式のテンプレートではなく、本記事が提案する架空のエスカレーション基準表のサンプルです。
| 優先度(ラベル例) | 対応期限の目安 | 期限超過時に共有する相手(サンプル) |
| `問い合わせ/高/...` | 当日中 | チームリーダー(架空の例: 佐藤さん) |
| `問い合わせ/中/...` | 翌営業日中 | 担当チームの朝会 |
| `問い合わせ/低/...` | 3営業日以内 | 週次の棚卸しミーティング |
この基準表自体はGmailの機能ではなく、チームの運用ルールとして別途ドキュメント化しておくものです。
基準表とラベル運用を組み合わせることで、「ラベルは付いているが対応が止まっている」状態を、日々の確認作業の中で見つけられるようになります。
担当者の引き継ぎ時には、`label:` で該当ラベルのメール一覧をそのまま後任者に共有できるのも、ラベル運用のメリットです。個別のメールを転送してリストを作り直す必要はありません。

※ 架空の担当者・ラベルを使った、複数担当者でのラベル共有イメージ図です。
7. よくある失敗と戻し方、早見表とまとめ
最後に、フィルタとラベルを設定する際によくある失敗と、その対処法をまとめます。
失敗1: フィルタを作成したのに、期待したメールにラベルが付かない
条件が意図より狭すぎる、または広すぎることが原因であることが多いです。
フィルタを作成する前に、必ず検索ボックスで条件を入力して「検索」を実行し、意図どおりの結果が表示されるか確認してから「フィルタを作成」に進んでください。
既にフィルタを作成済みで様子を見たい場合も、同じ条件を検索ボックスに入力して結果を確認すれば、原因の切り分けができます。
失敗2: フィルタ作成前に届いていた過去のメールにラベルが付いていない
フィルタは基本的に新着メールに適用される設定です。
過去のメールにラベルを付けたい場合は、同じ検索条件を検索ボックスにもう一度入力して結果を表示し、該当するメールを選択したうえで、手動でラベルを付ける操作が確実です。
また、自動転送の動作は新着メールにのみ適用され、過去メールには遡及しない点も、Gmail公式ヘルプに明記された仕様として覚えておく必要があります。
失敗3: 条件文字列に個人情報を書き込んでしまう
`subject:` や `from:` の条件には、顧客の氏名や注文番号など、個人情報を直接書き込みたくなる場面があります。しかしフィルタの条件や検索履歴は他の操作でも参照される可能性があるため、個人を特定できる情報を条件文字列に直接書くことは避け、ドメインや定型的な件名の一部など、特定の個人に紐づかない情報で条件を組み立てることをおすすめします。

※ 実際のエラー画面ではなく、フィルタが期待通り動かないときの確認の流れを表した図です。
早見表
| 目的 | 使う機能 | 例 |
| 送信元で絞り込む | 検索演算子 `from:` | `from:@example-shop.jp` |
| 件名で絞り込む | 検索演算子 `subject:` | `subject:不具合` |
| 複数条件を組み合わせる | `AND` / `OR` | `from:... AND (subject:... OR subject:...)` |
| 条件を除外する | `-`(マイナス) | `subject:不具合 -件名:まとめ配信` |
| 自動でラベルを付ける | フィルタ | 検索条件→「フィルタを作成」→ラベルを選択 |
| ラベルを整理する | ネスト・色分け | 親ラベルの下に子ラベルを配置、色を優先度ごとに統一 |
まとめ
Gmailの標準機能であるフィルタ、検索演算子、ラベルの3つを組み合わせるだけで、問い合わせメールを種類ごとに自動で仕分けし、対応済み・未対応が一目で分かる受信トレイを作れます。
まずは単一条件のフィルタから始め、複数窓口・複数担当者で運用する段階になったら、複数条件フィルタ、共有ラベルの命名ルール、エスカレーション基準表を取り入れてみてください。
参考にした公式情報
- メールのフィルタルールの作成 - Gmail ヘルプ: https://support.google.com/mail/answer/6579?hl=ja (確認日: 2026-10-02)
- Gmail の検索を絞り込む - Gmail ヘルプ: https://support.google.com/mail/answer/7190?hl=ja (確認日: 2026-10-02)
- Gmail でラベルを作成、管理する - Gmail ヘルプ: https://support.google.com/mail/answer/118708?hl=ja (確認日: 2026-10-02)
初心者にも分かりやすいAI活用情報をこれからもお届けします。
この記事が少しでも参考になったら、AI実用ラボをフォローしていただけるとうれしいです。
