パートの社会保険料を軽減する「保険料調整制度」が10月に開始。従業員50人以下の会社は、対象かどうかを判定表で確かめてみよう
AI実用ラボ
1. この記事で分かること:保険料調整制度の対象かを判定表で確かめ、案内メモと書類チェックリストまで用意する
自社が対象になり得るかは、まず次の1行から確かめられます。
- 判定表の1行(架空のサンプル): 従業員数(厚生年金の被保険者数)40人 → ○(50人以下に当てはまる)
- 案内メモの1文(架空のサンプル): 「2026年10月から、パート・アルバイトの方の社会保険料の負担を軽くする保険料調整制度が始まりました。」
2026(令和8)年10月から、従業員50人以下の事業主に向けた保険料調整制度が始まりました。
日本年金機構は、新たに健康保険・厚生年金保険の加入対象となる短時間労働者が就業調整せずに働けるよう、事業主が被保険者の保険料を一時的に一部負担することで、通算3年間、被保険者の保険料負担を軽減できる制度だと説明しています。
あわせて、最終的に事業主が納付する保険料は増えないこと、被保険者が将来受け取る年金額にも影響しないことが示されています。
この記事の中心の疑問は「自社は何を確かめればよいのか」です。
パート・アルバイトを雇う小規模事業者にとって知りたいのは、制度の詳細そのものより、自社が対象になり得るのか、従業員に何と伝えるのか、どの書類をいつまでに出すのか、という順番のはずです。
そこでこの記事では、次の6つを手元に残す形にまとめます。
- 確認表: 日本年金機構の記載を、項目・内容・根拠の資料名と短い引用の形で写したもの
- 判定表: 事業所の条件と従業員の条件を、自社の状況と並べて○×で埋めるもの
- 従業員への案内メモ: 制度の概要と同意のお願いを伝える短い下書き
- 申出書類のチェックリスト: 書類名と申出の期限を並べたもの
- 年金事務所への質問メモ: 自分では決められない点を質問として残すもの
- AIチャットの指示文(任意)と、その結果を確認するためのリスト
かかる費用と用意するもの。 費用はかかりません。用意するのは、日本年金機構のページを見るためのブラウザと、自社の状況を手元でメモしたものです。メモする内容は、従業員数(厚生年金の被保険者数)、パート・アルバイトの方の週の所定労働時間、月収の区分、学生かどうかです。AIチャットは無料版で足りますが、必須ではありません。表やメモは手作業でも同じものを作れます。
この記事で判断しないこと。 個別の事業所や従業員についての適用可否、保険料の実際の額、軽減される割合は、公式の記載からは言えないため断定しません。チラシに載っている保険料額は「あくまでもイメージであり、実際の額とは異なる」と明記されているため、この記事でも金額の例は載せません。賃金要件(いわゆる106万円の壁)の扱いも、この記事では判断しません。最新の案内は厚生労働省や年金事務所で確認してください。
根拠について。 この記事の内容は、日本年金機構の特設ページ「保険料調整制度のご案内」(更新日2026年9月11日)と、日本年金機構のチラシ「従業員50人以下の事業主の皆さまへ 2026年10月1日から短時間労働者の社会保険料負担を支援する制度が始まります」に記載された範囲です。確認日: 2026年11月5日時点の日本年金機構の記載にもとづいています。確認表・判定表・案内メモ・チェックリスト・質問メモは、公式の様式や制度そのものではなく、読者が自社の状況を整理するためにこの記事が用意する提案です。

図: 確認の流れです(条件は2026年11月5日時点の日本年金機構の記載)。

うちのパートさんは、この制度の対象になりますか?

事業所の条件と従業員の条件の両方を見る必要があります。この記事の判定表で確かめて、迷う点は年金事務所への質問メモに回しましょう。
2. 日本年金機構の資料から、制度の仕組みを確認表に写す
前章の1行の前提になる部分を、まず確認表に写します。
確認表は「項目」「内容」「根拠の資料名」「原文の短い引用」の4列で作ります。
資料名まで書いておくと、あとで担当者が変わっても、どの記載にもとづいた判断かをたどれます。
引用は長く写さず、その行を説明するのに必要な一文だけにします。
| 項目 | 内容 | 根拠の資料名 | 原文の短い引用 |
| 制度の開始 | 2026(令和8)年10月から始まった | 日本年金機構特設ページ「保険料調整制度のご案内」(更新日2026年9月11日) | 「2026(令和8)年10月から開始する保険料調整制度の概要についてご案内します。」 |
| 制度の目的と仕組み | 新たに健康保険・厚生年金保険の加入対象となる短時間労働者が就業調整せずに働けるよう、事業主が被保険者の保険料を一時的に一部負担し、通算3年間、被保険者の保険料負担を軽減できる | 同上 | 「事業主が被保険者の保険料を一時的に一部負担することで、通算3年間、被保険者の健康保険・厚生年金保険の保険料負担を軽減できる制度です。」 |
| 事業主の最終的な納付額 | 増えない | 同上 | 「最終的に事業主が納付する保険料は増えません。」 |
| 年金額への影響 | 被保険者が将来受け取る年金額にも影響しない | 同上 | 「被保険者が将来受け取る年金額にも影響はありません。」 |
| 対象の従業員① | 週の所定労働時間が20時間以上 | 日本年金機構チラシ「従業員50人以下の事業主の皆さまへ 2026年10月1日から短時間労働者の社会保険料負担を支援する制度が始まります」 | 「週の所定労働時間が20時間以上」 |
| 対象の従業員② | 月収が13万円未満(標準報酬月額でいうと12.6万円以下) | チラシ/特設ページ | 「月収が13万円未満」「標準報酬月額が12.6万円以下の方が対象です。」 |
| 対象の従業員③ | 学生ではない | チラシ | 「学生ではない」 |
| 3条件の関係 | 3つの条件にすべて当てはまる短時間労働者が対象 | チラシ | 「以下の3つの条件にすべて当てはまる短時間労働者が対象です。」 |
| 軽減の終了 | 事業所が制度の利用を開始してから3年が経過した時点で、従業員の保険料の軽減は終了する | チラシ(2ページ) | 「事業所が制度の利用を開始してから3年が経過した時点で、従業員の保険料の軽減は終了します。」 |
| チラシの金額の扱い | チラシの保険料額はイメージで、実際の額とは異なる | チラシ(1ページ) | 「このチラシにおける保険料額はあくまでもイメージであり、実際の額とは異なります。」 |
| 公式ページで最終確認 | 自動停止の条件、対象事業所の詳細、申出書の様式は日本年金機構の別ページにある | 特設ページの関連項目(制度利用の自動停止・停止解除など) | 今回は内容を写さず、確認先として記録する |
表を書くときの注意。 まず、金額の例はこの表に写しません。チラシの金額はイメージだと明記されているので、確認表に数字を入れると、あとで実際の額と混同しやすくなります。次に、自動停止の条件や対象事業所の細かい条件、申出書の様式は日本年金機構の別ページにあり、この記事では内容を確認していないため、条件を書き写さず「公式ページで最終確認」の行にまとめます。賃金要件(いわゆる106万円の壁)の扱いもこの表には入れず、厚生労働省や年金事務所の最新案内で確認する項目として残します。
表現が2通りある行の扱い。 対象の従業員②は、チラシでは「月収が13万円未満」、特設ページでは「標準報酬月額が12.6万円以下」と書かれています。どちらか一方に置き換えず、両方を残してください。同じ条件を違う言葉で説明している可能性がありますが、この記事では互いに置き換えられるとは断定しません。自社の従業員が当てはまるか迷う場合は、判定表に「不明」と書き、年金事務所への質問メモに回します。
この確認表は公式の様式ではありません。 日本年金機構が配布している書式ではなく、読者が自社の整理のために使う提案です。公式の記載そのものを確認したい場合は、特設ページ「保険料調整制度のご案内」とチラシを開いて、表の引用と照らし合わせてください。
ここまでで分かるのは「どんな制度で、誰が対象になるか」です。
事業所の側が対象になり得るかどうかは、この表とは別の条件なので、次の判定表で切り分けます。

図: 保険料調整制度の仕組みです(日本年金機構の記載をまとめた概念図で、金額は載せていません)。
3. 事業所の条件と従業員の条件を、判定表に○×で埋める
判定表の役目は、判断を一つの表に集めて、当てはまる・当てはまらない・分からないを仕分けることです。
○×を付けること自体が目的ではなく、×と不明を次の確認先に振り分けるところまでが1セットになります。
次の表は公式の様式ではなく、この記事のためのラボ独自の編集提案です。
制度の代わりになるものではないので、最終的な判断は日本年金機構のページと年金事務所の案内で行ってください。
以下の記載は、確認日:2026年11月5日時点の日本年金機構の記載にもとづきます。
事業所の条件(4項目)
| 確認する条件 | 公式の記載の要点と根拠 | 自社の状況(記入) | 判定 |
| 従業員50人以下の事業主か | チラシの宛先が「従業員50人以下の事業主の皆さまへ」。従業員数は厚生年金の被保険者数で、フルタイムの人と週の労働時間がフルタイムの3/4以上の人の合計を指す | ○/×/不明 | |
| 2026年10月1日以降に任意特定適用事業所になるか | チラシに「2026年10月1日以降、任意特定適用事業所(労使の合意により、任意で短時間労働者(パート・アルバイト)を加入対象とする事業所)になると対象」と記載 | ○/×/不明 | |
| 今後の適用拡大で短時間労働者が加入対象となる事業所か | チラシに「原則として、今後、社会保険の適用拡大により短時間労働者が加入対象となる事業所が対象です」と記載 | ○/×/不明 | |
| 2026年9月30日以前に任意特定適用事業所になった事業所ではないか | チラシに「2026年9月30日以前に任意特定適用事業所となった事業所は、保険料調整制度の対象外です」と記載。ここは当てはまると対象外になるので、○×の意味が逆になる点に注意 | 当てはまる/当てはまらない/不明 |
「任意特定適用事業所」は、労使の合意によって、本来は加入対象でないパート・アルバイトも任意で社会保険の加入対象にする事業所のことです。
すでにこの形になっているかどうかを、まず自社で確かめます。
従業員の条件(3項目・1人ずつ)
チラシには「以下の3つの条件にすべて当てはまる短時間労働者が対象です」と記載されています。
3つすべてに当てはまるかどうかで判定します。
1つでも欠けると対象になりません。
| 確認する条件 | 公式の記載の要点と根拠 | 該当しそうな従業員の状況(記入) | 判定 |
| 週の所定労働時間が20時間以上か | チラシに「週の所定労働時間が20時間以上」と記載。あわせてフルタイムの3/4未満であることが示されている | ○/×/不明 | |
| 月収が13万円未満か | チラシに「月収が13万円未満」、日本年金機構の特設ページに「標準報酬月額が12.6万円以下の方が対象です」と記載 | ○/×/不明 | |
| 学生ではないか | チラシに「学生ではない」と記載 | ○/×/不明 |
複数のパート・アルバイトがいる場合は、氏名ではなく「パートA」のような呼び名で行を増やし、人数分だけ同じ3項目を確認します。
実在の氏名・住所・賃金額を表に書き残す必要はありません。
判定に必要なのは○×と、判断のもとになった記載です。
適用拡大の時期は、チラシの表で見当をつける
チラシには、今後の適用拡大で対象となる時期が従業員数ごとに示されています。
あくまで見当をつけるための情報で、自社がいつ対象になるかの最終確認は日本年金機構のページと年金事務所に回してください。
| 従業員数 | 対象時期(チラシの記載) |
| 36〜50人 | 2027年10月 |
| 21〜35人 | 2029年10月 |
| 11〜20人 | 2032年10月 |
| 10人以下 | 2035年10月 |
たとえば、架空のサンプルとして「従業員数40人、2026年9月30日時点では任意特定適用事業所になっていない」という会社を当てはめると、次のようになります。
1行目の50人以下は○、4行目は「当てはまらない」なので対象外にはならない、2行目はまだ決まっていないので不明、3行目は36〜50人の欄に当たるため該当しそう、という仕分けになります。
ここで2行目の不明を「たぶん大丈夫」と自分で埋めてしまうと、申出の期限や同意の準備が後ろにずれます。
埋められない欄はそのまま残してください。
×と不明は、質問メモに回す
1行目が○、4行目が「当てはまらない」で、2行目か3行目に当てはまる見込みがあれば、自社は対象になり得るという見当がついた状態です。
チラシは対象になる場合を2つ挙げていますが、自社がどちらに当たるかの最終確認は年金事務所に回します。
×が付いた条件は、その条件を満たす見込みがあるかを事業主として検討する材料になります。
不明は、こちらの資料だけでは決められない項目です。
不明と×は消さずに、年金事務所へ持っていく質問メモ(後の章で作ります)へそのまま書き写します。
質問するときは「従業員数は何人で、任意特定適用事業所になる予定があるかないか」まで添えると、回答が具体的になります。
ここまでで、自社と該当しそうなパートが対象になり得るか、という疑問に○×の形で答えられるようになりました。
ただし○は「対象になり得る」という意味で、対象が確定したわけでも、保険料の額が分かったわけでもありません。
次の疑問は、対象になり得るとして従業員に何をどう伝えるかです。
4. 従業員への案内メモを、AIチャットで下書きする
従業員への案内は、制度そのものを説明する場面と、同意をお願いする場面が混ざりやすいところです。
案内メモに書くのは、次の2つだけに絞ります。
これはラボ独自の編集提案で、公式の文例ではありません。
- 2026年10月から、短時間労働者の社会保険料負担を支援する制度が始まったという概要
- 任意特定適用事業所になるには、同意対象者の2分の1以上の同意が必要で、協力をお願いしたいという連絡
同意対象者とは、チラシによれば厚生年金保険の被保険者、70歳以上被用者および短時間労働者を指します。
誰に同意をお願いするのかを確かめるために使う言葉なので、案内メモにもこの意味で書きます。
書かないのは、個別の保険料額です。
チラシには「このチラシにおける保険料額はあくまでもイメージであり、実際の額とは異なります」と記載されており、実際の額はこの資料からは言えません。
「あなたは月いくらになります」という書き方はしない、と決めてから下書きに入ります。
事業主が最終的に納付する保険料は増えず、将来受け取る年金額にも影響はない、という点は特設ページに記載があるので、概要の一部として触れられます。
AIチャットに貼ってよいもの、貼ってはいけないもの
下書きは、無料版のAIチャットで作れます。
貼るのは仮の名称と空欄だけです。
たとえば「会社の従業員数:【数字を入れる】」「制度の開始時期:【空欄】」「対象になり得る従業員の人数:【数字を入れる】」のように、角かっこの空欄か、架空のサンプルの数字にとどめます。
実在の従業員の氏名・住所・賃金額・マイナンバーは貼りません。
案内メモの下書きに個人情報は不要だからです。
以下は指示文のテンプレートです。
空欄はご自身の状況に置き換えて使います。
あなたは小規模事業者の総務担当者の下書きを手伝うアシスタントです。
パート・アルバイト向けの案内メモの下書きを作ってください。
会社の従業員数: 【数字を入れる】
制度が始まった時期: 【空欄のままにする】
対象になり得る従業員の人数: 【数字を入れる】
同意のお願いの対象: 【空欄のままにする】
守ってほしいこと:
- 個別の保険料額は書かないでください
- 「必ず得をする」「損をしない」など断定的な表現は使わないでください
- 出典が確認できないURLや、制度の説明の追加はしないでください
- 分からない点は【確認中】と書いて残してください
- 最後に、この下書きで確認が必要な点を箇条書きで挙げてください

図: AIチャットへの入力例です(仮の名称と空欄のみのダミー)。

「月にいくら軽くなる」も書いたほうが、従業員に伝わりやすくないですか?

チラシの金額は「イメージであり、実際の額とは異なる」と記載されています。案内メモには個別の金額を書かず、分からない点は【確認中】として残しましょう。
返ってきた下書きを、確認表の引用と見比べる
下書きが出てきたら、そのまま配らずに、前の章の確認表と見比べます。
見る場所は3つです。
1つめは金額です。
具体的な保険料額や「月○円お得」といった数字が入っていたら削除します。
チラシの金額はイメージであって実際の額ではないため、案内に使えません。
2つめは断定です。
「必ず得をする」「加入すれば必ず有利」といった表現は、公式の記載にない言い回しなので削ります。
3つめは出典のない説明です。
機構の記載にない制度説明や、確認していないURL、自動停止の条件などが混ざっていたら、その部分は削って【確認中】に戻します。
このとき、AIの返答が間違っていると決めつける必要はありません。
こちらが空欄のまま渡した項目を、AIが一般的な知識で補ってしまっただけのことがあります。
逆に、こちらが「これで合っている」と思っていた条件が、確認表の引用と食い違って見つかることもあります。
食い違いは、確認表の引用とチラシ・特設ページの記載に戻って、どちらが公式の記載かを確かめます。
下書きのうち、公式の記載と合っている部分はそのまま使えます。
以下は、そうして整えた後の一部を短く抜き出したものです。
これは例であり、実際の配布文そのものではありません。
例:2026年10月から、短時間労働者の社会保険料の負担を支援する制度が始まりました。制度を利用するには、対象となる方の2分の1以上の同意が必要です。ご協力をお願いします。保険料の額や、ご自身が対象になるかどうかは【確認中】です。
この例のように、金額が入らず、同意のお願いが入り、分からない点が【確認中】として残っていれば、案内メモとしての形は整っています。
従業員から質問が出たときに戻る場所
案内メモを配ると、「自分は対象になるのか」「いくらになるのか」と聞かれることがあります。
この2つは、こちらの資料だけでは答えられません。
対象になり得るかは、前の章の従業員の3条件を1人ずつ確認した結果と、事業所側の条件が固まってからでないと言えません。
保険料の額は、そもそもこの資料からは言えない項目です。
答えられないまま推測で答えると、後で訂正が必要になります。
そこで、質問された内容はそのまま年金事務所への質問メモに書き足します。
従業員には「確認して改めて連絡する」と伝え、確認が取れた内容だけを返します。
健康保険組合に加入している場合は、提出方法について各組合に問い合わせる必要があるとチラシに記載されているので、自社がどちらに当たるかも併せて確認しておきます。
ここまでで、従業員に何をどう伝えるか、という疑問に対して、金額を書かず同意のお願いを中心にした下書きと、質問が来たときの戻り先が用意できました。
次の疑問は、実際に出す書類と期限をどう管理するかです。
5. 申出書類のチェックリストと、年金事務所に聞く質問メモを作る
提出物として名前が挙がっているのは3点
チラシ「従業員50人以下の事業主の皆さまへ 2026年10月1日から短時間労働者の社会保険料負担を支援する制度が始まります」の2ページには、提出物として次の3点が並んでいます。
- 任意特定適用事業所申出書
- 同意対象者の2分の1以上の同意を示す書類
- 短時間労働者に該当する方の被保険者資格取得届
これは本文の並びをそのまま写したものです。
どの書類がどの手続きの提出物にあたるかは紙面の配置によるため、ここでは「提出物の書類名の一覧」として扱います。
様式、記入のしかた、提出方法、電子申請が使えるかどうかは、日本年金機構の特設ページ「保険料調整制度のご案内」(https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/hokenryochosei.html)から確認してください。
あわせて、対象事業所の詳細や自動停止の条件も、この案内ページからたどれる別ページで確認する事項です。
以下は、確認日:2026年11月5日時点の日本年金機構の記載にもとづく整理です。
チェックリスト(記入欄つき。当記事独自の整理で、公式の様式ではありません)
| チェック項目 | 公式の記載 | チェック欄 | 社内メモ(記入例は架空) |
| 提出物3点の名前を控えた | チラシ2ページの提出物一覧 | □ | 書類名だけを一行ずつ転記 |
| 開始申出の期限を確認した | 事業所が制度の対象となった日から2年以内 | □ | 起算日が不明 → 質問メモへ |
| 開始申出書の出し方を確認した | 郵送または窓口持参。電子申請不可 | □ | 電子申請は選ばない |
| 同意対象者を確認した | 厚生年金保険の被保険者、70歳以上被用者、短時間労働者 | □ | 該当者を洗い出す |
| 同意の割合を確認した | 同意対象者の2分の1以上 | □ | 人数の数え方を質問メモへ |
| 健康保険組合に加入している場合の提出方法 | 各組合に問い合わせる | □ | 加入の有無を確認 |
期限は「事業所が保険料調整制度の対象となった日から2年以内」です。
ここで止まりやすいのが、自社がいつ「対象となった日」にあたるかです。
この点は今回確認できた記載だけでは決められないので、断定せず質問メモに回します。
申出そのものを出すかどうかを決める前に、期限の起算日を確定させてください。
年金事務所に聞く質問メモ(当記事独自の提案)
質問は「何を決めるための質問か」と「手元に用意する資料」をセットで書くと、聞き忘れが減ります。
次の5つは、どこにも断定できない事項を質問に変換したものです。
社名や日付は架空のサンプル、または空欄のまま使ってください。
質問1:自社はこの制度の対象になるか
- 決めること: 申出の準備に進むかどうか
- 用意する資料: 確認表、判定表、従業員数の数え方のメモ
質問2:自社の「対象となった日」はいつで、2年以内の期限はいつまでか
- 決めること: 社内の申出締め切りをいつにするか
- 用意する資料: 自社が任意特定適用事業所になった(またはなる予定の)時期が分かるメモ
質問3:制度が自動停止されるのはどんな場合か
- 決めること: 「軽減が続く」と従業員に伝えてよいか
- 用意する資料: チラシ2ページ、判定表。条件は別ページにあるため、記事では書きません
質問4:3点の書類の様式と提出先、電子申請の可否
- 決めること: どの様式をどこへ、どの方法で出すか
- 用意する資料: 書類名の一覧、機構のページの印刷
質問5:健康保険組合に加入している場合、どこへ何を出すのか
- 決めること: 加入している組合への問い合わせ内容と時期
- 用意する資料: 加入している組合の名称が分かる資料(従業員の氏名・住所・賃金額は入れません)
相談先は、管轄の年金事務所または社会保険労務士です(相談先の選び方は当記事独自の提案です)。
この質問メモは手書きで十分です。
AIチャットを使う場合も、貼るのは質問文だけで、実在の従業員の氏名・住所・賃金額は入力しないでください。
チェックリストと質問メモは公式の様式や制度の代わりになるものではなく、当記事独自の編集提案です。

図: 判定表と質問メモの記入枠のイメージです(空欄のひな形)。

判定表が×や不明だらけになったら、やり方が間違っているのでしょうか?

間違いではありません。×と不明を質問メモに回して年金事務所に確認するところまでが、この記事の流れです。
6. 確認リストと、うまくいかないときの次の行動
仕上がりを点検する確認リスト
ここまでの作業は、次の6点を見れば点検できます。
- 確認表の各行に、根拠となる資料名と短い引用が入っているか
- チラシの金額は「イメージで実際の額とは異なる」とされているため、それを自社の実際の保険料として書いていないか
- 賃金要件(いわゆる106万円の壁)の撤廃時期を断定した書き方をしていないか。この時期は資料間で記載が異なるため、この記事では扱っていません。最新の案内は厚生労働省や年金事務所で確認する事項です
- 案内メモに、個別の保険料額や「必ず軽減されます」といった断定が混ざっていないか
- 実在の従業員の氏名・住所・賃金額をAIチャットに貼っていないか
- 判定表の「×」と「不明」が、すべて質問メモに回っているか
うまくいかないときの次の行動
- 分からない項目が残ったとき は、日本年金機構の特設ページ「保険料調整制度のご案内」(第5章でリンクを示したページ)とチラシの該当箇所に戻り、資料名と引用を確認表に書き足します。ここで推測で空欄を埋めないでください。
- AIチャットの返答が公式の記載と合わないとき は、その返答を正しいものとして扱いません。機構のページやチラシの原文を基準に照合し、一致しない箇所は公式の記載を採用します。どちらが正しいか判断できない箇所は、判断せずに質問メモへ移してください。
- 自社が対象か判断できないとき は、管轄の年金事務所または社会保険労務士に確認します。対象だと確認できるまでは、従業員に「保険料が軽減されます」と伝えないでください。伝えるのは、制度の概要と同意取得のお願いまでです。
公式に示されていない復旧手順や原因を自分で作る必要はありません。
分からないことは、分からないまま質問として持っていくのが正しい進め方です。
終わりの見分け方
確認表・判定表・案内メモ・チェックリスト・質問メモがそろい、判定の「×」と「不明」が質問メモに集まっている状態が、ひと区切りです。
ここまで来れば、あとは聞くだけの状態になっています。
まだ何も埋まっていない場合は、判定表の1行、たとえば「従業員は50人以下ですか」の行だけを、自社の状況で埋めてみてください。
その1行が、残りの表と質問メモを埋める入口になります。
この記事が少しでも参考になったら、AI実用ラボをフォローしていただけるとうれしいです。初心者にも分かりやすいAI活用情報をこれからもお届けします。
