羽澄唯さん 消費者は「本当の自分」を求めていると話す女性起業家が銀座に店を構えるまで

羽澄唯さん 消費者は「本当の自分」を求めていると話す女性起業家が銀座に店を構えるまで

ビジネスライター

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羽澄唯さんはエステサロンの経営を経て、化粧品やサプリメントを製造・販売する企業の起ち上げに参加し、企画・開発に携わった。2019年にAPB株式会社を設立。美容サプリメントを日本独自の技術で開発し、中国でも販売を展開するなど、スタートアップとして注目を浴びている。

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子供の頃の羽澄唯さんは?

「幼い頃から、ファッション誌を見て、きれいになりたいとよく思っていました」と子供の頃の夢について振り返る羽澄唯さん。現在は経営者として皆を引っ張る立場だが、今とは全く違う性格だったという。

「親に1年間外出禁止されたこともあって、1年間ほぼ自閉症といっていいほどの時期がありました。その時は何もかもがすごく怖くて、誰に対しても恐怖心を抱いていたんです。 その後、海外へ留学したことをきっかけに、環境に応じて性格が大きく変化しました。クラスのリーダーにもなっていました」

留学によって大きく変化し、リーダーシップを発揮するようになった羽澄唯さん。しかし今度は仲間との齟齬(そご)が生じてしまう。

「学級委員をやっていたのですが、自分自身に対して厳しいので、他人にも自分のように完璧であることを求めたのですが、当時は厳しすぎて、他人にプレッシャーや不快感を与えるので、仲間から思いっきり拒否されました」

この気付きが、現在の会社経営にも生かされている。

「自分自身には完璧を求めますが、自分と同じ人はいないですから、みんな違っていいと思うようになりました。みんな違うスキルや技術を持っていて、それを活用してくれればいい。経営者としては、部下にも自分を磨き続けてほしいから、完璧とは言わないまでも、90%には達してほしいです。一緒に仕事をする人には、もし私の会社で働いていなくても、その人の未来のために良い経験にしてほしいといつも願っています」

羽澄唯さんにとっての仕事とは?

羽澄唯さんにとって仕事とは「人生の一部であり、避けて通れない道」だ。だからこそ懸命に取り組みつつも、「楽しく仕事をしたい」と考えている。

「ニーズを感じ、それに応えて、新しい商品を生み出すときに、やりがいを感じて、仕事の満足感がとても高いです。そして人生は結果だけではなく、過程も大切ですから、目標設定して、アプローチし、達成するというすべてのプロセスを楽しみたい。経営者としても、まだまだ成長したい分野がたくさんあります」

羽澄唯さんにとって、経営者とはどのようなものか?

「経営者は、一緒に働く人の手をつないで、決まった方向へ進む人のことだと思います。だから私は、失敗を恐れずに、失敗から学び、みんなで一緒に成功体験を重ねて、大きな成功につながることを目指しています」

だから社員のことは大切にしたい。

「女性が働きやすく、第二のホームであるように、社員たちが働きやすいようにしていきたいです」

「理想の経営者は稲盛和夫さん」と羽澄唯さん

「先駆者として尊敬しています。日本の経営の第一人者で、破綻した日本航空を引き受け、会長に就任し、2011年までわずか424日で再建を果たした。 1年間でJAL史上空前の1884億円の利益を生み出した。 成功とは、一言でいえば試練です。成功も失敗も試練の連続だと信じています。 成功して偉くなったと思い、その態度がいやらしくなり、人間性が低下する人もいれば、成功して自分の力だけではできなかったと思い、さらに努力し、人間性を高める人もいます。 そして、真の勝者は、成功しても失敗しても、その機会を生かして、純粋で美しい心を磨くことができるのです」

経営者としての羽澄唯さんにとっての夢は?

現在の経営者としての夢は、「起ち上げた会社を美容サプリメーカーのリーダー企業にすること」だ。

「誰もが手に入れやすい製品を提供し、誰もが簡単に美しく健康になってほしいと思い、起業しました。これまでもこれからも目指すのは、『身体の中からキレイになれる製品』です。海外では製品が完成したら十分なテストもせず、すぐに販売してしまいますが、当社の製品は効果を追求し、長い時間をかけて完成させたものばかりです」

エステサロンに施術に行けないという人も挑戦しやすく、誰もが簡単にキレイをかなえられる製品を届けたい。

先般発売したサプリメントは、美肌効果だけではなく免疫力にアプローチするなど大好評だった。無味無臭の粉末サプリメントで、飲料だけではなく料理にも混ぜられるよう、取り入れやすさにもこだわった。

「消費者が 『本当の自分』を求めるようになった今、ビューティーケアーは消費の早い商品になっています。 『美』がトレンドだった昔と違い、現代人は自分自身の美しさを見つけることに重きを置いています。お客様一人ひとりを最高に美しくすることが私の一番の目標です。 これからも、もっと良い製品を開発し、皆さんのところに届けるように頑張ります」

製品は公式ホームページから購入可能だが、2021年7月に「APB.GINZA」を開店。ブランドの世界観に触れられる店舗に来店し、実際の製品を手に取って選ぶことができるようになっている。

さらに2021年10月には、代表商品で「一般貿易許可」を取得。中国の消費者に開発した製品を直接販売することが可能になった。

最先端の情報と商品を提案していける企業に

「美容業界では、現在、国内の人口減や高齢化、インターネット販売の台頭などにより、さまざまな課題を抱え、今までのビジネスモデルが変わりつつあります。しかしながら、人々の『美しさ』への追求は変わらない本質であり、ますますそのニーズは高まりつつあります。こうした時代環境の中、当社では、そういった市場で活躍されているプロフェッショナルに相応しい最先端の『情報』や『商品』を提案していける企業でありたいと日々活動しています。現在の時代にあった、メーカー・代理店・サロンそれぞれが共栄し、役割を果たしていける新しい体制を皆様と築いていきたいと思います」

羽澄唯さんはスタートアップ企業を成長させ、そこから得た経験や人脈を生かし、さらに不動産、EC、美容分野などで新しいプロジェクトを手掛けている。また日中映画祭実行委員会理事を務めるなど、日中の懸け橋としても活躍の場を広げている。

羽澄唯さんが大切にしているのは常にチャレンジすること

次々と新しい世界に飛び込む羽澄唯さんが人生で大切にしているのは、常にチャレンジすることだ。

「人生はつらい時があるから、良くなった時の幸福度があがります。私はチャレンジャーで、すべての経験を大切にしています。失敗も成功も。もしこのインタビューを読んだ人がいたら、新しいことを恐れずに、まずチャレンジしてみてください。人生は山あり谷ありだからこそ、楽しいです」

最後に仕事以外で今したいことを尋ねると、「スカイダイビングをしたいですね。広い空から飛び降りて、美しい大地を見たいです」と答えた羽澄唯さん。

高所から飛び降りるという大きな緊張感と、その後美しい光景が広がるという解放感。そうした特徴を持つスカイダイビングは、挑戦者としての羽澄唯さんの姿と重なった。

プロフィール

羽澄 唯(はすみ・ゆい)APB株式会社代表取締役

2019年9月、APB株式会社を設立。理美容品、化粧品、サプリメント及び健康器具の開発、製造、卸、企画及び販売のほか、美容産業に関するコンサルティング業務、服飾及び服飾雑貨の企画及び販売なども事業として行う。2021年7月に「APB.GINZA」を開店させた。

企業概要

  • 会社名:APB株式会社(英語表記:APB Company Limiited、中国語表記:APB有限公司)
  • 所在地:東京都中央区一丁目18番2号
  • TEL:050-3695-7888
  • 設立:平成31年4月(2019年4月)
  • 資本金:980万円
  • 取引銀行:みずほ銀行 銀座通支店
  • 事業内容:理美容品、化粧品、サプリメント及び健康器具の開発、製造、卸、企画及び販売、美容産業に関するコンサルティング業務、服飾及び服飾雑貨の企画及び販売、輸出入貿易業
  • 取得許認可:化粧品製造販売業許可、一般貿易許可、JFRL成分分析試験許可

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