パーキンソン病認知症(Parkinson’s Disease Dementia)

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
「手が震えるだけの病気でしょ?」と誤解したままでいたい人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
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パーキンソン病と認知症の関係性
パーキンソン病は、主に運動機能に影響を及ぼす神経変性疾患であるが、進行するにつれて認知機能にも障害が現れることがある これが「パーキンソン病認知症」と呼ばれる状態で、病気の後期に発症することが多い
もともとは手のふるえ(振戦)、筋肉のこわばり、動作の緩慢さ、歩行障害などが主な症状だが、数年後に思考の柔軟性が低下したり、物忘れや混乱が目立つようになると、日常生活は一変する 「動けない」と「考えられない」が同時に起きる複雑さが、支援の難易度を大きく上げる
認知機能の変化とその特徴
パーキンソン病認知症では、記憶障害よりも注意力や実行機能の低下が先に現れる傾向がある つまり「覚えていない」というよりも、「何をどうすればいいかがわからなくなる」状態になる 段取りがつかない、物事の順序が乱れる、という日常的な混乱が強くなる
また、視空間認知や判断力も低下しやすいため、物を落とす、転倒する、場所を間違えるといった危険も増える 「しっかりしているようで、どこかおかしい」という微妙な変化に周囲が気づけないと、状態はさらに悪化していく
幻視や妄想への対応
パーキンソン病認知症では、レビー小体型認知症と同じく「幻視」が現れることがある 例えば、いない人が見える、物が動いているように感じるといった現象が、本人にとっては現実のように感じられている
また、「財布を盗られた」「家に知らない人がいる」といった妄想も出現することがあり、家族との関係に深刻なひびが入る 事実確認を求めすぎるとかえって不安を強めるため、対応には細心の注意が必要となる 否定ではなく共感、訂正ではなく安心が求められる場面が増える
本人のもどかしさと精神的負担
運動機能の低下だけでも不自由さは大きいが、そこに「自分で考えられない」「話が伝わらない」といった苦しさが加わると、本人の中に強い自己否定が生まれる 「体も動かない」「頭も働かない」という二重の失敗体験が、自尊心を徹底的に打ち砕いていく
また、周囲がその変化に戸惑ってイライラをぶつけることで、本人はさらに混乱し、心を閉ざす 認知症特有の「わからない自分」と向き合う日々の中で、うつ状態や無気力感が現れやすくなる 病気が進むこと自体より、「それをどう受け止められているか」のほうが精神的影響は大きい
対応のポイントと支援の方向性
パーキンソン病認知症への対応では、身体機能と認知機能の両方を見ながら、生活を「設計」していくことが大切になる 薬の調整はもちろん、生活動線の見直し、日課のシンプル化、誤解を生みにくいコミュニケーションの工夫が求められる
介護者は、本人が混乱しているときこそ「安心感を与える存在」であることが重要だ わかりやすく、穏やかに、説明を繰り返す そして、少しの成功体験でも積み重ねることで、自己肯定感をつなぎとめていく必要がある 「何もできなくなった人」としてではなく、「今できることを一緒に探すパートナー」として関わる視点が不可欠となる
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