「プラス2σにタッチしたら売り、マイナス2σにタッチしたら買い」
「決済はセンターバンド」
これはボリンジャーバンドの使い方として、日本で最も広く語られている手法です。書籍でも、ブログでも、SNSでも、みんな同じように「期間20、偏差2」での逆張りが紹介されていますよね。
ところが、この定番設定が「どの時間足で」「どんな損切りで」「過去何年のデータで」勝てたのかを示した情報は、ほとんど見つかりません。根拠は決まって「セオリーだから」。
そして、定番設定で少し負けが続くと、また別の「おすすめ設定」を探しに行く。そんなパラメーター迷子を、私は20年間ずっと見てきましたし、かつての私自身もそうでした。
本記事では、感想やポジショントークではなく、データで答えを出します。ドル円の過去約20年分のヒストリカルデータを使い、4つの時間足×2つの損切り方式=8条件、合計約39万通りの組み合わせの中から、MT5のストラテジーテスターで最適解を検証しました。
先に大枠だけ言うと、結果は「ほぼ全滅、ただし一部のゾーンだけが明確に勝ち残る」というものでした。そして勝ち残ったゾーンの位置は、定番設定から想像もつかない場所にありました。
この検証で見えた法則は、ボリンジャーバンドに限らず「逆張りという行為そのもの」に応用できるものです。順番にお見せします。
自己紹介
申し遅れました。金子剛と申します。
- 日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト
- FXコンテスト優勝(Forex.com開催)
- 投資関連セミナー講師
- 海外FX業者MYFX Markets様にて記事連載中
- 投資歴約20年。裁量・自動売買、スキャルピングから長期投資まで幅広く経験
これまで数百のEA(自動売買プログラム)を自作しては検証を繰り返してきました。本記事も、この検証のためだけにボリンジャーバンド逆張りEAを自作し、MT5のストラテジーテスターで実施したものです。
検証したロジック
「2σタッチで逆張り」を、バックテストで再現できるよう厳密に定義しました。
- エントリー(買い): ローソク足の終値が設定値のマイナスσバンドを下回って確定したら、次の足で成行買い
- エントリー(売り): ローソク足の終値が設定値のプラスσバンドを上回って確定したら、次の足で成行売り
- 利益確定: センターバンド(移動平均線)へのタッチで成行決済。バンドは動くため、TP指値をローソク足の確定ごとにセンターバンドの値へ更新
- 損切り: 2方式を別々に検証。
【固定SL】エントリーから一定pips
【連動SL】エントリー地点からセンターバンドまでの距離×係数(係数1.0でリスクリワード1:1) - ポジションは常に1つまで。ナンピン・両建てなし。決済後は次のシグナルから再エントリー(クールダウンなし)
- 時間帯フィルターなし。週をまたぐ保有も許可
検証条件
- 通貨ペア: ドル円(USDJPY)• 検証期間: 2006年7月1日〜2026年6月30日(約20年)
- 時間足: 5分足/30分足/4時間足/日足の4本
- 損切り方式: 固定SL/連動SLの2方式(4時間足×固定SLのように、時間足との掛け合わせで計8条件)
- バックテストモデル: 1分足OHLC
- 初期証拠金: 100,000 USD/レバレッジ: 100倍
- 組み合わせ総数: 8条件合計 389,760通り(条件ごとのパラメーター範囲は有料部分の各セクションに明記)
遺伝的アルゴリズムとは?
今回のパラメーター探索は膨大です。これを1つずつ総当たりでテストすると非常に長い時間がかかります。
そこで使うのがMT5に標準搭載されている「遺伝的アルゴリズム」です。生物の進化を模した最適化手法で、仕組みはシンプルです。
- まずランダムに選んだパラメーターの組(=個体)を多数テストする
- 成績の良かった組を「親」として選び、親同士のパラメーターを掛け合わせた「子」を作る(交配)
- 時々ランダムな変化も加える(突然変異)
- この世代交代を繰り返すと、テストが「有望なパラメーター領域」に自動的に集中していく
つまり、有望な領域を絞り込んでバックテストできるということです。
合格の判定基準(全条件で固定)
次の3条件をすべて満たした設定だけを「合格」とします。
- プロフィットファクター(PF)1.2以上: PF=総利益÷総損失。1.0超で黒字ですが、1.2以上でようやく実戦を検討できる水準です
- 最大ドローダウン25%以内: 資産の落ち込み幅。25%を超えると精神的に耐えるのが困難です
- 取引回数100回以上: 回数が少ない好成績は「たまたま」の可能性が高く、統計的に信頼できません
さらに、数字が良いだけの「まぐれ当たり設定」を排除するため、パラメーターを少しずらしても成績が保たれるか(ロバスト性)を有料部分で分析します。
検証結果の大枠を、先に正直に公開します
8条件のうち、合格設定が1つでも出たのは4条件。そして、まともな形で勝ち残ったと言えるのは4時間足だけでした。5分足と30分足×固定SL、日足×固定SLは全滅です。
「2σタッチで逆張り」は、多くの人がやっている形のままでは勝てていません。ただし、この検証の価値は「全滅」の側ではありません。無料部分だけでも持ち帰れる発見を2つ公開します。
発見① 定番の「期間20×偏差2.0」は、8条件のどこでも合格しなかった
約20年×8条件の中で、期間20の合格設定はゼロ。偏差2.0ちょうどの合格設定もゼロでした。
世界中の本やサイトが勧めるあの設定は、少なくともドル円の過去20年においては、どの時間足でも、どちらの損切り方式でも、実戦を検討できる水準に届いていません。合格した設定の偏差は、そのほとんどが2.6〜3.4に集中していました。つまり「2σタッチ」では早すぎるのです。
発見② 勝ち残った設定は「約5日〜25日の平均線から大きく離れた瞬間」に集中していた
4時間足では合計29件の合格が出ましたが、そのパラメーターを実時間に翻訳すると、期間30〜150×4時間=約120〜600時間。つまり 約5〜25営業日(約1〜5週間)スケールの平均価格から、2.6σ以上も引き離された「明らかな行き過ぎ」だけを狙った逆張りでした。
しかも、固定SLと連動SLという別々に実行した最適化が、揃って期間115〜125×偏差2.8という同じゾーンに収束しています。
この2つの発見は、実は同じ1つの現象の裏表です。ボリンジャーバンドの逆張りが拾っていた利益の正体は「短期のノイズの反発」ではなく「数日〜数週間スケールの行き過ぎの回帰」でした。だから、短い時間軸の定番設定は機能しない。
では、なぜ短い時間軸ではダメなのか。その答えは1取引あたりの期待利得の数字に、はっきり刻まれていました。この続きと全データは有料部分でご覧いただけます。
有料部分で得られるもの
有料部分では、以下をすべて包み隠さず公開しています。
- 検証データ一覧:8条件すべての最適パラメーターTOP10計80設定+TOP10圏外の合格11設定を表で公開
- 条件ごとのバックテスト設定:パラメーター範囲・刻み幅・組み合わせ数を全公開
- 時間足別の詳細考察:なぜ4時間足だけが勝ち、5分足は惨敗したのか
- ロバスト性(パラメーター安定性)の分析と、カーブフィッティング設定の見抜き方:今回の検証には「数字は合格なのに実戦投入してはいけない設定」が2つ含まれています。その名指しと理由
- ボリンジャーバンドの隠れた上限:「期間の短いボリンジャーバンドでは、高い偏差に物理的に到達できない」という、ほとんど知られていない構造の解説
- 実運用を検討できる第1候補・第2候補の設定: パラメーター・成績数値付きと、それぞれの向き不向き
価格と販売条件
本記事は先着3名様:7,980円、4名様以降:9,980円で販売します。
また、本記事は今後も追加検証を反映していく「育つ記事」です。内容が充実するほど価格を見直す可能性があるため、早めのご購入が最もお得です。
ご購入者は、その後の更新をすべて追加費用なしでお読みいただけます。
2大特典(未購入の方も受け取れます)
特典①【どなたでも】「30分足×固定SL」の生データ(Excel)
本記事を感想付きでXでシェアしてくださった方には、ご購入の有無にかかわらず、全滅だった条件のひとつ「30分足×固定SL」のバックテスト生データ(Excel)をお渡しします。
- テストされた全設定の純損益・PF・最大ドローダウン・取引回数
- 成績上位のパラメーターがどの範囲に分布していたか
私の解釈を挟まず、ご自身の目で確認していただけます。「この組み合わせはやらない」と決められるだけでも、守れる資金があるはずです。
特典②【ご購入者限定】検証EA(.ex5)+全条件の生データ(Excel)
- 【実戦検証用】本検証で使用したオリジナルのボリンジャーバンド逆張りEA(.ex5): ご自身のMT5で同じ検証を再現できます
- 【超詳細】過去約20年分の詳細検証結果データシート(Excel): 8条件すべてのバックテスト生データをお渡しします
私が20年分を回した環境をそのままお渡しするので、次の一手はご自身の手で確かめられます。
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