最近あらゆる診療科において自由診療が広がってきていることを知っていますか?
考えてみれば当たり前の話です。どの診療科にかかる患者さんにおいても悩みはつきものです。
そんな悩みに対する新たな医学的アプローチが自由診療として登場してきます。
例えば、晩婚化の影響で不妊が一般的となり、不妊治療の自由診療が盛んになっていた中で、令和4年4月から不妊治療が保険適応となりましたね。
まず自由診療として治療が存在した後、後追いで保険適応となるのです。
なので、自由診療と保険診療とはあまり大きな違いはないといってもいいかもしれません。
もちろん国のお墨付きという点で信頼性が高いのは保険診療ですけどね。
効果があっても国の医療費が高くなっているせいで保険収載されないものもあるでしょう。
今回は、様々な診療科に存在する自由診療と相場をまとめていきたいと思います。
「え、こんな自由診療もあるんだ」、「この科にもこんな自由診療があるのなんて知らなかったな」という気づきを得てもらえればいいなと思います。
また、最終的に報酬の高い自由診療領域に行くことを想定して、そのためのキャリアを保険診療で構築するというようにキャリア選択にも活かすことができるでしょう。
例えば、不妊治療の自由診療をするために産婦人科専門医をとり、不妊治療の専門家を目指すといったキャリア選択です。不妊治療は今後需要が拡大していくかなり熱い領域ですからね。
開業医であれば、新たな自由診療の導入の参考にしていただければと思います。
まずは保険診療と自由診療の違いから考えてみます。
保険診療と自由診療の違いは?
まずは保険診療と自由診療の違いを確認してみましょう。
図にするとこんなイメージです。
医学的治療がまず存在しています。
その中には、みなさんご存知の通り、クリニックで診察を受けて風邪薬をもらったり、虫垂炎で手術をするといった保険を使える治療、いわゆる保険診療があるのです。
一方、自由診療もたくさん存在します。
美容目的の医療脱毛やレーザー、二重形成術などの美容外科手術を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
また、実は同じ治療でも、ある時には保険診療となり、ある時には自由診療となる場合があります。
例えば、コロナPCR検査は自費で行っているクリニックもあれば保険適応で無料で行っているクリニックもありました。
歯科領域では、歯の歯石とりは保険で行われることもあれば、ホワイトニングなどとセットで美容目的に自由診療で行われることもあります。
また、自由診療と保険診療のどちらにも属さない治療もあります。病気に対する疾患教育や予防の啓発や運動療法などになるでしょうか。
治療にはなるが、お金は取れないものもあるのです。
混合診療とは?
自由診療をする場合、混合診療にも注意する必要があります。
混合診療とは、保険診療と自由診療を組み合わせて医療サービスを提供することです。
日本では混合診療は禁止されています。
例えば、同一疾病に対しての保険診療と自費診療を行った場合、初診に遡り全ての診療が自由診療となり、保険診療の請求は認められなくなります。
クリニックで保険診療と自由診療を提供している場合は、注意が必要です。
Q2.いまは「混合診療」が認められていないのですか?
A.日本では、健康保険の医療に関する価格を厚生労働大臣が決めています。そして、健康保険の範囲内の診療と範囲を超えた診療が同時に行われた場合でも、平等な医療を提供するために、範囲外の診療に関する費用を患者さんから徴収することを禁止しています。もし、患者さんから費用を別途徴収した場合は、その疾病に関する一連の診療の費用は、初診に遡って「自由診療」として全額患者さん負担となるルールになっています。一連の医療サービスの中で、例外として患者さんから別途費用徴収を行うことが認められているのは、差額ベッド(入院した時の個室代)や新しい高度な医療技術などのごく一部です。出典:日本医師会
⚠️注意事項
・本記事では様々な自由診療を紹介することが目的となります。
・推奨しているわけではなく、エビデンスがあるなしを議論するつもりもありません。
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今回は、美容外科と美容皮膚科領域については大体わかっている方が多い&数が膨大すぎるため、紹介しておりません。
それ以外の診療科を中心に自由診療についてまとめてみました。
放射線科の自由診療まとめ
モヤモヤ血管への運動器カテーテル治療
全国に10院展開されているオクノクリニックが有名です。
慢性疼痛の原因である異常な血管(モヤモヤ血管)を標的として治療をするクリニックになります。
五十肩、腰痛、膝痛、肩こりなどの治りにくい痛みには、異常に増殖した血管と神経が関係しており、これらの余計に増えた神経から痛みの信号が脳に送られることで痛みが起こると考えられているのです。
これらは研究で確かめられており、治療効果の論文がいくつも発表されています。
・動注治療
価格例:片側27500円〜 両側38,500円〜
点滴で用いるサーフローを用いて、手首や足首の動脈に直接注入する。所要時間は5〜10分程度。
・運動器カテーテル治療
価格例:片側324,500円 両側401,500円
モヤモヤ血管の治療のために開発されたカテーテル治療。直径0.6㎜のチューブを使用し、局所に薬剤を注入する。五十肩、肩こりなど様々な関節痛に適応あり。カテーテル治療で用いる薬剤は「イミペネム・シラスタチン」で抗生物質として認可されている物です。溶けにくい性質を利用し異常な血管を詰まらせダメージを与えます。
放射線科のIVRや循環器内科の心カテで経験を積まれた先生が数多く在籍しています。
カテが得意だったり、カテが好きな方におすすめのキャリアです。
代表的なクリニック:
オクノクリニック