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J-OSLERで内科専攻医はどれほど大変なのか取材してみた【体験談あり】

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あなたは”J-OSLER”を知っていますか?

J-OSLERとは、Online system for Standardized Log of Evaluation and Registration of specialty training Systemの略語です。

つまり、”内科専攻医登録評価システム”のことです。

導入の目的は、「医療の質を高めるために、研修履歴や実績を登録し、審査するため」になります。

しかし、調べたところ、J-OSLERの評判はかなり悪いです。

「J-OSLERがきついと聞いたので内科はやめておきます」
「J-OSLERが無理で内科の医局やめた」
「この(忙しい)生活でJ-OSLERやるの無理」

といった研修医や専攻医が増えているらしいです。

実際、上図によると、専攻医数の全体の推移に比べて、内科専攻医の数はやや減少しています。

今回は、J-OSLERとは何なのか、どれくらいきついのかなどを調べたいと思います。また、実際にJ-OSLERに取り組んだ経験のある内科専攻医の方にもインタビューをさせていただきました。

内科に興味がある研修医や医学生の方の参考になれば嬉しいです。

J-OSLERは症例登録と病歴要約がきつい?

J-OSLERの何がきついかというと、症例登録と病歴要約がきついです。

まず症例の登録数が膨大な量になります。

症例登録は、56疾患群・160症例も登録しなければいけません。

病歴要約も29疾患群・29症例と他科に比べて膨大な数です。

症例登録とは、症例について500字以内でまとめ、考察を300字以内で書くというものです。

所要時間は、数十分程度になります。

一方、病歴要約は主訴、現病歴、入院後経過など、症例報告の際の形式に沿って作っていくもので、数時間〜半日かかります。

しかし、どちらも指導医から承認を受けなければいけません。内容が不十分だったり、厳しい指導医や意地悪な指導医だと何度も差し戻しされることもありうるのです。

また、内科専攻医がやるべきことは症例登録と病歴要約だけではありません。

3年間で専門医研修の修了要件を満たすために、専攻医がやるべきことがこちらです。

①症例登録:56疾患群,160症例②病歴要約:29症例③J-OSLERシステムへの登録④年に2回の講習会の受講(3年間で6回)⑤日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会(Japanese Medical Emergency Care Course:JMECC)の受講⑥学会発表または論文発表2回以上⑦内科系の学会に年2回参加(3年間で6回)⑧半年おきの自己評価,指導医評価,360度評価,技能技術評価,1年おきのプログラム評価⑨施設変更前に転出・転入届け,施設変更後に担当指導医の変更⑩4年目の春~夏に内科専門医試験の受験出典:内科専攻医がJ-OSLERを使いこなすために

症例登録と病歴要約以外にも、ICLS講習会の受講や学会発表、学会参加、内科専門医試験の受験などをこなさないといけません。

専攻医なので、研修医とは違って担当患者も多いでしょうし、土日も当直に入ることもあるでしょう。

また、業務のために、教科書や論文を読んだりする必要もあり、日々の臨床業務も忙しいと思います。

そうした中で、平日の業務終了後や土日に症例登録や病歴要約をやらなければいけません。

想像しただけでかなり大変だと感じますね。

内科専門医の取得要件を精神科と比較してみた

内科専門医の取得要件がどれだけ厳しいかと判断するために、精神科と比較してみました。

まず、症例登録についてですが、精神科では32例でいいのに対して、内科専門医では160症例も必要です。

内容についても、精神科は登録するだけですが、内科では症例について500字以内でまとめ、考察を300字以内で書かなくてはいけません。

病歴要約については、精神科は8症例以上でいいのに対して、内科では29症例も必要です。

学会発表や論文発表も精神科1回に対して、内科は2回必要になります。

また、内科では年2回の講習会や学会へ参加しなければいけません。

ICLS講習会の受講も必須です。

以上から、内科専門医の取得要件はかなり厳しいと思います。

J-OSLERを経験した内科専攻医に取材してみた

実際にJ-OSLERを経験した方は、どのように感じたのか、Twitterで言われているようにJ-OSLERはきついのかをJ-OSLER一期生の先生に取材してみました。

内科に進もうか迷っている医学生や研修医の方の参考になるかと思います。

質問内容は、以下の17の質問になります。丁寧にお答えいただけました。

質問内容:

①年齢、医師何年目か?:
②性別:
③診療科:
④医師関係の保有資格(専門医など):
⑤まずJ-OSLERに取り組んだ感想は?:
⑥様々な領域の疾患を経験するため、科のローテーションが必要そうですが、具体的に何科を何ヶ月まわりましたか?:
⑦症例登録と病歴要約がきついと聞きましたが、症例登録には1つあたりどれくらい時間がかかりますか?また、どんなところが大変?:
⑧病歴要約には1つあたりどれくらい時間がかかりますか?また、どんなところが大変?:
⑨症例登録や病歴要約はいつ書いていましたか?平日の業務終了後や休日?:
⑩症例登録や病歴要約で指導医から差し戻しはありましたか?差し戻しは何回くらいありましたか?:
11.研修医の症例は何例くらい使いましたか?上限(症例登録80例まで、病歴要約14例まで)まで使いましたか?:
12.初期研修のうちからJ-OSLERを意識してまわる科を決めたり、症例を集めていましたか?:
13.これからJ-OSLERに取り組む方にアドバイスは?こうしたら効率的にできるとかはありますか?:
14.承認をしてもらいやすい指導医に出すとか裏技的なことはありますか?:
15.J-OSLERに取り組む上で注意点などはありますか?:
16.J-OSLERは内科医になる上で勉強になりましたか?それともならない?:
17.J-OSLERでつらかったエピソードベスト3は?:


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医師です。マッチングや診療科選びにおいて情報がなくてとても苦労しました。私が進路選びにおいて、知り得た知見をまとめています。中には、医師から直接聞いた貴重な情報もあります。ご参考になれば嬉しいです。

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