Codex/ChatGPT最新アップデート解説:iOSアプリ開発プラグイン・利用状況の可視化・ドリーミング記憶の3つをまとめて理解する
AIエージェントチャンネル / Kawaru
OpenAIの新アップデートで「非エンジニアの開発」と「記憶」がどう変わったか
OpenAIのCodex(コードを書くためのAIエージェント)とChatGPTに、短期間でいくつものアップデートが続いています。2日前にWebサイトの開発・共有に関する大きな更新があったばかりで、その2日後にさらに特大の更新が重なった、という流れだと動画では紹介されています。「名前は聞くけれど、結局何ができるようになったのか分からない」という方に向けて、今回追加された機能を、専門用語をそのつど一言で補足しながら、使いどころとあわせて整理します。とくに、非エンジニアの方が開発に踏み出しやすくなった点と、AIの記憶の扱いが変わった点が、今回の大きなテーマです。
この記事でわかること
- CodexのiOSアプリ開発プラグイン(Build iOS)で何ができるようになったか
- プラグインの接続方法と、利用上限を使い切らないための設定の考え方
- デザイン系プラグインを組み合わせて、アプリのUIを先に整える手順
- Codexの利用状況(アクティビティ)を可視化・共有できる新機能
- ChatGPTの新しい記憶の仕組み「ドリーミング」で改善された3つのポイント
1. Codexの「Build iOS」プラグインでスマホアプリを試作する
1つ目はCodexの「Build iOS」プラグインです。プラグインとは、Codexに後から機能を足す拡張のことです。これを使うと、ブラウザ上でiOSアプリを閲覧・テストし、SwiftUI(iOSアプリの画面を作る仕組み)のプレビューを開いて、コードから離れずにホットリロード(変更を即座に反映する仕組み)で編集を確認できる、と動画では紹介されています。2日前にはWebサイトを開発して直接共有できる機能が出ており、その流れで今回はiOSアプリの試作までカバーされた、という位置づけです。
ポイントは、プロンプト(指示文)を送ると右側の画面でプレビューを見ながら修正でき、前回のアップデートで加わった「アノテーション」(画面に注釈を付けながら直す機能)も使える点です。動画では、メモアプリやタイマーのような定番だけでなく、コミュニティ運営用のミニアプリや、既存アプリの不要な部分を削った自分専用アプリなど、身近な業務に紐づく使い方が例として挙げられています。Codexの3,000円ないし1万円以上のプランで作れる、とも触れられています。
使いどころのイメージとして、動画では小規模なコミュニティ運営の例が挙げられています。これまでは専用アプリを作る場合、エンジニアに依頼してまとまった費用がかかり、その分を回収するために利用料が高くなりがちでした。簡単なものであればCodexで作って自分で運営し、機能を追加したくなったらそのまま修正指示を送って足していける、という進め方が示されています。同じ発想で、自分の業務で「こういうアプリが欲しかった」というものや、既存アプリの広告や不要な機能を省いた自分専用版を作る、といった用途にも向いている、と紹介されています。
なお、このBuild iOSプラグインはオープンソースプロジェクトの協力によって実現したもので、関連するソフトウェアが公開されている、と動画では触れられています。大手であるOpenAIがこうした外部の成果も取り入れて機能を組み立てている点に言及があり、開発の裏側を知る材料としても紹介されています。
プラグインの接続手順
「/build」や「@build」と打っても最初は出てきません。プラグインなので、先に接続が必要です。動画で紹介されている流れは次のとおりです。
- 左上のプラグイン欄を開き、検索ボックスに「Bu」などと入力して候補を表示する
- 「Build iOS」にチェックを入れて有効化する(Build macOSやBuild Webなど他のものも、必要に応じて一緒に接続しておく)
- 「チャットで試す」を押すと、Build iOSがチャットに入る
- 作りたいものをプロンプトとして送る。次回以降は「@build」からiOSを選んで呼び出せる
速度は標準にし、推論の深さを示す設定はローやミディアムにしておくと、利用上限を使い切りにくいと紹介されています。動画では、タスクを8個ほど用意してサブエージェント(補助的に動く小さなAI)を7体ほど同時に動かした結果、プラスプランでも短時間で上限に達したと共有されています。注意
なお、複数のサブエージェントを呼び出した場合でも、Codexの画面ではそれぞれの動きを個別に追えるため、何が進んでいるか把握しやすい、という利点も挙げられています。一発で完成形が出るというより、対話と修正、プレビュー確認、テストを繰り返しながら理想に近づけていくイメージで使うのが現実的だとされています。
2. デザイン系プラグインでUIを先に整える
アプリは見た目(UI)が重要ですが、Codexに「アプリを作って」とだけ伝えると、シンプルな見た目で出てくることが多いと紹介されています。そこで、2日前のアップデートで連携できるようになった「プロダクトデザイン」と「クリエイティブプロダクション」というプラグインを使う方法が示されています。これらは、Canva(キャンバ)やFigma(フィグマ)といった外部ツールやスキルと連携し、ゼロから、あるいは下地から、デザインを作ってくれるものだと説明されています。
従来は、ChatGPTで画像を作り、Canvaで編集し、Figmaで形にする、と工程を分けて進めていたものを、1つのプラグインの流れでまとめられる、というのが利点です。動画では、まずこれらでUI(最初のデザイン)を整え、それをもとにアプリ本体を作る順番が、個人的に正しい手順だと紹介されています。さらに、コンピュータを操作させる機能(コンピューターユース)で開発を任せたり、OpenAIの開発者向け機能からAPI(外部サービスの機能を呼び出す仕組み)を取得して組み込んだりと、連携の幅が広いことにも触れられています。
つまり、デザイン用のプラグインと開発用のプラグインを役割分担させ、見た目を先に固めてから中身を作っていく、という分業ができるわけです。Codexに直接アプリを依頼してから少しずつ見た目を直していく方法もありますが、最初にデザインの土台があると、その後の修正指示も具体的になりやすい、という点が紹介されています。手元の目的に合わせて、どこまでを自動に任せ、どこを自分で詰めるかを選べる柔軟さがある、という整理です。
3. Codexの利用状況を可視化・共有できる新機能
2つ目は、Codexのアクティビティ(利用状況)に関する機能です。左下の設定からプロフィールを開くと、これまでのトークン使用状況の表示に加えて、「アクティビティインサイト」と「最もよく使ったプラグイン」が追加された、と紹介されています。トークンとは、AIが処理する文章のおおよその単位のことです。何をどれだけ使い、一番使っているものは何か、を一目で把握できるようになっています。
たとえば、出力が速くなる代わりにクレジット(利用枠)を多く消費する「ファストモード」をどれくらい使っているか、スキルやプラグインをどれだけ使っているか、といった情報が表示されます。動画では、これを見て使いすぎている部分を把握し、次回以降は節約する、というクレジット管理に役立てられると説明されています。さらに、このスクリーンショットをCodexに渡し、「ここを節約してほしい」と伝えると、Codexがその使用状況を記憶・保存して反映してくれる、という活用法も挙げられています。
プロフィールは初期設定では非公開で、右上のシェアから公開範囲を選べます。シェアを押すとアクティビティのカードを保存・ダウンロードでき、そのままSNSやXに投稿することもできる、とされています。自分の利用量を共有したい場合に使える一方、見せたくないときは非公開のままにしておける、という設計です。動画では、これ自体は大きな機能ではないものの、細かい部分まで継続的に改善されている例として紹介されています。日々の使い方を振り返り、どの機能に偏っているかを把握する習慣づくりに役立てられそうです。
4. ChatGPTの新しい記憶「ドリーミング」
3つ目はChatGPT側のアップデートで、メモリ(会話を覚えておく機能)を強化する「ドリーミング」です。動画では、これまでのメモリ機能が3段階で進化してきた、と整理されています。古い段階では「覚えておいて」と伝えた内容をずっと保持するため、たとえば「5月に北海道へ行く」と伝えると、その後もずっと北海道にいる前提で答えてしまう、という課題がありました。古い情報を更新せず、最新の状況に合わせにくかった、という点です。
次の段階では、過去のセッション(会話のまとまり)も記憶できるようになり、「覚えておいて」と毎回言わなくても、過去のログを参照して答えてくれるようになりました。ただし、古い情報に引っ張られたり、文脈をうまく引き継げず、回答がまとまりにくいことがあった、とされています。そして3段階目の「ドリーミング」で、文脈を引き継ぐ・好みや制約に従う・古い情報を更新する、という3点が改善された、と紹介されています。
「ドリーミング」は、人が眠っている間に不要な情報を捨てて必要な情報を残すように、AIも時間の経過とともに情報を取捨選択する、という発想だと説明されています。これにより、たとえば過去に伝えた旅行の予定を、後から別の場所の計画を立てるときに引きずらず、現在の前提に合わせて答えられるようになった、とされています。動画では、文脈を引き継ぐ性能が比較で41.5%から82.8%へ、好みや制約への対応が31.4%から71.3%へ、時間の経過に関する反応が9.4%から75.1%へ改善した、という数値が紹介されています(いずれも動画内で示された値です)。
この「時間の経過を理解する」という点が、今回の更新でとくに大きいと動画では位置づけられています。具体例として、来月の旅行を覚えてもらった場合でも、その月を過ぎれば「もうそこにはいない」と判断し、別の場所の旅行計画を頼んだときには現在地を起点に答えてくれる、という挙動が紹介されています。古い情報をいつまでも前提にしないことで、的外れな回答が減る、という整理です。一方で、より人に近い振る舞いに感じられる分、扱う側も内容を把握しておきたい、という視点も語られています。
イメージとしては、ChatGPTの中に自分用のメモやノートのような記録が入り、そこを参照しながら自分の好み・特性・趣味に合わせて答えてくれる状態に近い、と動画では説明されています。これがさらに進めば、利用者ごとに最適化されたChatGPTのような使い方に近づいていくのではないか、という見通しにも触れられています。ただし現時点の比較数値や将来像はあくまで動画内で示されたものであり、実際の使い心地は自分の用途で確かめるのがおすすめです。
あわせて、ChatGPTが自分について把握している内容は「メモリー要約ページ」で確認でき、誤りの修正・追加・削除もできる、と紹介されています。記憶が自動で増えていく仕組みである以上、こうして中身を点検できる導線があるかどうかは大切なポイントです。ただし、この機能はまず米国のプラスプランとプロプランに提供されており、他国やフリープランなどには順次展開予定だ、と動画では説明されています。手元の環境でまだ使えない場合は、提供を待つ形になります。
まとめ
今回のアップデートは、(1) CodexのBuild iOSプラグインでiOSアプリを試作・プレビュー・修正できるようになったこと、(2) デザイン系プラグインでUIを先に整えてから開発に入れること、(3) Codexの利用状況を可視化・共有できること、(4) ChatGPTのドリーミングで記憶の取捨選択が改善されたこと、の4点に整理できます。まずはプラグインを1つ接続して小さなアプリを試作してみる、あるいはChatGPTのメモリー要約ページを開いて自分の記憶を確認してみる、といった小さな一歩から触れてみるのがよさそうです。なお動画では今後さらに新しい発表がありそうだ、とも触れられています。
動画でも詳しく解説しています
本記事はYouTube動画『AIエージェントチャンネル / Kawaru』の内容を要約・再構成したものです。実際の操作画面や細かいニュアンスは動画の方がわかりやすいので、あわせてご覧ください。
▶ 動画はこちら:https://youtu.be/VoFvpYWDJr8
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