「何を発信すればいいかわからない」と、投稿画面を閉じてしまう。
AIにテーマを聞いてみても、もっともらしい答えは出てくるのに、自分の言葉だとは思えない。
そんな人のために作りました。
この教材で目指すゴール
この教材は、SNS運用全般を教えるものではありません。
フォロワーの増やし方、バズ投稿の作り方、アルゴリズム攻略、収益化の細かな方法までを網羅する教材でもありません。
今回扱うのは、もっと手前です。
そもそも私は、誰に向けて、何を、どんな考え方で発信するのか。
ここを決めることに集中します。
最終的には、あなた自身の言葉で、
私は【誰】に向けて、【どんな考え方・テーマ】を発信し、【どんな変化】を届ける人なのか
を一文で説明できる状態を目指します。
この一文ができれば、明日からすべてが自動的にうまくいく、という話ではありません。
発信は実際にやってみなければわからない部分もありますし、続ける中で考えが変わることもあります。
ただ、判断軸があるのとないのとでは、発信のしやすさは大きく変わります。
「今日は何を書こう」と毎回ゼロから考えるのではなく、「これは自分の発信軸に合っているか」と考えられるようになるからです。
何者かになるまで待たなくていい
発信に踏み出せない人の中には、
「もっと実績ができてから発信しよう」
「もっと詳しくなってから発信しよう」
「もっとちゃんとした肩書きができてから発信しよう」
と考えている人も多いと思います。
その気持ちはよくわかります。
私自身も、周りに自分より実績のある人がたくさんいる中で、
「今の自分が言っていいことなんてあるのだろうか」
と考えていました。
でも今は、少し考え方が変わりました。
「何者かになってから発信するのではない。発信しながら、何者かになっていけばいい」と思っています。
もちろん、知らないことを知っているふりをする必要はありません。
未経験なのに専門家を名乗る必要もありません。
ただ、以下のことを自分の立場を偽らずに発信することはできます。
- 今まで経験してきたこと
- 今わかっていること
- 今考えていること
- 今取り組んでいること
- これから深めていきたいこと
発信するからこそ、自分の考えが整理されます。
誰かから反応をもらうことで、「ここはもっと深く考えてみよう」と思うこともあります。
発信を続ける中で、読む本が変わったり、学ぶテーマが変わったり、仕事につながったりもします。
そうやって、発信が自分自身を育てていくこともあるのです。
だからこの教材では、「完成されたあなた」を探しません。
今のあなたの中にあるものと、これからなりたいあなたの両方を材料にしていきます。
「何を発信すればいいかわからない」は、ネタ不足の問題ではありません
「何を発信すればいいかわからない」
SNSで発信を始めようとした人なら、一度はこの悩みにぶつかったことがあるのではないでしょうか。
私自身もそうでした。
Webライター向けに発信を始めたころ、私は何を言えばいいのかわからず、かなり悩んでいました。
- 自分より実績のある人はたくさんいる
- ライター歴が長い人もいる
- 自分より稼いでいる人もいる
- 文章術について詳しい人もいる
- 案件獲得について詳しい人もいる
そんな人たちの発信を見れば見るほど、
「この中で、私がわざわざ発信する意味はあるのだろうか」
という気持ちが強くなっていきました。
もちろん、投稿のネタがまったくなかったわけではありません。
ライティングや案件獲得、副業について書くこともできました。
でも、どこかしっくりこないのです。
「たしかに間違ってはいない。でも、これって別に私じゃなくてもいいよな」
そんな感覚がずっと残っていました。
もし今、あなたが似たような状態にいるなら、最初に一つお伝えしたいことがあります。
何を発信すればいいかわからないとき、足りないのは「投稿ネタ」ではないことが多いです。
本当に足りないのは、
自分の中にある経験・価値観・違和感と、発信テーマのつながり
なのだと私は思っています。
ネタがないのではなく、「自分と発信がつながっていない」
たとえば、SNS発信について調べると、たくさんの情報が見つかります。
- ターゲットを決めましょう
- ペルソナを設定しましょう
- 専門性を作りましょう
- 有益な情報を発信しましょう
- ポジショニングを決めましょう
- 発信ジャンルを絞りましょう
どれも大切な話です。
でも、発信初心者だったころの私が本当に知りたかったのは、そこではありませんでした。
「ターゲットが大事なのはわかった。でも、私は誰をターゲットにすればいいのか」
「専門性が大事なのはわかった。でも、私には人に教えられるほどの専門性なんてあるのか」
「発信テーマを絞るのが大事なのはわかった。でも、何を基準に絞ればいいのか」
こういうところで止まってしまうのです。
つまり、知識が足りないというより、
一般論を自分に当てはめる方法がわからない
という状態です。
これは、地図を渡されているのに「現在地」がわからない状態に少し似ています。
目的地までの道順がどれだけ詳しく書かれていても、自分がどこに立っているのかわからなければ、最初の一歩を選べません。
SNS発信でも同じです。
「発信はこうするといい」という情報はたくさんあります。
でも、自分がこれまで何を経験し、何に悩み、何を大切にしてきたのか。
自分はどんなことに違和感を持つのか。
どんな人を見ると「昔の自分みたいだな」と感じるのか。
これからどんな人になっていきたいのか。
そうした「現在地」が整理されていないと、発信テーマはなかなか自分の言葉になりません。
それを一緒に見つけていきましょう。
AIにインタビューしてもらう
この教材ではAIも使います。
ただし、ここでAIを使う目的は「発信テーマを決めてもらうこと」ではありません。
自分一人では見落としやすい経験・違和感・価値観を、質問によって可視化することです。
具体的な使い方は第3章で詳しく扱います。
まずここでは、
AIに正解を聞くのではなく、AIとの対話で自分の答えを見つける。
という前提だけ持っておいてください。
たとえば、「私におすすめの発信テーマを考えてください」とAIに答えを作ってもらうことはしません。
なぜなら、それだけでは自分らしい発信軸になりにくいからです。
たとえば、「43歳女性、副業Webライターです。おすすめの発信テーマを教えてください」と聞けば、
- 40代からの副業
- Webライティング
- AI×Webライティング
- 会社員から始める副業
のような案は出てくると思います。
どれも間違いではありませんが、どこかで「これ、別に私じゃなくてもいいよね」と感じるのではと思います。
それは当然です。
AIに渡している情報が、
- 年齢
- 職業
- 副業内容
くらいしかないからです。
- あなたが過去に何で悩んだのか
- 何に強く違和感を持ったのか
- 誰かに何を相談されたのか
- どんな仕事をしてきて、そこで何を学んだのか
- 今後どんな人になりたいのか
そこまでAIは勝手には知りません。
だからこの教材では、AIを「回答者」ではなく、あなた自身もまだ気づいていない経験や考えを掘り出すインタビュアーとして使います。
実は私自身も、AIと対話しながら世界観や今後の発信について整理する中で、自分の軸が見つかった経験があります。
AIが外から正解を持ってきたわけではありません。
もともと自分の中にあった考えを、質問され、言葉にし、また質問される中で整理していった結果です。
私は、この使い方のほうが発信には向いていると思っています。
AIに自分の代わりをしてもらうのではなく、
AIとの対話を使って、自分の言葉を取り戻す。
これが今回の重要な考え方です。
途中で何度も立ち止まり、自分の経験を書き出し、AIと対話し、言葉を直しながらワークを進めてほしいと思っています。
この教材で大切にすること
- 発信は見栄えのためではなく、誰かの悩みを軽くするために行う
- 実績の大きさだけで、人の価値を決めない
- 失敗や迷いも、整理すれば他の人の役に立つ
- AIは便利に使うが、判断まで任せない
- 無理に尖るより、自分が責任を持って言えることを選ぶ
- 完璧に決めてから始めるのではなく、小さく試して育てる
途中で迷ったら、これらの方針へ戻ってきてください。
そして、ワークを進めるにあたって、3つだけ約束してほしいことがあります。
1. 「たいしたことない」で消さない
ワーク中に出てきた経験を、自分で採点しないでください。
「こんなの普通」
「誰でも知っている」
「実績と呼べるほどではない」
と消したくなることがあると思います。
でも、価値があるかどうかは「誰に届けるか」と組み合わせるまで判断できません。
まず残してください。
2. AIの言葉を、自分の言葉だと思わない
AIがきれいな一文を出しても、違和感があれば採用しなくてかまいません。
AIはあなたの代わりに人生を解釈する人ではなく、あなた自身が解釈するための補助です。
3. 最初のコンセプトを「完成品」にしない
最初に作るコンセプトは、発信を始めるための仮説です。
実際に発信して初めて見えることがあります。
この教材のゴールは、一生変えない肩書きを作ることではありません。
迷ったときに戻れる判断軸を持って、発信を始めることです。
この教材の全体像
この教材は全6部、14章で構成されており、各章にワークを用意しています。
【第1部:材料を集める】
第1章 「強みがない」という思い込みを疑ってみる
第2章 あなたの中に眠る「発信資産」を棚卸しする
第3章 AIに「答え」を聞くのをやめる
【第2部:相手と変化】
第4章 「昔の自分」を探すと助けたい相手が見えてくる
第5章 「どこまで連れて行くか」を決める
【第3部:中心思想・未来・経験】
第6章 発信を尖らせる「極論」を見つける
第7章 過去だけで決めず「未来の自分」から逆算する
第8章 「自分だから言えること」を作る経験の掛け合わせ
【第4部:発信コンセプトを決める】
第9章 「誰に・何を・どんな立場で」を1本につなげる
第10章 AIと一緒にコンセプトを磨く
【第5部:発信へつなぐ】
第11章 コンセプトを発信内容へ落とし込む
【第6部:点検と完成】
第12章 決めたコンセプトは変えていい
第13章 発信軸が決まったあと何が変わるのか
第14章 おわりに
ワークを順番に進めることで、自分だけのコンセプトができていきます。
発信コンセプトは、ひらめきだけで一気に作るものではないと私は思っています。
材料を集めて、眺めて、比べて、言葉にして、少しずつ形にするものです。
この教材を読み進めながら、ぜひ実際に手を動かしてみてください。
読むだけでも考え方は理解できます。
でも、あなた自身の答えは、あなたの中から出してくる必要があります。
ここから一緒に整理していきましょう。
また、発信コンセプト作りをサポートする、2つの特典を用意しました。
特典1:発信コンセプト設計ワークシート
ワークに取り組みやすくする専用シートを、Googleスプレッドシートで用意しました。
空欄を埋めていけばいいので次に、何をやればいいか明確で、簡単に進められます。
回答を整理された状態で手元に残せるのが便利です。
ぜひワークシートに記入しながら、ワークを進めてみてください。
特典2:最初の一歩を決める5日間実践フォローメール
途中で止まってしまわないように、フォローメールをお送りします。
「今日はここまで進めればOK」という目安をお伝えしてくので、ペースの目安としてお使いください。
2つの特典は有料部分の最初に受け取れます。
この教材を購入するか判断してもらえるように、序章から第3章までは無料で公開しています。
無料部分だけでも役立ちますので、ぜひ読んでみてください。
序章:そもそも「発信コンセプト」とは何なのか

「発信コンセプトを決めましょう」
SNSについて学んでいると、こうした言葉を目にすることがあります。
私もよく使う言葉です。
でも、「コンセプト」という言葉は、人によって意味が違います。
ジャンルのことをコンセプトと呼ぶ人もいます。
キャッチコピーをコンセプトと呼ぶ人もいます。
商品の売り方や見せ方まで含めてコンセプトと呼ぶ人もいます。
そのため、まずこの教材でいう「発信コンセプト」が何なのかをそろえておきましょう。
発信テーマと発信コンセプトは違います
たとえば、「私はWebライティングについて発信します」というのは、発信テーマです。
一方、以下のように書くとかなり情報が増えます。
「副業Webライターとして案件が取れず、自信をなくしている初心者に向けて、テクニックだけではなくマインドの大切さを伝え、自分で動ける状態を目指す」
以下のような要素が入っており、単なるテーマではありません。
- 誰向けなのか
- 相手は何に悩んでいるのか
- 相手にどんな変化を届けたいのか
- 自分は何を大切にしているのか
この教材では、発信コンセプトを、
私は、誰のどんな悩みに対して、何を信じる人として、どんな変化を届けるのか
を決めることだと定義します。
発信コンセプトはキャッチコピーとは違います。
もちろん、最後に短い言葉へまとめることは大切です。
でも、先に言葉だけをかっこよくしても、土台がなければ発信は続きません。
たとえば、「自分らしく働く女性を増やす」という言葉はきれいです。
でも、
- 誰のことなのか
- その人は何に困っているのか
- どんな方法で変わるのか
- なぜあなたがそれを言うのか
がなければ、実際に何を投稿するのかは決まりません。
発信コンセプトは、見栄えをよくするための看板ではなく、「何を言うか・何を言わないか」を決めるための判断基準として使えるものです。
コンセプトは「地図」ではなく「方位磁針」
ここでひとつ、私が大切だと思っている違いをたとえで紹介します。
コンセプトを「地図」だと思うと、「一度決めたら、その通りに進まないといけない」と感じるかもしれません。
でも私は、どちらかというと「方位磁針」に近いと思っています。
地図は道を細かく指定します。
一方で方位磁針は、「今、どちらを向いているか」を教えてくれます。
SNS発信では、実際にやってみないとわからないことがたくさんあるものです。
思ったより反応があるテーマもあれば、本人が想像以上に書きづらいテーマもあります。
逆に、軽い気持ちで書いた投稿が「この話をもっと聞きたい」と言われることもあります。
だから最初から完璧な地図を作る必要はありません。
ただし、方向がまったくわからないまま歩くと、毎回迷います。
コンセプトは、その迷いを減らすための方位磁針です。
発信コンセプトを構成する6つの要素
この教材では、発信コンセプトを6つの要素に分解します。
1. 誰に発信するのか
年齢・性別・職業だけでは不十分です。
「どんな状況にいる人なのか」まで考えます。
2. その人は今どこで困っているのか
表面的な悩みだけではなく、その奥にある不安や思い込みも見ます。
たとえば、「何を発信すればいいかわからない」の奥には、
「自分には発信できるほどの価値がない」という感覚が隠れていることがあります。
3. どこまで連れていくのか
その人にどんな変化を届けたいのか。
大きな成功を約束する必要はありません。
あなたが責任を持って届けられる「一歩先」を決めます。
4. 自分は何を信じている人なのか
これがこの教材では非常に重要です。
私はこれを、あとで「極論」と呼びます。
「○○さえあれば何でもうまくいく」
まで言えればいいですし、そこまで言えない場合は
「私はこのテーマでは○○が大事だと思う」
という、あなた自身の判断軸です。
5. どんな方法で変化を起こすのか
同じゴールでも、方法は人によって違います。
今回の教材なら「発信コンセプトを決める」のがゴール。
「AIに答えを作らせるのではなく、AIインタビューで本人の経験や価値観を掘り出す」のが方法です。
6. なぜ自分がそれを言うのか
ここには実績だけではなく、以下のことも入ります。
- 過去の経験
- 失敗
- 別分野で学んだこと
- 長く考えてきたこと
- 自分自身が変わった経験
この「なぜ自分が」があることで、同じテーマでも発信の深さが変わります。
コンセプトの良し悪しは「投稿するときに使えるか」で判断する
コンセプトを考えていると、つい「かっこいいか」「新しいか」を気にしてしまいます。
でも私は、発信コンセプトの一番重要な評価基準は別にあると思っています。
それは、明日の投稿を決めるときに使えるかどうかです。
たとえば、
自分らしく挑戦する人を応援する
という言葉は素敵です。
でも明日、
「転職について書くべきか」
「AIについて書くべきか」
「副業の失敗談を書いていいか」
を判断するときには、あまり使えません。
一方で、
何を発信すればいいかわからない副業会社員に、自分の経験や価値観を発信資産として見直す方法を伝える
まで決まっていれば、
「AIツールランキング」は少し遠い。
「自分の当たり前を棚卸しする方法」は近い。
と判断できます。
私はこれを、コンセプトの実用性と呼んでいます。
この教材では、キャッチコピーとして美しいことより、日々の判断に使えることを優先します。
6つ全部を最初から決めなくていい
ここまで読むと「思っていたより大変そう」と感じる人もいるかもしれません。
でも大丈夫です。
今ここで6つ全部を決める必要はありません。
むしろ、ここから1つずつ作るためにこの教材があります。
最初から完璧な一文を作ろうとすると、多くの人は止まります。
私はコンセプト作りは「彫刻」に似ていると思っています。
最初から完成形が見えているわけではありません。
まず大きな石があります。
そこから、
「これは違う」
「ここは残したい」
「この部分には形がありそうだ」
と少しずつ削っていって、形が定まっていくわけです。
あなたの中にも、材料はすでにあります。
このあとの章で、その材料を一緒に見つけていきます。
ミニワーク
今の時点で仮の一文を書いてみる
まだ完成させなくてかまいません。
今の感覚で、次の一文を埋めてみてください。
私は【 】に向けて、
【 】について発信し、
【 】な状態になってほしいと思っている。
書けなくても問題ありません。
むしろ、どこで止まったかを見てください。
「誰に」が出てこなかったのか。
「何を」が出てこなかったのか。
「どんな変化」が出てこなかったのか。
そこが、これから掘る場所です。
序章の最後に、この教材の進め方を9分弱で解説した動画を用意しました。
本格的にワークに取り組んでいく前に見ておくと、スムーズに進めやすくなります。
それではいよいよ、第1章に入ります。
<第1部:材料を集める>
第1章 「強みがない」という思い込みを疑ってみる

本章で行うワーク1:「強みがない」を疑うための棚卸し
発信に使える経験・当たり前・違和感の候補を見つけます
「自分には強みがないんです」
発信についての相談を聞いていると、この言葉を聞くことがあります。
そして、そう言う人ほど、話を聞いていくといろいろな経験を持っています。
- 会社員を長く続けてきた
- 副業に挑戦した
- 子育てをしてきた
- 転職した
- 人間関係で悩んだ
- 資格の勉強をした
- Webライターとして仕事をした
- AIを使ってみた
でも本人は、
「そんなの、たいしたことではないです」
と言うのです。
私はここに、発信コンセプト作りの大きな落とし穴があると思っています。
私たちは「強み」という言葉を大きくしすぎている
「強み」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。
- 月収100万円
- フォロワー1万人
- 業界歴10年
- 難関資格
- 表彰歴
- 有名企業での実績
- 特殊な専門スキル
こういうものを想像する人は多いと思います。
もちろん、これらはわかりやすい強みです。
実績があることは価値です。
専門性が高いことも価値です。
でも、発信に使える価値は、それだけではありません。
この教材では、強みをもう少し広く考えます。
私は、
強みとは、誰かにとって役に立つ「自分の中にある差分」
くらいに捉えるといいと思っています。
ここで大切なのは、「誰かにとって」という部分です。
強みは自分ひとりでは決まらない
私自身の話をします。
私はWebライターになる前に、コンテンツ販売に取り組んでいました。
講座を受けたり、教材で学んだりしながら、
- 情報発信
- 商品づくり
- コンセプト決め
- LP制作
- 販売
などを自分で経験してきました。
コンテンツ販売は、会社員の仕事とはかなり違いました。
誰かが今日の仕事を決めてくれるわけではありません。
自分で商品を作り、発信し、売り、改善する。
うまくいかなければ、自分で考えてまた動く。
その環境の中で、私は何度も「マインドが大事だ」という考え方に触れてきました。
- 行動できる状態を作る
- 失敗してもいいから小さく試す
- 結果が出るまで改善する
こうした考え方は、私にとってだんだん当たり前になっていきました。
だから、Webライターとして発信し始めたときも、
「マインドが大事」
という考え方を持っていました。
でも、それを強みだとは思っていなかったのです。
なぜなら、自分がいた場所では普通だったからです。
ところが、Webライター向けにいろいろ発信する中で、マインドについて書いた投稿が反応が良いことに気づきました。
そこではじめて、「もしかすると、この視点はWebライターの世界では少し珍しいのかもしれない」と思いました。
コンテンツ販売の世界では当たり前だったことが、Webライターの世界では差分になったのです。
この経験から、私は強みについてこう考えるようになりました。
当たり前に思えても「誰に届けるか」との組み合わせで強みになる。
同じ知識でも、場所が変われば価値が変わります。
同じ経験でも、相手が変われば意味が変わります。
強みは「所有物」ではなく「相手との距離」で生まれる
ここまでの話を整理しましょう。
強みは、自分と相手との間に生まれる差分です。
仮にあなたが10段階で「3」まで経験しているとします。
「10」の人を見れば、自分には何もないように感じるでしょう。
でも「0」や「1」で止まっている人から見れば、3まで進んだときに何につまずいたかを知っているあなたの経験は役に立ちます。
しかも、10まで進んだ人より、3まで進んだばかりの人のほうが「1のとき何がわからなかったか」を鮮明に覚えていることもあります。
私はこれを、発信における距離の価値だと考えています。
一番すごい人でなくてもいい。
相手の少し先にいて、相手がいま見えていない景色をひとつ見せられるなら、発信する理由はあります。
自分の「当たり前」は、毎日かけているメガネに似ている
自分の強みが見えない理由のひとつは、自分にとって当たり前すぎるからです。
たとえば、毎日メガネをかけている人は、しばらくするとメガネそのものを意識しなくなります。
視界の中にフレームがあるのに、脳が気にしなくなるのです。
自分の経験や考え方も、それに似ています。
- 長くやっている
- 何度も考えてきた
- 自然に判断できる
- 人に言われなくてもやっている
そういうことほど、自分では「普通」に見えます。
でも、他の人にとっては普通とは限りません。
面識のない人が多い場でセミナーをしたときのこと
私は以前、面識のない人が多い場で、SNSや情報発信についてセミナーをしたことがあります。
自分としては、これまで仕事の中で考えてきたことや、発信するときに普段意識していることを話しました。
私の中では、そこまで特別な話をしている感覚はありませんでした。
ところが、参加者の方にとっては新しい発見になったことが多かったようで、「すごい!」と言ってもらえて、質問や相談にもつながりました。
そのとき、自分にとっては「当たり前」でも相手にとっては価値になることがあると、あらためて感じました。
発信を始めようとすると、私たちはつい上を見ます。
自分よりすごい人を探します。
そして、「この人がいるなら、自分は必要ない」と思ってしまいます。
でも、発信は「世界で一番詳しい人しかしてはいけないもの」ではありません。
あるテーマについて、少し前の自分よりわかっていること。
別の場所で学んだこと。
自分なりに考えてきたこと。
それを必要としている人がいるなら、届ける意味はあります。
「自分よりすごい人がいる」は発信しない理由にならない
考えてみると、ほとんどの分野に自分よりすごい人はいます。
- 文章
- 料理
- 運動
- 仕事
- 子育
- 投資
- AI
全部同じです。
もし「自分より上の人が一人でもいたら発信してはいけない」とすると、発信できる人はほとんどいなくなります。
重要なのは「自分が一番かどうか」ではなく、「誰に対して、どんな差分を提供できるか」です。
私はこの視点に変わってから、「自分だけの強み」にこだわらなくなりました。
「私には強みがない」と結論を出す前に、「誰に対してなら、この経験は役に立つだろう」と考えるようになったのです。
失敗や遠回りも発信資産になる
強みというと成功体験ばかり探したくなります。
でも、発信に使えるのは成功だけではありません。
むしろ、
- うまくいかなかったこと
- 遠回りしたこと
- 勘違いしていたこと
- 恥ずかしかった失敗
- あのとき知っていれば楽だったこと
には、発信の材料がたくさんあります。
なぜなら、今まさに同じ場所で悩んでいる人がいるからです。
失敗をそのまま見せれば価値になる、という意味ではありません。
大切なのは、「私はこう失敗しました」で終わらず、
「なぜ失敗したのか」
「今ならどう考えるのか」
「同じ状況の人は何を確認すればいいのか」
まで言葉にすることです。
他人の遠回りを減らす知識に変わったとき、失敗は発信資産になります。
強みを探すより、発信する理由を見つける
ここまで読んで「でも、やっぱり自分には大した経験がない」と思うかもしれません。
そのとき、私は「強みを探さなきゃ」と無理に考えなくていいと思っています。
代わりに、「なぜ私は、このテーマについて発信したいのか」を考えてみてください。
- 誰かの役に立ちたい
- 昔の自分みたいな人が遠回りしないでほしい
- この考え方をもっと知ってほしい
- この業界のここには違和感がある
- 自分もこれから学び続けたい
こういう気持ちは、立派な発信の出発点です。
強みを探すより、発信する理由を見つける。
私は、この順番のほうが自然だと思っています。
ワーク1
「強みがない」を疑うための棚卸し
- 手元に残るもの:発信に使える経験・当たり前・違和感の候補
- 所要時間の目安:20分
- ここまでできればOK:8つの問いのうち、答えられるものを3つ以上書けている状態
以下の問いに、思いつくまま答えてみてください。
文章をきれいにまとめる必要はありません。
箇条書きで大丈夫です。
すでにこの教材を購入済みでワークシートが手元にある場合は、そちらに記入していってください。
問1
過去3〜5年で、以前の自分に教えてあげたいことは何ですか?
問2
人から相談されたこと、質問されたことは何ですか?
問3
自分にとっては普通なのに、人から「よくできるね」「詳しいね」と言われたことはありますか?
問4
別の仕事・業界・趣味で学んだことで、今の自分に生きているものはありますか?
問5
過去に失敗したこと、遠回りしたことは何ですか?
問6
その失敗について、今ならどんなアドバイスをしますか?
問7
「多くの人はこう言うけれど、私は少し違うと思う」と感じることはありますか?
問8
これからもっと深めたい、詳しくなりたいテーマは何ですか?
回答例:43歳・副業Webライターの場合
ここからの回答例は、理解しやすくするための架空例です。
問1:昔の自分に教えたいこと
- 最初から得意分野を決めなくてもいい
- 実績が少なくても、経験したことは発信材料になる
- 他人の実績を見て止まるより、小さく発信したほうが自分の得意が見える
問4:別分野で学んだこと
- 会社員生活で、締切から逆算して仕事を進める習慣が身についた
- 子育てを通じて、「完璧より続けられること」の大切さを学んだ
問7:少し違うと思うこと
- 「毎日投稿できる人が強い」と言われるけれど、私は投稿数より「何を伝える人か」が先だと思う
この時点では、「発信テーマはこれ」と決めなくてかまいません。
重要なのは、自分らしい材料が意外とあると気づくことです。
この章のチェックポイント
次のどれかひとつでも見つかれば十分です。
- 自分にとって当たり前になっていた経験
- 別分野から持ち込めそうな考え方
- 昔の自分に教えたいこと
- 失敗から学んだこと
- 他人と少し違う意見
- これから深めたいテーマ
まだ発信テーマにしなくて大丈夫です。
今は材料を見つける段階です。
第2章 あなたの中に眠る「発信資産」を棚卸しする

本章で行うワーク2:発信資産棚卸しシート
8つの領域に分けた、自分の発信資産一覧を作ります
第1章では「強みがないのではなく、自分にとって当たり前すぎて見えていない可能性がある」という話をしました。
ここからは、もう少し具体的に材料を集めていきます。
この教材では、発信の材料のことを「発信資産」と呼びます。
発信資産とは何か
発信資産とは、発信のテーマ、考え方、具体例、ストーリーの材料になり得る
- 自分の経験
- 価値観
- 知識
- 違和感
- 未来像
のことです。
「資産」という言葉を使うと少し大げさに感じるかもしれません。
でも私は、あえてこの言葉を使いたいと思っています。
多くの人が、自分の過去を「ただの過去」として扱っているからです。
- 会社員をやってきた
- 子育てをしてきた
- 副業をやってみた
- 転職した
- 何かの勉強を続けた
- 失敗した
- 別の仕事を経験した
こうしたことを「別に普通です」で終わらせてしまいます。
でも、それらは発信するときの材料になります。
とくに今は、AIが一般的な文章や一般的な解説を作りやすくなりました。
だからこそ、
- あなたが実際に経験したこと
- あなたがその経験から何を考えたか
- どこで違和感を持ったか
の価値は、むしろ上がっていると私は思っています。
AIに一般論を書かせることはできます。
でも、あなたが会社員時代にどこで違和感を持ったのか。
なぜその仕事を続けながら別の道を考えたのか。
失敗したとき、何を怖いと思ったのか。
それはあなたの中にしかありません。
私の経歴も最初は「ばらばら」に見えていました
私自身は、大学と大学院では物理学を学び、その後はメーカーの技術者として働いていました。
そこから個人事業主になり、コンテンツ販売に取り組み、Webライターを経験し、セールスライターとしてLPやメルマガ、セールスレターを書くようになりました。
今は文章そのものだけではなく、情報発信、商品づくり、販売導線まで含めてサポートすることがあります。
こうして並べると、かなりばらばらに見えると思います。
- 物理学
- 技術者
- コンテンツ販売
- Webライター
- セールスライティング
キャリアはきれいな一本道ではありません。
でも振り返ると、私の中には一つ共通しているものがあります。
私は昔から「仕組み」を考えることに関心がありました。
- なぜそうなるのか
- 何が原因なのか
- どこを変えれば全体が変わるのか
技術者のときも、コンテンツ販売をしていたときも、セールスライティングをするときも、この見方は残っています。
そして私は「仕組み2.0」という理念を作りました。
仕組み2.0とは、効率だけを求める冷たい歯車ではない、人の情熱や想いがこめられた新時代の仕組みです。
経歴はばらばらでも、見方や価値観にはつながりがある。
こういうことは、棚卸しをしないとなかなか気づけません。
だから「私は何の専門家だろう」といきなり答えを出すのではなく、まず材料を広げてみることが大切です。
発信資産の8つの領域
この後のワークで、発信資産を8つに分けて考えて、思いつくことをどんどん出していきます。
まだ書き出さなくて大丈夫なので、まずは8つの領域について理解しておきましょう。
全部の領域でたくさん答えが出なくても大丈夫です。
ひとつの領域から強い材料が出る人もいれば、複数の領域の掛け合わせで見つかる人もいます。
1. 過去に悩んだこと
悩みは、発信の非常に強い材料になります。
なぜなら、悩んだ経験がある人は、その状態を具体的に想像できるからです。
たとえば私は、「自分より実績のある人が多い中で、何を発信すればいいかわからない」と悩みました。
だから今、同じ悩みを持つ人が、
- 他人の発信を見て落ち込む
- 投稿テーマが決まらない
- AIに聞いてもしっくりこない
- 「自分が発信していいのか」と迷う
という感覚を想像できます。
問い
- あなたが長く悩んだことは何ですか?
- 何度も検索したテーマは何ですか?
- 人には言いにくかったけれど、実は困っていたことは何ですか?
2. 乗り越えたこと
悩みと似ていますが、こちらは「変化」に注目します。
完全に克服していなくてもかまいません。
- 以前より楽になった
- 以前よりわかるようになった
- 以前より行動できるようになった
それだけでも材料になります。
問い
- 昔よりできるようになったことは何ですか?
- 今の自分なら、昔の自分に何を教えられますか?
- 以前は30分かかっていたのに、今は5分でできることはありますか?
3. 人から相談されたこと
自分では価値が見えない人ほど、人からの相談を見てください。
相談されるということは、少なくとも相手から見ると、
「この人なら何か知っていそう」
と思われている可能性があります。
それは発信資産のヒントになります。
問い
- 仕事でよく聞かれることは何ですか?
- 家族や友人から相談されることは何ですか?
- SNSのDMやコメントで質問されたことはありますか?
4. 長く続けてきたこと
長く続けていることは、本人には普通になっています。
でも、続けた時間の中には判断基準が蓄積されています。
「何を選ぶか」
「何を避けるか」
「どうすれば失敗しにくいか」
こうした判断基準は、発信で価値になります。
問い
- 3年以上続けていることは何ですか?
- 仕事で長く担当してきたことは何ですか?
- 趣味でも、他人より長く触れているものはありますか?
5. 別分野で学んだこと
ここは今回の教材で特に重視したいポイントです。
私の「マインド」の例がまさにそうですが、
Aの世界では当たり前のことが、Bの世界では新しい
ということがあります。
異なる経験を持っている人ほど、別分野での学びが使えます。
問い
- 前職で身につけた考え方はありますか?
- 今の副業とはまったく違う分野で学んだことはありますか?
- 子育て、介護、趣味、勉強、地域活動などで得た考え方はありますか?
6. 自分にとって当たり前のこと
ここは一人では見つけにくい領域です。
だから後ほどAIインタビューも使います。
問い
- 他の人が苦労しているのを見ると「ここを変えればいいのに」と思うことはありますか?
- 説明されなくても自然にやっていることはありますか?
- 人から「そんなところまで考えているの?」と言われたことはありますか?
7. 他人と意見が違うこと
発信の個性は、知識量だけではなく「判断」に出ます。
同じ情報を知っていても、「私はここを重視する」が違えば、発信は変わります。
たとえば私は、
「AIは答えを作るためだけに使うものではない」
「答えを作らせるより質問してもらうほうがいい」
と思っています。
こういう「私はこう思う」が、発信軸につながります。
問い
- 業界でよく言われるけれど、少し違和感があることは何ですか?
- 「そこより、こっちが大事なのでは」と思うことはありますか?
- 自分が人にアドバイスするとき、必ず伝えることは何ですか?
8. これからなりたい自分
発信資産は過去だけではありません。
未来も材料です。
たとえば私は、専用ツールを購入して以来「AI漫画をもっと使いたい」と思っていました。
そこでSNSで、自作の漫画を投稿して練習していました。
そうやって未来に向けて動いていたからこそ、LP制作の仕事で自然とAI漫画を使うことを提案できて、クライアントも乗り気になって実現しました。
この経験からも、今できることだけで発信テーマを閉じなくていいと思っています。
問い
- 3年後、何について詳しい人になっていたいですか?
- どんな仕事をしていたいですか?
- どんな相談を受ける人になっていたいですか?
- どんなテーマなら、今後も学び続けたいと思えますか?
発信資産は「すごさ」ではなく、4つの軸で見る
棚卸した材料から、あとで使えそうなものを選ぶときは、次の4軸が役立ちます。
- 経験性:自分が実際に体験・実践したことか
- 感情性:悔しい、嬉しい、違和感など感情が動いたか
- 支援性:過去の自分や他人の悩みを軽くできそうか
- 継続性:今後も考え、学び、発信したいテーマか
4つ全部が高い必要はありません。
たとえば、今は経験が浅くても継続性が高ければ「未来から育てるテーマ」になる可能性があります。
逆に、経験は豊富でも今後まったく話したくないなら、無理に発信軸にしなくていいと思います。
この4軸を使うと、「実績が大きいものを選ばなければ」という発想から離れられます。
ワーク2
発信資産棚卸しシート
- 手元に残るもの:8つの領域に分けた、自分の発信資産一覧
- 所要時間の目安:30〜45分
- ここまでできればOK:少なくとも3つの領域に、自分の経験や考えを書けている状態
さきほどの「問い」をヒントにして、8つの領域をできるだけ具体的に書き出してください。
1. 過去に悩んだこと
-
-
-
2. 乗り越えたこと
-
-
-
3. 人から相談されたこと
-
-
-
4. 長く続けてきたこと
-
-
-
5. 別分野で学んだこと
-
-
-
6. 自分にとって当たり前のこと
-
-
-
7. 他人と意見が違うこと
-
-
-
8. これからなりたい自分
-
-
-
記入例:発信資産はこうやって見つかる
架空の副業Webライターを例にすると、次のようになります。
1. 過去に悩んだこと
- 初案件が取れない
- SNSで何を発信すればいいかわからない
- 他人の実績を見ると自信をなくす
5. 別分野で学んだこと
- 事務職で「相手が迷わない資料」を作ってきた
- 子育てで予定どおり進まないことへの耐性がついた
7. 他人と意見が違うこと
- 副業は根性より、生活に入れ込める仕組みが重要だと思う
- 発信は専門家になってからではなく、学びながら始めてもいいと思う
8. これからなりたい自分
- AIを使って効率よく文章制作できる人になりたい
- 同じ40代女性が副業で迷ったときに相談される人になりたい
注目してほしいのは、どれも派手な実績ではないことです。
それでも、組み合わせると「忙しい40代女性が、完璧を目指さず発信と副業を続ける」といった方向が見え始めます。
棚卸しをするときの3つの注意点
1. 「すごいかどうか」を評価しない
今は選考ではなく、採集の段階です。
山でキノコを採る前から、「これは高級品か」とひとつずつ値段をつけていたら、なかなか進みません。
今はとにかく材料を集めます。
価値があるかどうかは、あとで「誰に届けるか」と組み合わせて考えます。
2. 経験と解釈を分ける
たとえば、「Webライターを2年やった」は経験です。
「Webライターは文章力より、継続して改善する姿勢が大事だと感じた」は解釈です。
発信軸になりやすいのは、後者です。
経験だけでなく、その経験から何を考えるようになったかも書いてください。
3. 未来を遠慮しない
「まだ実績がないから書けない」と考えず、「これから深めたい」も入れてください。
ただし、今できることと未来に目指すことは区別します。
できないことをできると言う必要はありません。
「私は今このテーマを学び、実践しています」という立場でも発信はできます。
ここまでで答えを決めなくていい
この章まで読んで、「けっきょく私は何を発信すればいいんだろう」と思っていても大丈夫です。
今はまだ、結論を出す段階ではありません。
ここまでの目的は、自分には材料がない、という思い込みを崩し、材料をテーブルの上に出すことです。
料理をするとき、材料を冷蔵庫に入れたまま献立を考えるより、一度並べたほうが組み合わせは見えやすくなります。
発信コンセプトも同じです。
まず出す。
次に比べる。
そして組み合わせる。
次章では、ここで集めた材料をさらに深く掘るために、AIに答えを出させるのではなく「インタビュアー」として使っていきます。
ここまでのまとめ
ここまでで、次の3つを確認しました。
- 発信コンセプトは、単なるジャンルやキャッチコピーではない
- 強みは、実績だけではなく「誰かにとって役立つ差分」として考えられる
- 自分の経験・価値観・違和感・未来像は、発信資産になる
そして、この教材の根っこにある考え方は変わりません。
何者かになってから発信するのではない。
発信しながら、何者かになっていけばいい。
次は、AIを使って自分でも見えていない発信資産を掘り起こしていきます。
第3章 AIに「答え」を聞くのをやめる

本章で行うワーク3:AIインタビュー
AIとの対話から繰り返し出る言葉・感情・違和感を見つけます
ここまでで、自分の中には発信の材料になり得るものがある、というところまで見てきました。
ただ、実際に棚卸しをしてみると、次の壁にぶつかる人も多いと思います。
「材料は出た。でも、どれが大事なのかわからない」
「書き出してみたけれど、全部普通に見える」
「けっきょく何を発信軸にすればいいのかわからない」
ここで役に立つのがAIです。
ただし、この教材ではAIに「正解」を作ってもらいません。
AIに答えを作らせるほど、自分らしい発信から離れるおそれがあります。
なぜAIにテーマを聞いてもしっくりこないのか
AIは年齢、性別、職業、副業内容といった材料を渡せば、その材料から答えを作ります。
でも本当に発信の差が生まれるのは、もっと奥の部分です。
- なぜそれを始めたのか
- 何に挫折したのか
- どんな場面で悔しかったのか
- どんな人を見ると放っておけないのか
- 業界のどんな常識に違和感があるのか
- 何を大切にして仕事をしているのか
- これから何者になりたいのか
こうしたものは、こちらから渡さない限りAIにはわかりません。
だから、AIにいきなり「答え」を作らせるのではなく「まず自分の中にある情報を掘り出してもらう」必要があります。
AIを「回答者」から「インタビュアー」に変える
私は、AIを使って世界観や発信テーマを整理している中で、自分の軸が見つかった経験があります。
AIに「自分の世界観を考えて」と一発で作らせたわけでもありません。
対話を重ねながら、
- なぜそれが大事だと思うのか
- 過去にどんな経験があったのか
- どんな人を助けたいのか
- 自分が繰り返し口にしていることは何か
と掘っていった結果、「ああ、自分はこういうことを大事にしていたのか」と見えてきたのです。
この使い方は、発信コンセプト作りと非常に相性がいいと感じています。
AIは、こちらが答えを出すまで待ってくれます。
何度聞き直しても嫌な顔をしません。
似た内容が出てきたらまとめてもらえます。
矛盾しているところを指摘してもらうこともできます。
つまり、AIは自分の考えを掘り出すための「壁打ち相手」として非常に優秀なのです。
この教材でAIに任せるのは「質問・整理・編集」の3つだけ
AI活用を複雑に考えなくても大丈夫です。
この教材でAIに担ってもらう役割は、大きく3つです。
1. 質問する
自分では考えない角度から聞いてもらう。
「なぜそう思うのですか」
「その考えが生まれた出来事はありますか」
と、答えの奥を掘ります。
2. 整理する
長く話した内容から、繰り返し出る価値観や共通点をまとめてもらう。
自分の話を少し離れた場所から見るために使います。
3. 編集する
最後に、自分で作ったコンセプトをわかりやすく整えてもらう。
ここで初めて文章表現を手伝ってもらいます。
逆に、AIに任せないのは、「私は何を大切にするか」を決めることです。
そこまでやらせると、発信は整っていても自分らしさがなくなってしまいます。
AIインタビューで大切な6つのルール
1. 一度に全部決めようとしない
悪い使い方は「私の過去、強み、ターゲット、コンセプト、商品、世界観を全部決めてください」と一気にお願いすることです。
いちおうAIはきれいにまとめてくれるでしょうが、本人が納得できない可能性が高くなります。
AIインタビューでは、ひとつずつ掘ります。
まずは過去。
次に価値観。
次に違和感。
というように分けたほうが、納得感を持って進められます。
2. AIに要約させる
自分で話していると、自分の中で何度も出てくる言葉に気づきにくいものです。
そこで、
ここまでの回答から、私が繰り返し大切にしている考え方を3つに整理してください
と聞きます。
AIに「整理」させるのです。
3. 「なぜ?」を掘らせる
たとえば、「人の役に立つ発信をしたい」と答えたとします。
そこで終わらせません。
なぜ、人の役に立つことを大切にしていると思いますか?
私の回答を踏まえて、もう一段深掘りする質問をしてください。
と聞きます。
4. 違和感を大切にする
AIから出てきた言葉を見て、「なんか違う」と思ったら、その違和感は大事です。
むしろ、こう聞いてみてください。
この言い方には違和感があります。
私のどの回答とズレている可能性がありますか?
「違う」という感覚も、自己理解の材料です。
5. 良い言葉より「自分の言葉」を優先する
AIは、きれいなコピーを作るのが得意です。
でも、発信軸決めはコピーのコンテストではありません。
少し不器用でも、「これは自分が本当に言いたい」と思える言葉のほうが大事です。
6. 最後は自分で選ぶ
AIにいくつも案を出してもらうのはいいです。
ただし、最後に決めるのは自分です。
これは今後、発信そのものでも同じです。
AIが文章を作る時代だからこそ、人間は自分の経験・判断・意見に責任を持つ必要があります。
ワーク3
AIインタビュー
- 手元に残るもの:AIとの対話から拾った、繰り返し出る言葉・感情・違和感
- 所要時間の目安:20〜30分
- ここまでできればOK:AIに質問してもらい、印象に残った答えとして4つの項目が書き出せている状態
以下のプロンプトを、そのまま使ってみてください。
ただし、これは「正解を出す魔法のプロンプト」ではありません。
あなたの中にある材料を引き出すためのスタート地点です。
使うAIの種類はChatGPTやClaude、Geminiなど、どれでもOKです。
AIは進化が早すぎて、どれが良いという話はどんどん変わっていきます。
自分が使い慣れているものや、これがよさそうと思うものを使ってください。
===========ここから===========
あなたは、私の発信コンセプトを勝手に決めるコンサルタントではなく、私の経験・価値観・違和感・未来像を掘り出すインタビュアーです。
私に一度に1問ずつ質問してください。
私の回答を受けて、表面的な答えで終わらず、必要に応じて「なぜそう思うのか」「その背景にどんな経験があるのか」を深掘りしてください。
まずは以下のテーマを順番に私に聞いてください。
・過去に長く悩んだこと・昔の自分に教えてあげたいこと・人から相談されたこと・自分にとって当たり前だが、他人には当たり前ではなさそうなこと・他人や業界の常識に違和感を持つこと・自分が「これは大事」と強く思うこと・これからどんな人になりたいか・どんな人を助けたいか
10〜15問程度インタビューした後、私の回答から、
・繰り返し出てきた価値観
・強い感情が動いているテーマ
・発信テーマになりそうな経験
・他人との違いが出そうな考え方
を整理してください。
ただし、発信テーマを勝手に確定しないでください。
===========ここまで===========
最後は私が考えて選べるように、材料を整理するところまでにしてください。
なお回答するときは、音声入力を使うと早くできて便利です。
細かいタイプミスがあっても問題ありませんから、普段あまり使わないという人も、試しに使ってみてください。
会話例:AIに「答え」ではなく「奥」を聞いてもらう
たとえば、こんなやり取りが生まれるでしょう。
AI: 昔の自分に、ひとつだけ教えてあげたいことは何ですか?
本人: もっと早くSNS発信を始めればよかったと思います。
AI: なぜ始められなかったのでしょうか?
本人: 自分には、人に教えられるものがないと思っていました。
AI: 「人に教えられるものがない」と感じたのは、誰と比べていたからだと思いますか?
本人: 月収もフォロワーも自分よりずっと上の人ばかり見ていました。
AI: では、当時のあなたより半年遅くWebライターを始めた人に対してなら、何を教えられそうですか?
本人: 初案件を取るときにやったことや、最初の失敗なら話せます。
ここで初めて、
「実績がない」
という絶対に変わらないと思っていた悩みが、
「自分より上の人だけを基準にして、自分より少し後ろの人を見ていなかった」
だけだと気づけます。
これが、AIインタビューで起こしたいことです。
AIインタビュー後に確認すること
対話が終わったら、次の4つを書き出してください。
1. 何度も出てきた言葉
--
-
2. 話しているときに感情が動いたテーマ
--
-
3. 「これは意外と自分らしいかも」と思ったこと
--
-
4. AIのまとめの中で「違う」と思った部分
--
-
最後の「違うと思った部分」も重要です。
自分の輪郭は「これが自分だ」だけではなく、「これは自分ではない」からも見えてきます。
できるだけひとつのチャットを使い続ける
この教材のワークをAIで進めるときには、ひとつのチャットでずっと会話を進めるのがおすすめです。
そうすることで、そのチャットに回答が蓄積されて、より「自分らしさ」をAIがまとめやすくなります。
チャットのやり取りがあまりに増えて続けられなくなったときは、仕方がないので別のチャットを作って、そちらで続けましょう。
そのときは、それまで使っていたチャットの最後の仕事として、以下のプロンプトを使って引き継ぎ用のメモを作ってもらってください。
===========ここから===========
これまでの会話全体をもとに、発信コンセプトを考える作業を新しいチャットへ引き継ぐためのメモを作ってください。
私が新しいチャットの最初にこの文章を貼るだけで、これまでの続きから作業できる状態にしてください。
大切な条件:
・私が実際に話した事実、経験、言葉と、AIによる解釈・提案を必ず分ける
・私がまだ決めていないことを、決定事項のように書かない
・会話に出ていない経歴、実績、価値観などを作らない
・私が違和感を示した表現、採用しなかった案も残す
・長くなりすぎないよう、今後の作業に必要な情報だけを整理する
・前置きや解説は不要
以下の形式の「引き継ぎメモ」だけを出力する
# 発信コンセプト作成:引き継ぎメモ
## 1. 現在の目的
## 2. 決まっていること
## 3. 私自身についての重要な材料
- 実際に話した経験・出来事:
- 大切にしている価値観・考え方:
- 自分らしい言葉・表現:
## 4. 想定している読者と、届けたい変化
- 読者: - 読者が抱えている悩み:
- 届けたい変化:
## 5. 発信コンセプトの候補 - 有力な候補:
- まだ検討中の候補:
- それぞれの根拠:
## 6. 避けたいこと・違和感がある表現
## 7. 未完了のワーク・次に考えること
## 8. 新しいチャットのAIへの依頼 あなたは、私の発信コンセプトを勝手に決める人ではなく、私の考えを言葉にするための聞き手・整理役です。
このメモを前提に、まずは「未完了のワーク・次に考えること」のうち、優先度が高いものを一つだけ進めてください。
足りない情報がある場合は、答えやすい質問を一度に一つずつしてください。
===========ここまで===========
こうして出力してもらったものを、新しいチャットの最初に貼り付ければ、それまでの会話の続きができます。
先に伝えたいこと:発信の違いを作る「極論」
ここまでで、発信の材料を集め、AIに自分の奥を聞いてもらう準備ができました。
ただ、材料を集めるだけでは、まだ発信は他人やAIと似てきます。
たとえば同じ「Webライター向けの発信」でも、ある人はSEOを大事にし、ある人は営業を大事にし、また別の人は継続を大事にしています。
この違いを生むのが、私がこの教材で「極論」と呼んでいるものです。
極論とは、
この分野では○○さえあれば何でもうまくいく。
という、あなたの中心思想です。
私自身、Webライター向けに発信を始めたころは、ライティング技術や案件獲得について書こうとしていました。
けれど反応がよかったのは、技術の話よりもマインドの話。
もっといえば、「マインドさえあれば何でもうまくいく」という極論からの発信でした。
良い極論には、次の4つの特徴があります。
- 本当にそう思っている 流行ではなく、自分の経験につながっている。
- 理由を話せる なぜそう言えるかを説明できる。
- 具体例を出せる 自分の失敗や日常の出来事で裏づけられる。
- 判断に使える 投稿するときに「何を言うか・言わないか」を選べる。
この考え方を知るだけでも、発信テーマを「ジャンル」ではなく、「自分は何を大事にする人か」から見直せるようになります。
ただし、ここからが大切です。
極論は、思いついた一言をそのまま掲げれば完成するものではありません。
届けたい相手、相手に起こしたい変化、過去の経験、これから深めたい未来とつなげて、初めて自分の発信コンセプトになります。
これを有料部分で深めていきます。
有料部分では、考え方を知って終わるのではなく、あなた自身の答えを順番に作ります。
この先で手元に残るのは、次の7つです。
- 発信資産一覧:過去・当たり前・違和感から集めた材料
- 届けたい相手の具体像:属性ではなく、どんな場面で止まっている人か
- 届ける変化:その人をどんな状態まで連れて行くのか
- 中心思想:「○○さえあれば何でもうまくいく」という極論
- 経験の掛け合わせ:普通に思える自分ならではの強み
- 発信コンセプト一文:誰に何を届ける人かを説明する言葉
- 発信テーマ5本柱と最初の投稿案:明日から投稿へ移るための材料
この教材の定価は980円です。
さらに進めたいと思った方だけ、この先へ進んでください。

