寿司屋によく行くようになってわかった事の一つが、寿司屋って「基本的には」一年中出すものが変わらないということ。もちろん、例えばシンコとかいわゆる旬のモノというものはあるし、例えばカスゴとか一年中取れるけど美味しい時期にだけ出すという事はあるんだけど、江戸前の寿司っていうのは基本的に一年中同じものを出す。
たぶん正確には一年中同じものを出すっていうよりは、いつも出せるものを定番にしてるって事なんだと思う。もともとは東京湾とか近海で取れたものしか出さなかった、出せなかった訳だから。江戸前の代表的なネタといえば、コハダ、カスゴ、穴子、鯵、海老、イカ、それから貝(はまぐりとか青柳とか)。そしてマグロは漬け。
ただこれって寿司をいわゆるグルメとして捉えると、日本料理含めて他の料理からすると、やっぱり季節のものを活かすみたいなイメージあるから、ちょっと違和感がある人も多いと思う。たまーに寿司屋で「次は夏ぐらいに」って言うと、大将から「そんなに変わらないけどね」なんて言われているのも見たりする。
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