
結論:初期化は「最初にやること」ではなく「最後にやること」です。バックアップ・おサイフケータイの退避・アカウントのサインアウトを先に済ませないと、買取価格が下がったり、下取り自体を受け付けてもらえなかったりします。
機種変更したあとの古いスマホ、引き出しの中で眠っていませんか。売る・下取りに出すと決めたなら、電源を落とす前に踏んでおきたい順番があります。この記事は、iPhone と Android のどちらにも共通する手順を、公式サイトで確認できる範囲の情報に絞って整理したものです。作業時間の目安は、バックアップを含めて60〜90分。初期化の操作そのものは5〜15分ほどで終わります。読み終わったときに「何を、どの順番で消すのか」が決まっている状態を目指します。なお、個別に質問できる窓口を記事の最後に載せています。
なぜ「初期化から始めてはいけない」のか
端末の中身を消す操作そのものは、数タップで終わります。iPhone なら「設定 → 一般 → 転送または iPhone をリセット → すべてのコンテンツと設定を消去」、Android なら「設定 → システム → リセットオプション → 全データを消去(出荷時リセット)」。ただ、消したあとには戻せないものが3種類あるんです。1つ目は、端末と持ち主を結びつけている認証情報。iPhone のアクティベーションロック、Android の端末保護機能(FRP)がこれにあたり、順番を守らずに消すと、次の持ち主が初期設定画面から先へ進めない端末になってしまいます。2つ目は、クラウドに預けていないデータ。写真、LINE のトーク履歴、アプリ内のセーブデータなどですね。3つ目は、端末の中にしか鍵が無い残高や認証情報で、モバイル Suica の残高や二段階認証アプリの設定が代表格です。初期化を先にやってしまうと、この3つをまとめて置き去りにすることになります。

まめ研究員としては、初期化を「部屋の掃除」ではなく「引っ越しの最後に鍵を返す作業」と考えるのをおすすめします。鍵を返す前に、荷物を全部運び出したか確認する。順番が逆だと取りに戻れないんです。
手順:上から順に進める7ステップ
- 端末を特定する情報を控える:ダイヤル画面で「*#06#」を入力すると、15桁の IMEI が表示されます。買取査定の申し込みや、各社の「ネットワーク利用制限」照会ページで使う番号です。分割払いの残債が無いかも、この段階で契約者ページから確認しておきます。
- 充電と通信環境を整える:バッテリー残量が少ないと初期化が始まらない、あるいは途中で止まることがあります。残量50%以上、できれば充電ケーブルをつないだまま、Wi-Fi に接続した状態で作業してください。
- バックアップを取る:iPhone は iCloud バックアップか、パソコンの Finder / iTunes へのローカルバックアップ。Android は Google ドライブへのバックアップに加えて、写真・動画は Google フォトへ。容量が多いと、この工程だけで30分以上かかることもあります。
- 認証と決済を先に移す:二段階認証アプリ、モバイル Suica などのおサイフケータイ、LINE の引き継ぎ設定。ここは項目が多いので、次の章でまとめます。
- アカウントからサインアウトする:iPhone は「設定 → 自分の名前 → サインアウト」で Apple Account(Apple ID)から抜けます。Android は「設定 → パスワードとアカウント」から Google アカウントを削除します。この工程を飛ばすと、次の持ち主が初期設定を進められない端末になります。
- SIM と microSD を抜く:nanoSIM は SIM ピン(付属していなければクリップの先でも代用できます)でトレイを開けて取り出します。microSD は本体の初期化では消えないため、抜いて持ち帰るか、カード側を別途フォーマットします。
- 初期化を実行し、結果を確認する:初期化が終わったら、パソコンや別のスマホから iCloud の「探す」のデバイス一覧、Google アカウントの「デバイスを管理」の一覧を開いて、その端末が残っていないかを見ておきます。ここまでやって完了です。
消える前に逃がしておくもの
- おサイフケータイ・モバイル Suica の残高:初期化の前に、アプリ側の「機種変更」やサーバー退避の操作を済ませます。残高を端末に置いたまま消すと、取り戻すための手続きが一気に増えます。
- 二段階認証アプリ:Google Authenticator のようなアプリは、アカウント移行メニューから新しい端末へ移します。ここを忘れると、ネット銀行や証券口座、各種サービスへのログインが止まります。
- LINE:引き継ぎ設定をオンにし、トーク履歴のバックアップを取ってから。電話番号が変わらないケースでも、履歴のほうは自動では戻ってきません。
- 電子書籍・音楽・動画アプリの端末登録:「1アカウントにつき何台まで」という上限があるサービスでは、旧端末を登録解除しておくと、新しい端末で登録枠に引っかかりません。
- eSIM のプロファイル:初期化すると消えます。まだその回線を使う予定なら、先に新端末へ転送するか、再発行の手順と手数料の有無を契約先の公式サイトで確認してから進めてください。
- パスワード管理アプリ・銀行アプリの端末認証:端末そのものを鍵として使うタイプは、旧端末側で解除しておくと、新端末での再設定が短時間で済みます。

この中で後戻りが一番きついのは、二段階認証アプリです。ちなみに、移行忘れに気づくのはたいてい初期化した後で、そこから戻すには各サービスへ本人確認を出し直すことになります。数日単位で止まることもある、と考えておいてください。
ここに注意⚠️
- リカバリーモードからの強制初期化は避けてください。データは消えますが、Apple Account や Google アカウントとの紐づけが残ったままになることがあり、買取店で「ロックが解除されていない端末」と判断されます。通常の設定画面から消すのが基本です。
- 分割払いが残っている端末は、下取り・買取の対象外になったり、査定区分が下がったりします。手放したあとも契約者名義で支払いが続く点も、あわせて確認しておきたいところです。
- microSD カードは本体の初期化では消えません。写真や書類が入ったまま同梱してしまう事故が起きやすい場所なので、トレイを開けたときに一緒に確認してください。
- 下取りプログラムの査定額は、画面割れ・電源が入らない・水没反応ありといった状態で区分が変わります。申し込む前に、公式サイトの査定条件ページと自分の端末を照らし合わせておくと、想定額との差が小さくなります。
- 保護フィルムやケースを外して、外装の傷を自分の目で見ておくのも地味に効きます。査定結果が想定より低かったときに、理由が自分で説明できる状態になるからです。

順番さえ守れば、初期化はそこまで怖い作業ではありません。バックアップ → 認証と決済の移行 → サインアウト → 初期化。この4つの並びだけ覚えて帰ってもらえれば十分です。ここまでで役に立ったと感じたら、拍手👏を1回もらえると励みになります。
💡 3つの申込ルート、どれが一番お得か
端末を手放すタイミングは、回線そのものを見直すタイミングと重なりやすいです。楽天モバイルの申し込みには、大きく分けて「従業員紹介プログラム」「三木谷キャンペーン」「通常の紹介キャンペーン」という3つのルートがあり、それぞれ適用条件と受け取れる内容が違います。さらに、2回線目の追加として申し込むのか、以前契約していた回線での再契約なのかによって、そもそも使えるルートが変わることもあります。ここは条件の読み違いが起きやすい部分なので、3つの違いと、どういう状況の人がどれを選ぶことになるのかを別の解説記事に整理しました。申し込む前に一度目を通しておくと、あとから「こっちの方が良かった」となりにくいです。

申込前の個別の疑問は、プロフィール記載の LINE でも受け付けています。端末の状態や契約状況によって答えが変わるタイプの質問は、そちらの方が早いこともあります。
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次回は「買う側」に回ったときの話——中古端末を選ぶときに見るチェック項目を扱う予定です。この記事が参考になったら、拍手👏で教えてもらえると、次の記事の優先度に反映できます。
