Muse Spark Open の重みが公開:ライセンスの3条件、提供先と価格、手元で動かす要件、推論基盤の対応状況
ミオ|AI大好きな後輩
Meta は10月15日、Muse Spark Open の重みを公開しました。Meta の発表によると、パラメータは全体で816B(トークンごとに使うのは42B)、コンテキストは100万トークンで、ライセンスは Muse Model License です。API は Baseten・Fireworks AI・Groq・Modal・Nebius・OpenRouter・Together AI で使え、重みは Amazon SageMaker AI・Google Cloud Model Garden・Hugging Face・Microsoft Foundry Models から入手できると、Meta は書いています。
このモデルを API で呼ぶ人、手元で動かす人、自分の製品に組み込む人に向けて、ライセンスの3条件、呼べる場所と価格、手元で動かす要件、推論基盤の対応状況を並べます。筆者は AI モデルの提供条件と API 仕様を公式資料と照らして追っていて、本稿は Meta の発表、Hugging Face のモデルカードとライセンス全文、Meta の docs、各提供先のページ、各推論基盤の GitHub を10月16日の朝(日本時間)に取得して突き合わせました。性能の比較には踏み込みません。
ライセンスの3条件
Hugging Face のライセンス全文によると、モデルと重みは、使用・複製・改変(ファインチューニングを含む)・蒸留・統合・公開・配布・再許諾・販売ができ、次の条件が付きます。
- 表示:製品やサービスの画面、または付属の文書・サイト・設定メニューに、「Built with Muse Spark Open」を目立つ形で表示します。売上や利用者数で除く定めは、条文にありません
- 同梱と継承:著作権表示、ライセンス、Usage Policy を、複製と派生モデルのすべてに含めます。表示の義務も、派生モデルを使う製品に及びます。派生モデルには、微調整や蒸留で作ったモデルに加えて、このモデルの出力を使って作ったモデルも入ります
- Model as a Service:API などでAIモデルの出力を第三者に提供する事業で、提供者と関連会社の総収入が連続する12か月で2,000万米ドルを超える場合は、提供の前に Meta へ通知し、別の書面の契約を結びます。内部利用、研究、MaaS にあたらない商用利用、MaaS にあたらない自社の製品や機能への組み込みは、対象外です
同じ全文は、Usage Policy で法令や他者の権利の侵害、軍事や兵器、なりすまし、出力を人が生成したと偽ることなどを禁じ、18歳未満を想定していないと書いています。出力の所有権は Meta が主張しません。重みを取るには、Hugging Face で氏名・生年月日・国・所属などを入力し、ライセンスに同意します。
呼べる場所と価格
OpenRouter のページによると、meta/muse-spark-open は100万トークンあたり入力 $1.25・出力 $4.25、コンテキストは1.0M で、Nebius Token Factory・Baseten・Together・Fireworks が同額です。キャッシュの読み取りは Baseten・Together・Fireworks が $0.15、Nebius は「--」と表示されています。提供先のページは、次のとおりです。
- Modal と Baseten:Modal のページによると、共有エンドポイントは従量課金で、100万トークンあたりプロンプト $1.25・キャッシュ済みプロンプト $0.15・出力 $4.25 です。Baseten のページにも、同じ $1.25・$0.15・$4.25 が載っています
- Fireworks:Fireworks のページによると、サーバーレスは10月29日までの限定プレビューで、米国のみの容量です。単価は $1.25・$0.15・$4.25 と載っています
- Groq:Groq のページによると、Enterprise 向けの限定プレビューで、コンテキストは131,072トークンです。利用は問い合わせで、価格はページにありません
- AWS:AWS のブログによると、SageMaker JumpStart から自分のアカウントのエンドポイントに展開でき、NVFP4 は ml.p5e.48xlarge、BF16 は ml.p6-b300.48xlarge で動きます
Meta 自身の Model API は別の話です。Meta の models のページは、Muse Spark Open を Model API では呼べず、重みを自前の環境で動かすか、提供先の API を使うと書いています。coding agents のページの OpenCode・Codex・Claude Code の設定例は、muse-spark-1.3 向けです。
手元で動かす要件
Meta の docsによると、重みは BF16 が約1.65TB、NVFP4 が約537GB で、KV キャッシュと実行時の余分は含みません。モデルカードは、必要な GPU のメモリを NVFP4 で700GB以上、BF16 で2TB と書いています。
- NVIDIA:Meta の hardware platforms のページによると、Blackwell(B300・GB300)で NVFP4 は4枚、BF16 は8枚です
- AMD と Intel:同じページによると、AMD は Instinct の MI355X か MI350X を8枚使って vLLM で、Intel は Xeon 6 に INT4 の重みを載せて SGLang で動かします
- Mac:Meta の Mac の手順によると、M5 Ultra の Mac Studio を、512GB なら2台、256GB なら4台そろえ、macOS 26.2 以降で、どの2台も Thunderbolt 5 で直結して MLX で動かします。4台のほうが速いと書いています
- 量子化した GGUF:ggml-org の GGUFは、Q2_K が304GBで512GBのユニファイドメモリに収まり、Q4_K_S が470GB、Q8_0 が872GB です。Unsloth のガイドは、2ビットの量子化が256GBに収まると書いています
推論基盤の対応状況
vLLM と SGLang は、専用の Docker イメージで動かす形で、コード本体は取得した時点で main に入っていません。
- vLLM:Meta の docsは vllm/vllm-openai:muse-spark-open(AMD は vllm/vllm-openai-rocm:muse-spark-open)を案内します。vLLM のブログは、nightly の PyPI wheel で使えるのは PR #61879 がレビューされてマージされた後で、通常は1週間ほどかかると書いています。PR #61879は、まだクローズされていません
- SGLang:SGLang の cookbookは、NVIDIA 用の lmsysorg/sglang:dev-muse-spark-open、AMD MI355X 用の lmsysorg/sglang-rocm:muse-spark-open、Intel Xeon CPU 用の lmsysorg/sglang:dev-muse-spark-xeon を案内します。PR #44530は、まだクローズされていません
- TensorRT-LLM:Meta の docs によると、feat/musespark-open ブランチから自分でビルドします。リリース済みのコンテナやホイールに対応は入っていません
- llama.cpp:Meta の docs は、llama.app の配布バイナリを入れて llama serve -hf ggml-org/Muse-Spark-Open-816B-A42B-GGUF と打つ手順を案内します。GitHub のリリース一覧によると、取得時点の最新の正式リリースは v0.7.0(協定世界時の10月15日17:13)で、対応するPR #30616のマージ(同21:27)はそれより後です。配布バイナリがどの版から対応するかは、資料から決まりません
- Transformers:モデル本体を追加するPR #49644は、協定世界時の10月15日17:35にクローズされ、v5.20.0 のリリースページが新しいモデルとして Muse Spark Open と PR #49644 を挙げています。NVFP4 は、これとは別の Transformers の PR ブランチからの導入が要ると、Meta の docs は書いています。Meta の docs の版の指定との食い違いは、次の節にあります
- MLX:Meta の docs は pip install -U mlx-lm を案内し、Meta の Mac の手順は MLX 0.30.1 以降を求めます。NVFP4 モデルの実装を加えるPR #1976は協定世界時の10月15日18:15にクローズされ、v0.32.0 のリリースページにその対応が載っています。mlx-lm は、この対応を含む v0.32.0 以降を選びます。v0.32.0 の公開は同18:30で、v0.32.1 のリリースページ(同21:22)には muse のテンプレートの修正だけが載っています
資料間の食い違い
- reasoning_effort の数値:レベル名は low・medium・high・xhigh で各資料がそろいますが、対応する数値が違います。Meta の docsとモデルカードのチャットテンプレートは 8・32・256・512 で、Hugging Face のブログは 16・64・256・512 と書いています。既定は xhigh で、推論は切れず、none や max は拒否されると、Meta の docs は書いています
- 推奨する top_k:モデルカードは無効(disabled)と書き、ggml-org の GGUFは、GGUF のメタデータに top_k 64 を保存していると書いています
- Transformers の版:Meta の docs は transformers>=5.19 を案内しますが、v5.19.0 のリリースページの公開は10月6日で、Muse Spark Open は載っていません。PR #49644 のクローズ(協定世界時の10月15日17:35)はそれより後で、v5.20.0 は同18:05に公開されています。5.19.0 固定ではモデル実装が足りず、対応を含むのは5.20.0です。ただし >=5.19 を更新付きで導入すれば5.20.0も対象に入るため、この指定自体が失敗するとは限りません。NVFP4 は前節の PR ブランチが別に要ります
- Together のモデル名:Meta の docs は meta-models/muse-spark-open、Together のページは meta-models/Muse-Spark-Open-816B-A42B です
自分の使い方で最初に確かめること
使い方ごとに、最初に確かめることが変わります。

Meta の発表、ライセンス全文、Meta の docs、各提供先と各推論基盤のページに基づく図です。提供先から呼ぶときは提供先ごとの価格と範囲、手元で動かすときは重みに見合うメモリと対応基盤、製品に組み込むときはライセンスが求める表示の文言、改造して配るときは同梱と表示の条件の引き継ぎ、モデルを他人に使わせるときは条文の額を超える場合の通知と別契約を、最初に確かめる点として並べています。
- 提供先から呼ぶ:提供先ごとに価格と範囲を比べます。価格を載せる提供先の単価は同額でも、Fireworks は期間と地域が限られます。Groq は Enterprise 向けの限定プレビューで、価格がページにありません
- 手元で動かす:重みに見合うメモリと対応基盤を確かめます。vLLM と SGLang は専用 Docker イメージ、TensorRT-LLM はブランチからのビルド、llama.cpp・Transformers・MLX は対応する版を確かめます
- 製品に組み込む:画面か文書に表示の文言を入れます。売上や利用者数による除外はありません
- 改造して配る:ライセンスと表示を引き継ぎます。微調整・蒸留や出力を使って作ったモデルにも、同梱と表示の条件が及びます
- 他人に使わせる:条件を超えるなら通知と別契約が要ります。API などで出力を第三者に提供し、総収入が条文の額を超える場合です
まだ分からないこと
- Model as a Service の線引き:前述の対象外条件と MaaS の定義に照らす必要がありますが、シート課金の SaaS がどちらに入るかの例示は、ライセンス全文にありません
- 評価の全体:Meta の発表は、評価レポートの全体を近日公開すると書いています。モデルカードのベンチマークは Meta が示した値です
Meta のホスト版 API の接続先と料金、学習に使われる条件は、無料の既刊Meta の Muse Wonder を既存のエージェントで試す前ににまとめてあります。この記事の Muse Spark Open は重みの公開版で、ホスト版とは経路が別です。
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