鳥居を背景に、短いダンス動画を撮ってSNSに載せたい。
でも、スマホを構えたところで「ここ、踊っていいんだっけ?」と迷いませんか。
好きな曲で撮りたい気持ちはあっても、参拝に来た人を困らせたくはない。
撮る前に、訪問先のルールを確かめておきましょう📱
結論からいうと、福岡県八女市の福島八幡宮は、2026年9月11日付の公式方針で、境内で踊ることや写真・動画を撮影することを一律には禁止していないと示しています。ただし、これは「どんなダンス動画でも無条件でOK」という意味ではありません。
見るべきなのは、踊るかどうかだけではなく、参拝への影響、人数、時間、使う機材、そして撮影の目的です。
しかも、この方針を全国の神社にそのまま当てはめることはできません。
この記事では、福島八幡宮の方針を、撮影前に自分で判断しやすい形にほどいていきます。
比較として、福岡市の紅葉八幡宮が公開している撮影案内も見ます。
この記事で公式ページを読み直した日は2026年9月19日です。
福島八幡宮の公表日・追記日・今回の確認日はそれぞれ違います。
下の節では、追記が何を変え、何を変えていないのかを分けて紹介します。
福島八幡宮の方針の発表日は2026年9月11日、紅葉八幡宮の案内の公開日は2025年8月18日で、それぞれ別の日時です。
9月15日の追記:動画を取り下げても、撮影方針の撤回ではない
このページは、9月11日の公表後に追記されています。
福島八幡宮は9月15日の追記で、出演者や関係者の安全・プライバシーなどを守るため、一部動画の公開を順次取り下げていると説明しています。
同時に、境内での撮影やダンスについての見解・方針を撤回するものではないとも明記しています。
福島八幡宮の公式見解と追記
「動画が見られなくなった」と「今後は境内で撮影禁止」は別の話です。
拡散された動画の有無だけで撮影可否を決めず、現在の利用条件を確認しましょう。この記事では出演者を探したり、取り下げられた映像を再掲したりせず、これから訪れる人の確認点に絞ります。
福島八幡宮では、ダンス動画は一律禁止ではない
福島八幡宮の公式方針では、個人・少人数による短時間の写真・動画撮影、短時間の踊りの撮影、個人のSNS掲載を目的とした撮影について、条件を満たす場合は原則として事前許可不要としています。
ここで大事なのは、「原則として」「条件を満たす場合」という部分です。撮影という行為だけを切り取って許可・不許可を決めるのではなく、その場で何が起きるかまで含めて見ている、と読めます。
たとえば、参拝を終えたあとに、同行者がスマホで数十秒だけ撮る。
周囲を通る人がおらず、音を流さず、すぐ終える。
これは説明のための架空の例です。「数十秒ならよい」「無音ならよい」という公式基準ではありません。
少人数・短時間であっても、周囲への影響や訪問先のルールを確認する必要があります。
反対に、撮影そのものは短くても、何度も撮り直して通路の近くに居続けるなら話は変わります。「一発撮りの30秒」でも、実際にはその場所を15分、20分と使うことがあるからです。動画の尺と、境内を占有する時間は別物。ここ、地味ですがかなり大切です。
判断の軸は「踊るか」ではなく、参拝への影響
福島八幡宮が問題として挙げているのは、参拝者の通行・参拝・祭典を妨げる行為、長時間の場所の占有、大音量、危険な行為などです。
上記の公式方針には、ほかの参拝者の顔が本人の同意なく映り込まないよう配慮することも書かれています。
通路をふさがなければ、それで確認終了というわけではないんですね。
撮影前にはスマホの画角を確認し、顔が入りそうなら位置や向きを変えるのがおすすめです。
撮影後にも見直して、同意のない顔が映った部分は使わない、切り取る、ぼかすなど、投稿前に対処しましょう。
後半の対処方法は、公式条件を守るための記事側の提案です。
つまり、最初の問いは「ダンスだからダメ?」ではなく、「この撮影で、ほかの人が通れなくならない? 静かに参拝できなくならない?」です。
境内は、写真や動画の背景としてだけある場所ではありません。
参拝する人、神事や祭典に関わる人、日常の管理をする人が使う場所です。
映像の画角にきれいな門や鳥居を入れたくても、そこで人の動線を止めてしまうなら、その画角はあきらめるほうが自然です。
頭の中で使う、簡単な判断図
撮影前には、次の順で考えると迷いにくくなります。
- 通行、参拝、祭典に少しでもかぶるなら、撮影しないか、場所と時間を変える
- 大きな音、危ない動き、長い場所取りがあるなら、撮影計画を縮小する
- 人数、撮り直しを含む滞在時間、機材、目的を整理し、訪問先の条件と照らし合わせる
- 人数、時間、機材、目的のどれかが大きくなるなら、事前相談が必要な可能性を前提にする
これは公式方針を参考に私が組み立てた確認の順番で、許可を保証する判定表ではありません。「人がいなさそうだから大丈夫」と先に決めず、祭典の予定やその場の混雑も確認したいですね。

事前相談が必要になる条件を、先に拾う
福島八幡宮は、大人数や長時間の撮影について事前相談が必要としています。
三脚、照明、音響機器、ドローンを使う場合も同じです。
さらに、営利・広告・商品紹介を目的とする撮影、イベント、メディア・制作会社・団体による撮影も、事前相談が必要な対象として挙げています。
ここで「撮影者は個人だから大丈夫」と早合点しないほうがよさそうです。たとえば個人アカウントでも、商品を紹介する案件動画、販売ページへ誘導する広告的な投稿、出演者やスタッフを集めた企画なら、単なる個人の記録とは分けて考える必要があります。
逆に、スマホで友人が短く撮影し、自分の思い出として個人SNSに載せる計画は、公式方針のいう個人SNS掲載目的に当たりうるものです。
ただし、それでも参拝者への影響がなければ、という前提は消えません。
機材は撮影の質を上げてくれる一方で、場所の使い方を大きく変えます。
三脚を立てた瞬間に通路の幅が狭くなることもありますし、照明や音響が入ると、周囲から見た撮影の規模も変わります。
スマホ一台の撮影と同じ感覚では扱えません。
ドローンについては、福島八幡宮の方針で事前相談が必要な項目に明記されています。
空いて見える場所でも、自己判断で飛ばすのは避けるべきです。
紅葉八幡宮を見ると、「神社ごとに違う」がはっきりする
福島八幡宮の方針を読んで、「個人SNSなら神社では撮っていい」と一般化するのは危険です。同じ福岡県内でも、紅葉八幡宮は別の案内を公開しています。
紅葉八幡宮の案内は2025年8月18日公開です。
他の参拝者の迷惑になる行為や神社運営を妨げる行為に加え、外部プロカメラマンによる許可のない有料撮影、許可のない商業・営利目的の撮影を禁止しています。
案内では、商業・営利目的の例として雑誌やSNS用の撮影が挙げられています。
ここは無許可の商業・営利目的の撮影についての説明で、個人の記念撮影全般を一律に禁じる記載ではありません。
また、ストックフォトやフリー素材として使うための撮影も禁止の対象です。
出典:紅葉八幡宮「境内での撮影に関して(ご確認ください)」
https://momijihachimangu.or.jp/202508182321/
同じ「SNS用」でも、目的は同じではない
ここが少しややこしく、でも見落としたくない点です。
福島八幡宮は、条件を満たす個人SNS掲載目的の撮影を原則として事前許可不要としています。

一方、紅葉八幡宮は、許可のない商業・営利目的の撮影を禁止し、その例として雑誌やSNS用の撮影を挙げています。これは、「SNSに載せる」という掲載先だけでは、撮影の性質を判定できないということでもあります。
自分の思い出を自分のアカウントに投稿するのか。
商品、店舗、サービスを紹介するのか。
撮った映像や写真を素材として販売・配布するのか。
撮影料を受け取るカメラマンが関わるのか。
投稿先が同じSNSでも、これらは別の計画です。
ハッシュタグにPR表記があるかどうかだけでなく、撮影の目的、誰が利益を得るのか、素材を今後どう使うのかまで確認するほうが安全です。
紅葉八幡宮は、事前申請をしていても、神社が迷惑行為や運営妨害と判断した場合には撮影中止を求めることがあると案内しています。申請は「必ず撮影できる券」ではなく、事前に相談して調整する入口なのだと考えておくと、当日の案内も受け止めやすいと思います。
投稿前の3分チェックリスト
撮る前、あるいは投稿前に、次の文をそのままメモアプリへ貼って使えます。
使う場所は、現地へ向かう前の計画確認と、撮影直前です。
変更・相談が必要な項目が一つでもあれば、撮影を短くする、場所を変える、機材を減らす、または神社へ事前に問い合わせる方向で考えます。
【神社での写真・ダンス動画:3分チェック】
1. 参拝を妨げず、顔の映り込みにも配慮した?
入力例:通路は空いているが、背景に人の顔
期待する判断:同意のない顔が入らない位置や向きへ変える。通行も妨げない。
撮影後の確認:顔が映った部分を使わない、切り取る、ぼかすなど、投稿前に対処する。
2. 少人数で、短時間で終えられる?
入力例(架空):2人で撮る予定だが、撮り直しで滞在が延びそう。
期待する判断:何分以内なら可とは決めない。撮り直しを含む実滞在時間、周囲への影響、現地のルールで判断する。迷う規模なら事前に相談する。
3. 三脚・照明・音響機器・ドローンを使わない?
入力例:スマホを手持ちで撮る
期待する判断:手持ちスマホは公式に列挙された機材には含まれないが、それだけで相談不要とは決めない。規模・影響・訪問先独自のルールを確認し、必要なら相談する。
4. 営利・広告・商品紹介・素材収集が目的ではない?
入力例:自分の思い出を個人アカウントへ投稿する
期待する判断:個人投稿といえる可能性がある。ただし神社ごとの案内を確認する。
5. 訪問先の公式案内を確認し、職員の指示を最優先できる?
入力例:公式サイトに撮影ルールが見当たらない
期待する判断:勝手に「可」と決めない。問い合わせるか、撮影を見送る。このチェックは、福島八幡宮の公式方針にある条件と、紅葉八幡宮の案内から、撮影者が先に確認したい点をまとめたものです。
すべての神社に共通する許可基準ではありません。
入力例と対処方法は記事側の提案です。公式ページは「短時間」としていますが、何分以内なら許可不要という数値基準は示していません。
短い動画でも撮り直しを含めた滞在が長くなることはあります。実際の状況と現地の指示を優先してください。
とくに4番は、自分では「ただSNSに載せるだけ」と思いやすいところです。でも、商品紹介、店舗の宣伝、素材販売、撮影を有償で請け負う行為が入るなら、個人投稿とは分けて考えたほうがよいでしょう。
最後に確認したいのは、その神社のルール
福島八幡宮の発表が示しているのは、ダンスや写真・動画を一律に禁止するのではなく、参拝や通行を妨げないこと、規模や機材、目的に応じて相談することを重視する考え方です。
福島八幡宮では、個人・少人数による短時間の撮影などが、条件を満たす場合は原則として事前許可不要とされています。
「少人数」「短時間」を自分だけで都合よく決めず、実際の滞在や周囲への影響を見たいところです。スマホ一台でも、不明点があれば事前に相談しましょう。
ただし、大人数、長時間、三脚・照明・音響機器・ドローン、営利や広告を伴う撮影へ広がると、事前相談が必要です。
紅葉八幡宮の案内では、無許可の商業・営利目的のSNS撮影や、ストックフォト目的の撮影が禁止されています。
福島八幡宮の方針自体も、他の神社へ一律に適用せず、訪問先のルールや職員の指示に従うよう案内しています。
「神社で動画は撮れるか」の答えは、全国共通の一言では決まりません。行き先の公式サイトを見て、迷ったら撮る前に聞く。映像をきれいに残すためにも、そのひと手間がいちばん確実です。
参考資料
- 福島八幡宮(2026年9月11日公表・9月15日追記)「境内での撮影やダンス等に関する福島八幡宮の見解と方針」
https://fukushimahachimangu.or.jp/archives/news/shrine-grounds-policy
- 紅葉八幡宮(2025年8月18日公開)「境内での撮影に関して(ご確認ください)」
https://momijihachimangu.or.jp/202508182321/
