数字は出た。でも、そのまま提出して大丈夫?
最近、AIにExcelの数式を作ってもらったのに、結局一行ずつ電卓で確かめていませんか。式を貼ると数字は出る。エラーも出ない。それでも「発送前の分まで足していないかな」と気になり、提出する手が止まる。数式を作る手間は減ったはずなのに、最後の不安が残る場面です。
AIに頼めるのは、長い文章や難しいプログラムだけではありません。表の配置と目的を文章で伝えて、数式の案を求める使い方もあります。ただ、案が出ることと、自分の集計条件に合うことは別です。「文具の発送数を知りたい」という短い依頼では、発送済みだけなのか、受付済みも含むのかまでは決まりません。
ここに、見落としやすい落とし穴があります。Excelは、式が計算できれば数字を表示します。しかし、その式があなたの意図を表しているかまでは保証しません。未発送の数量を含む式でも、計算として成立していれば、もっともらしい合計が出ます。「エラーにならない」と「仕事の答えが正しい」は、同じではないのです。
たとえば、発送済みが二行あり、受付中が一行混じる小さな表を考えてください。「文具」という条件だけを見れば、受付中の数量まで合計してしまいます。これは難しい関数を知らないことだけの問題ではありません。何を合計し、何を除くかを確定しないまま、数字を受け入れてしまう問題でもあります。
だからこそ、長い数式を全部暗記する前に身につけたいのが「答えの確かめ方」です。少量の架空データで、自分が先に答えを説明できる状態を作れば、AIの数式と見比べられます。間違った結果を見つけたときも、「何となく変」ではなく、どの条件が違うのかを伝えやすくなります。
この教材で完成させるのは、商品区分と発送状態を指定して数量を出す、小さな集計表です。Windows版Excel for Microsoft 365と、文章を入力できるChatGPTを使用します。PCでの入力・コピー操作ができる方向けです。各サービスの利用環境・契約は別途必要で、本教材に利用料金は含まれません。追加機能、API、ファイルのAIアップロードは使いません。スマホだけでの操作、マクロ、複数ファイルの自動集計は対象外です。
練習データはすべて架空です。会社の実データをAIへ送る必要はありません。この先では、表を用意し、数式を依頼し、三つのテストで確かめて記録するまでを、一つの順番で解説します。
