なないろバックオフィスの現在の主力業務は、収益と件数が多い順に以下の通りです。
- IT導入補助金のベンダー登録支援
- 補助金申請支援
- 映像送信型性風俗特殊営業・無店舗型性風俗特殊営業の届出
- 契約書作成・レビュー
- その他業務(海外Visa、創業融資、酒類販売業免許など)
2番目の「補助金」と4番目の「契約書作成」は、行政書士にとって、「建設業」や「相続」に次ぐ準王道とも言える業務分野ではありますが、それ以外は一般的には“ニッチ業務”に分類されます。開業当初の私たちも、どの業務に軸足を置くべきか悩んだ時期がありました。
1. 前職の経験とかけ合わせる戦略が有効
なないろバックオフィスの場合、「IT導入補助金ベンダー登録支援」が自然に主力業務になりました。理由はシンプルで、
- ななみさん:応用情報技術者・PMP
- 私:基本情報技術者
- 2人とも前職・副業で IT・DX領域 の案件に深く関わっている
というバックグラウンドがあったためです。市場規模自体は決して大きくありませんが、
- 競合が少ない
- 専門性が評価されやすい
- 新規参入でも参入障壁が低い
- シェアを“1〜2%”獲得するだけで十分な売上になる
というメリットが大きく、“行政書士×IT”の掛け合わせとして最も相性の良い領域になりました。
これはまさに、「前職の専門領域 × 行政書士資格」という組み合わせが、強力な武器になる典型例です。
2. 同業者が敬遠しがちな業務で積極展開
当初、業務領域を調査した際、風俗営業を専門とされている先生は非常に多いものの、その多くが1号営業や深夜酒類提供営業を主力としており、性風俗特殊営業を中心業務として積極的に取り扱っている先生はほとんどいないように感じました。
1号営業や深酒は成長こそしないものの市場規模も大きく、単価も高いため、行政書士事務所の主力業務として成立しやすい一方、映像送信型性風俗特殊営業や無店舗型性風俗特殊営業は、市場や単価の面で見劣りし、さらに業務のイメージも敬遠されがちです。
「性風俗はちょっと…」「依頼者の方もクセがありそう…」というような感情的な抵抗も、同業者の参入を妨げている要因の一つなのだろうと思います。なお、依頼者の方はいたって真面目で丁寧な事業者の方が多く変な方はいません。
なないろバックオフィスの場合は、ちょうどベンダー登録業務が主力になりつつあった時期での参入だったため、市場規模や単価についてはほとんど気になりませんでした。さらに、図面が1号営業と比較して格段に簡素であること、そして同業者に敬遠されていた点がむしろプラスに働きました。
最終的には「2人で取り組めば何も怖くない」という安心感も後押しとなり、本分野への参入を決めました。結果は大正解で、今では事務所の“3本目の柱”となっています。
性風俗特殊営業は、難易度は決して難しくない中程度で他の許認可に転用できるノウハウも多く、新規開業者にはおすすめの業務です。


3. ややニッチな業務で積極展開
なないろバックオフィスでは、2名とも申請取次行政書士の資格を有しているにもかかわらず、国内VISAはあえて扱わず、海外VISA(翻訳といわゆるアポスティーユ関連)のサポートを中心に行っています。申請取次行政書士関係ない。。笑この分野は市場規模・需要ともに非常に大きいと感じる一方で、なぜかややニッチな扱いとなっており、同業者の多くは積極的に展開していないように思われます。もちろん、私自身が英語を多少得意としていた点も、この分野へ踏み出す後押しとなりました。
4. 現在進行中の新規業務
11月下旬から、かなりニッチな業務への新規参入を進めています。ただ、ニッチすぎるゆえに市場性が本当にあるのか、まだ確信を持てる段階ではありません。恥ずかしながら、需要がそもそもあるのかどうかも判断が難しいため(笑)、まずは複数の案件を正式に受任できた段階で、あらためてNoteで詳細をご報告できればと思っています。
5. ニッチ業務の探し方
実は、ニッチ業務の見つけ方はそれほど難しくありません。日行連が公表している行政書士の報酬額・取扱件数の統計資料を眺め、他の先生方が “ほとんど扱っていない業務” を順に検討していくだけです。
目安としては、全国で年間数十件程度、もしくはそれ以下の取扱件数となっている業務が狙い目です(笑)
