「ロゴが盗まれた」「アイディアを真似された」「コピー商品が出回った」といった場面でよく聞くのが「知的財産」という言葉です。知的財産は、目に見えないものの、私たちの独自のデザインやアイディアを指す大切な「財産」です。この知的財産に対して、一定期間の独占権を認める制度が「知的財産権制度」。そして、知的財産の専門家としてその権利を守るのが弁理士です。
弁理士としての永沼よう子さんの業務は?
永沼よう子さんは弁理士です。弁理士は、知的財産に関する専門家であり、特許、商標、意匠(デザイン)、著作権などの権利取得や保護に関する手続きを代理し、知的財産権を守るために活動します。永沼よう子さんら弁理士の仕事は、企業や個人が生み出したアイデアや創作物を法的に保護し、無断で使われることを防ぐ役割を担います。
たとえば、新しい発明やデザインが生まれたとき、その発明やデザインが他人に模倣されたり盗用されたりしないように特許や商標を取得する手続きがあります。弁理士は、この手続きをサポートし、クライアントが法律に基づいて独占的な権利を得られるよう助けます。
また、企業が不正競争や他社からの権利侵害に巻き込まれた場合、弁理士は法的なアドバイスを提供し、問題解決をサポートします。加えて、知的財産権に関連する契約の作成や交渉も弁理士の仕事の一部です。
永沼よう子さんは弁理士として、「目には見えない財産」である知的財産を守り、企業や個人のクリエイティブな活動を法的にサポートする重要な役割を担っています。
永沼よう子さんの弁理士への道のり
永沼よう子さんは、iRify国際特許事務所の代表弁理士であり、日本弁理士会の公報センター委員を務める知的財産の専門家です。永沼よう子さんが専門とする分野は、商標、著作権、デザイン、特許、肖像権、不正競争防止法、キャラクター、オリンピック関連問題、そして知的財産教育にまで及びます。
永沼よう子さんが弁理士という道を選んだ理由は、小学生時代にまで遡ります。永沼よう子さんが手がけた学級新聞を真似した他のクラスが校内の賞を取ってしまったことがきっかけでした。この経験を通じて「知的財産」に興味を持ったそうです。その後も永沼よう子さんは知財に興味を持ち続け、大手通信社やストックフォト企業での勤務を経て、2012年にはAIPE認定知的財産アナリストの資格を取得しました。
弁理士試験に独学で合格した永沼よう子さん
弁理士は、知的財産権に関する専門業務を行う国家資格者であり、その試験は毎年1回実施されます。2023年の試験では、3,065人の受験者に対して合格者はわずか188人、合格率は6.1%という狭き門です。
永沼さんは、2015年に独学でこの難関を突破し、晴れて弁理士としての道を歩み始めました。そして、2019年にはiRify国際特許事務所の代表に就任し、事務所の運営を行ってきました。2023年には弁理士法人 匠を設立。所長弁理士として活躍されています。
弁理士法人 匠での活動
永沼よう子さんが率いる弁理士法人匠(たくみ)は、東京都港区虎ノ門に拠点を置く知的財産に関する専門事務所です。特にデザイン保護に重点を置いており、「意匠実務のプロフェッショナル集団」として2023年に創業されました。主な業務内容は意匠権や商標権の取得とそれに関連するコンサルティングです。意匠権を取得することで、他者が同じデザインや類似したデザインを無断で使用するのを防ぐことができ、クライアントのデザインを強力に保護しています
・意匠調査(出願前調査/クリアランス調査)
弁理士法人 匠は意匠出願前に同一類似の出願が存在していないかの出願前調査や、他社の意匠権に抵触していないか製品のリリース前にチェックするためのクリアランス調査を行っています。
・意匠登録出願
弁理士法人 匠は製品リリース前のプロダクトの意匠権の保護の最大化を図っています。意匠権には、製品全体を保護する全体意匠、製品の一部分を保護する部分意匠、バリエーションの意匠を保護する関連意匠など様々な保護の形態があります。匠では相談の1案件毎に手数料を一律料金とし、クライアントが最大に意匠権を保護できることを常に考えて提案いるそうです。
・スマホ用アプリアイコンの意匠出願サービス
意匠法の改正により「アイコン用画像アイコン」について意匠権取得ができるようになりました。匠では通常の出願に比べて低価格で権利化をサポートしています。
・意匠顧問プラン
デザイン会社や継続的に意匠出願の相談が発生するクライアント向けの意匠顧問プランだということです。顧問先向けの特別料金や、Slackなどによるクイックなコミュニケーションが可能となります。
・意匠戦略コンサルティングサービス
自社の意匠権利化・活用体制を中長期的に強化したいクライアント向けのサービスであり、顧客のプロダクトラインナップなどから権利化可能なデザインを抽出したり、画面デザイン/関連意匠制度などの活用にする出願戦略を提案したりといった事業を展開しています。外国意匠出願戦略についてもアドバイス可能だということです。
・模倣品摘発サービス
取得した意匠権を効果的に活用するために、Amazon、楽天、メルカリなど、日本国内のECサイトで販売されている模倣品について、意匠権による摘発のサポートを行っています。
永沼よう子さんのメディアでの活躍
永沼よう子さんは弁理士としての業務に留まらず、テレビ番組やラジオ番組にも出演し、知的財産についての情報発信にも力を入れています。特に、毎月第4月曜日にレインボータウンFMで放送される【イレブンミュージック 知財女子 弁理士 永沼よう子の『知的カフェ』】では、知財に関する最新情報をわかりやすく解説し、クリエイターや専門家をゲストに迎えてのトークが好評です。
まとめ
永沼よう子さんは、知的財産の専門家として、国内外の企業に対して知財戦略を支援しています。彼女が代表を務めるiRify国際特許事務所では、企業が「知財ドリブン経営」を実現できるよう、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。また、メディア出演を通じて、知的財産の重要性を社会に広く伝える活動にも積極的に取り組んでいます。
会社概要
- 会社名:弁理士法人 匠
- 英語名:TAKUMI Design Rights Tokyo
- 所長:永沼よう子(弁理士)
- 住所:〒105-6415 東京都港区虎ノ門1丁目17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15F
- 設立日:2023年11月1日
- 事業内容:意匠に関する権利化、審査対応、年金管理、意匠戦略コンサルティング、社員教育、デザイン発掘