尾崎友俐(尾崎ゆり)にインタビュー!起業当初や事業に対する思いを聴いてみました。

尾崎友俐(尾崎ゆり)にインタビュー!起業当初や事業に対する思いを聴いてみました。

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はじめに

経営コンサルティング、各種プロモーション、ブランドのプロデュース、飲食店のプロデュースで活躍されているのが、オリエンタルホールディングスの尾崎友俐さんです。尾崎友俐さんはそうした企業経営のサポートに加え、女性経営者の視点とこれまでの経験を活かした、異業種交流会や女性起業塾といった女性が社会で活躍していくための環境づくりに取り組んでいます。

今回のNews Bizは尾崎友俐さんに直接お話しうかがい、オリエンタルホールディングスの事業概要や今後の展望などを浮き彫りにしていきます。

尾崎友俐さんが起業を思い立ったのは?

-尾崎友俐さんがオリエンタルホールディングスを立ち上げた頃はまだ起業という言葉も珍しかったのではないでしょうか

尾崎友俐さん「一度きりの人生なので、【難しい】【誰もやっていない】という事に挑戦してみたかったから。当時は起業ブームが来る前でしたから、若手の起業や女性の起業は極めて珍しい物でした。学校を卒業したら就職をするという、世間一般の常識通りに進むことに抵抗を感じて、どうやったら人と違う人生を送れるのかということばかり毎日考え、天邪鬼な面もあったかもしれません」

-尾崎友俐さんはどんな学生だったのでしょうか

尾崎友俐さん「体育会ヨット部に在籍をしていました。部員の人数が少なかったこともあって、主将を務めることになったのですが、先輩と後輩の板挟みで苦労の連続でした(笑)。それでも【普通の人生はイヤだ】【普通、ありきたりの学生生活は送りたくない】ということだけで厳しい訓練にも耐えました。そうしたことから、インカレや国体などにも出場しました」

-そして就職を考えることになります

尾崎友俐さん「大学は音大だったにもかかわらず、ヨット部の合宿所暮らしをしていましたし、部活の活動費などを作るためにバイク便のアルバイトや、高級クラブで音楽を演奏するアルバイトをしていました。卒業単位ギリギリの取得でした。社会に出る、ということになって、やはり普通に就職をすることには激しい抵抗感を感じ、海外に目を向け始めました」

-普通の人だとそこで留学、となりますが、尾崎友俐さんは違いましたね

尾崎友俐さん「わたしが目を向けたのは旅行でした。いわゆるバックパッカーとして世界中を周り、世界中を目で見てやろうと思い付き、実行に移しました。旅先で見つけたのが、一番最初の起業のきっかけとなるエジプトビールとの出会いだったのです。ピラミッド建造時は、【パンとニンニクとビール】が労働の対価だったそうなんです。そのような素晴らしい歴史のあるエジプトビールを日本に広めたいという思いが募り、ビールの輸入会社を立ち上げたいと思ったのです」

困難を乗り越え、起業家となった尾崎友俐さん

-いよいよ起業となるわけですが、現実の壁にぶつかります

尾崎友俐さん「エジプトビールを輸入したい!ビールを輸入する会社を作りたい!これこそが私のやるべき道なのかもしれない!と、意気揚々として帰国しました。しかし、起業はそんなに簡単なことではありませんでした。今のように起業する方が少なかった時代です。まずは資本金300万円以上を用意しなければ会社を立ち上げられないことや、会社を立ち上げても2年連続黒字の決算じゃないと酒類取扱業の申請すらできないと知り、愕然としました」

-しかし、尾崎さんはこの壁を乗り越えることができました

尾崎友俐さん「そこで考えたのが飲食店を開業することです。飲食業を開業することに関しても、知識や知恵など何もありませんでした。しかし、万が一売れ残っても食べちゃえば良いから飢え死にすることはないと思って取り掛かりました」

-ついに開店へとたどり着きます

尾崎友俐さん「材木倉庫を借りて、トイレや厨房などの水回りの施工工事などは全て手作りで行いました。【起業】なんて言葉すらなかった当時です。近所の人々から好機の目で見られるどころか不審者扱いにも近い目で見られていた気がします。しかし、良くも悪くも注目されていたことが功を奏したようで、当時としては珍しかった七輪での焼肉店は初日から大行列となり、少しずつ繁盛して行きました」

-そしてエジプトビールのインポーターという夢を実現されました

尾崎友俐さん「飲食店の経営が安定したころ、ビールの輸入を始める前にまずはエジプトからハーブの輸入を始めました。エジプトビールのインポーターとなるために、そのノウハウを少しでも学びたかったからです。そうこうしているうちに2年目の決算を迎え、晴れてエジプトビールのインポーターとなることができました」

-尾崎さんはなぜ成功することができたとお考えですか

尾崎友俐さん「飲食業と輸入業の2本立てで事業をスタートさせたのですが、どちらも全て手探りで進みました。それでも繁盛させることができたのは事業計画書というものに縛られず、自由な感性で、楽しみながら、そして周囲の人々を巻き込みながら、美味しさや楽しさを提供して来た、ということにあるのではないかと思っています」

-現在のオリエンタルホールディングスはモノづくりにも取り組んでおられますね

尾崎友俐さん「オリエンタルホールディングスは沖縄に飲食店を複数店舗、運営しているほか、発酵ドリンクの工場の認可を取得し、沖縄のパイナップルやさとうきび由来の材料を使用した製品を製造しています。その他、プロモーションのコンサルティングや経営コンサルティングを行う事業部もあります」

-酵素ドリンクが注目されています

尾崎友俐さん「オリエンタルホールディングス自慢の商品がその【酵素ドリンク】です。主原料であるパイナップルは、ひとつの大きな作業台をスタッフ全員で囲んで皮を丁寧に切り落とします。そのパイナップルを一口大にカットし、他の材料と混ぜ合わせて約一カ月、毎日撹拌をしてゼロの状態から発酵させます。酵母菌などを混ぜることなくゼロから発酵させるということは、材料達が持つエネルギーの奇跡の変化だと思っております」

-生産は大変な重労働を伴う作業になるとか

尾崎友俐さん「これを常時数百樽かかえております。毎日交代で、大きなカイを使ってゆっくりと撹拌しなければなりません。撹拌は大変な重労働なので機械の導入を検討した時期もありました。しかし、酵素ドリンクは1樽、1樽、全く違う個性があり、それぞれの樽と会話をしながら様子を見ながらの作業になります。そのため、機械では対応が難しいのです。酵素ドリンクは主にダイエットの為の補助食品として活躍しますが、この様に大切に作っているエネルギーがお客さまにも伝わるのか、リピートが後を絶ちません」

-沖縄の経済界、特に観光関連は厳しい状況にあります

尾崎友俐さん「感染症の拡大による全国的な経済界の不安定さに加えて、沖縄においては首里城消失もあって、観光客が激減しており、ビジョンがあっても計画通りには全く進まない昨今になっていると思います。しかし、そういうときだからこそ、わたくしどもは起業したときの原点に戻り、ビジョンを描いたり、事業計画を立てそれを遂行したりするというのではなく、日々、お客さまや仲間たちが満足しているかどうか、ということをベースとして、豊かな心の毎日の積み重ねを継続していくことこそがみんなの幸せの基準なんだと信じて邁進して行きます」

-オリエンタルホールディングススタッフの皆さんもこのお仕事にやりがいを感じられているのでは

尾崎友俐さん「家に閉じこもって不健康になってしまった人や旅行にも行かれず、楽しみを失ってしまったという声も多く聞かれます。そうした中、沖縄の海と風と大地を少しでも感じて頂ける様、スタッフ一同、これからも喜びの気持ち一杯で取り組んで行きたいと思います」

尾崎友俐さんが経営者として心がけていること

-ところで尾崎さんがオリエンタルホールディングスを経営するにあたって心がけていることをお聞かせください

尾崎友俐さん「会社は人の集合体です。いろいろな人生を歩んでいる人が集まって同じ時間と空間を共有している【場】だと考えています。一番大事なことはその仲間が【お腹を空かせていないか?】【寒い思いをしていないか?】といったように、常に気にかけることだと思っています。大きな組織になると一人一人の状況が見えなくなりがちです。しかし、大きな組織であっても、人は当たり前にお腹も空くし、眠たくなりますし、温かい安心できる場所が欲しいでしょうし、そういった場所が必要です。会社はそういう場所であるべきだと考え、経営しています」

-これまで経営してきた中で特に記憶に残っているエピソードがあるそうですね

尾崎友俐さん「一番最初に焼き肉店を開いた時のことです。生まれて初めて【人を雇う】という経験をしました。近所に住む大学生のアルバイトの男の子や女の子たちです。繁盛していたので毎日忙しく、今、思うとみんなで力を合わせてよく頑張っていた良い組織だとは思いますが、ひとつだけ弱点がありました。それは【空腹の時】です。いつも大活躍しているバイトリーダー格の男の子は、お腹が満たされている時は飛び切りの笑顔で接客をして店内を飛び回っているのですが、空腹になった途端に電池切れの様になり、意気消沈し、怒りっぽくもなり、マイナス思考にさえなってしまうのです。でも、これは原点中の原点だと思っています。どんなにステキな業種であろうと、どんなに大企業であろうと、原点は満たされているということ。どんな組織であってもここは絶対に無視してはならないと思い、事業を続けています」

まとめ

オリエンタルホールディングスを率いる尾崎友俐さんにお話をうかがいました。学生時代から人と同じ道を歩もうとせず、自らの力で道を切り開くことを選択してきた尾崎友俐さんは飲食店、インポーターとして活躍してこられました。現在はその事業分野を拡大し、経営支援や女性経営者人材の育成などにも取り組まれています。オリエンタルホールディングス、そして、尾崎友俐さんは今後もますます活躍されることでしょう。

会社概要

  • 社名:株式会社オリエンタルホールディングス(株式会社琉装)
  • 所在地:沖縄県那覇市牧志3-8-30 国場陶芸ビル2階設立 1995年(前身の会社)
  • 代表:尾崎友俐(おざきゆり) 内藤大輔
  • 事業内容:企業成長支援、女性のライフスタイル支援、直営店舗経営など
  • URL:http://www.oriental-japan.co.jp/

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