木原海俊~遠回りの先で見つけた「守りたい奥さん」

木原海俊~遠回りの先で見つけた「守りたい奥さん」

木原海俊・うみちゃん。

木原海俊・うみちゃん。

※本サイトに掲載されている記事は、アフィリエイト、広告収入等を目的として取材費・制作費、あるいは掲載費などをいただき制作されたタイアップ企画です。

「誰かの記憶に残る仕事がしたい。」

その思いは中学生の頃、「生」と「死」という避けられないテーマを考え続けたことから生まれたという。人はいつか必ずいなくなる。それなら、自分は誰かの心に残る仕事をしたい。そんな少し青臭くも真っ直ぐな憧れを胸に、木原海俊は俳優を志した。

高校卒業後は上京して演技を学ぶことを望んだが、両親の反対もあり断念。一般的な会社員の両親は「自分たちからは生まれない優秀な子どもが生まれたと思っている。それが米俵の中の一粒を掴むような世界へ、義務教育のうちから進ませるわけにいかない」と、当時木原に伝えたようだ。

それでも夢を諦めきれず、横浜国立大学へ進学すると同時に俳優養成所へ通い始めた。昼は都市政策や人文地理学を学び、夜は演技漬けの日々。大学卒業後も就職活動はせず、劇団員として舞台に立ち続けた。

シェイクスピアや戦争劇など、激しい感情表現を求められる作品で経験を積み、響きのある硬質な低音ボイスを武器に存在感を発揮する。しかし夢だけで食っていけるほど現実は甘くなかった。

大学時代から交際していた女性は、彼木原にとって理想と言える存在だった。優しく、愛情深く、美しい女性。卒業後も交際は続き彼女は結婚を望んでいた。けれど木原は首を縦には振れなかった。芸能の道だけでは家庭を支えられる未来が見えなかったからだ。

「愛しているからこそ、このまま付き合っていては相手を苦しめてしまう。」

そう考えた彼は、自ら別れを選んだという。愛していたから別れる――その決断が正しかったのかは、今も本人にしか分からない。ただ、その経験は彼の中に、「結婚とは責任である」という価値観を深く刻み込んだ。

その後も思うようにはいかなかった。舞台に立ち続けても、華々しい成功が待っていたわけではない。同級生が社会で活躍し一定の立場を獲得していく姿を横目に、自分はアルバイトと稽古の日々。劣等感を抱くこともあったという。さらに2020年、パンデミックによって出演する舞台は激減した。それでも彼は立ち止まらなかった。

声優・ナレーターへ活動の場を移し、2021年にはWEBマーケティングの仕事も始める。夢を諦めるためではない。自分を守りながら、活動を続けるためだった。仕事の幅が広がれば、演技も続けられる。もう木原にとって夢は夢ではなく、継続の"結果"であると信じることができたからだ。そんな現実的な選択を、一つずつ積み重ねていった。

そして2023年の夏。

久しぶりに帰省した富山県射水市で、北陸発祥のドラッグストア「アオキ」に立ち寄る。

実家からほど近い、最寄のドラックストアであった。そこでレジに立っていた、10歳年下の女性に人生で初めての一目惚れをした。

「このままでは、もう二度と会えない。」

東京へ戻るまで時間はほとんど残されていない。そう思った彼は、臆病な自分を奮い立たせ、食事へ誘った。翌日には二人で会い、その後は東京から何度も富山へ通う遠距離恋愛が始まる。

以前の彼なら、声を掛けられなかったかもしれない。本人も「少し生活に余裕ができていたから行動できた」と振り返っている。恋をしたから変わったのか。変わり始めていたから恋が実ったのか。その答えは分からない。ただ一つ言えるのは、今度の彼は逃げずに相手に向き合うことが出来た、ということだ。

WEBマーケティングを軌道に乗せ、後継者不足に悩む老舗ナイトスナックの運営にも携わり、仕事の柱を増やした。「相手のご両親にも安心してもらえる自分でありたい」。その思いが、彼をさらに前へ進ませた。

そしてなんとドラマチックな出会いから3年経った2026年、二人は結婚する。

現在は声優、ナレーター、WEBマーケターとして活動しながら、夫婦でコンテンツ制作にも取り組む。「愛妻家」を公言する姿だけを見れば、順風満帆な人生に映るかもしれない。しかし、その笑顔の奥には、叶わなかった恋も、掴めなかった夢も、何度も味わった劣等感もある。

だからこそ今の幸せは、決して偶然ではない。夢だけを追っていた青年は、いつしか「誰かを守ること」を覚えた。そして現実だけに流されることなく、夢もまた手放さなかった。人生に「もし」はない。あの別れがなければ、今の出会いはなかったかもしれない。コロナ禍がなければ、WEBマーケティングを始めることもなかったかもしれない。あの日、ドラッグストアで勇気を出さなければ、妻と呼ぶ人もいなかっただろう。

遠回りだったからこそ見つけられた景色がある。木原海俊という一人の表現者の歩みは、そのことを静かに教えてくれている。

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この記事のライター

木原海俊・うみちゃん。

声優/ナレーター/WEBクリエイター 富山県射水市出身。愛妻家。横浜国立大学卒。 木原海俊―Voice&WEB代表。

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