正直に言います。私は絵が描けません。作曲もできません。動画編集ソフトを開いたことすら、片手で数えるほどしかありません。
それでも先日、1曲まるごとのアニメMVが、私の手元で完成しました。
私がこの制作を始めたきっかけは、YouTube動画を撮るのに何か良い方法がないかと探していたときに、こんなことができると知ったことでした。
コーヒーの湯気がゆっくり立ちのぼります。窓の外では雨が降っていて、スマホの画面がキャラクターの頰をぼんやり照らす——そんな「ちゃんとアニメスタジオが作ったような」細かい演出が、AIツールを3つつなげるだけで再現できてしまいました。
動画編集の知識がゼロのまま、それでもここまで形になったことに、自分でも驚きました。
「AIで絵が描ける」「AIで曲が作れる」という話は、もう聞き飽きたかもしれません。でもこの記事で伝えたいのはそこではありません。
バラバラのAIツールを、Claude Codeという“現場監督”が1つにまとめて動かすという発想の話です。曲を作る担当、絵コンテを考える担当、画像を生成する担当、動画に変換する担当——それぞれ別のAIサービスなのに、Claude Codeに指示を出すだけで、全員に指示が伝わって、勝手に完成品まで仕上がっていきます。
私自身、最初は半信半疑でした。「どうせ設定が難しいんでしょう」「結局エンジニアじゃないと無理なんでしょう」と。
結果として、つまずいたのはたった1箇所でした。Claude CodeとAPIキーを繋ぐ設定の部分です。ここだけは少し手が止まりましたが、逆に言えば、そこさえ乗り越えれば、誰でも同じ道を通れるということでもあります。
この記事では、
- なぜ「AI同士をつなげる」だけでアニメMVが完成するのか
- 実際に使う3つのAIツールと、それぞれの役割
- 制作にかかった実際の費用感
- 誰でも真似できる、コピペで動く指示文(プロンプト)
- APIキーの取得方法(初心者がつまずきやすいポイント込み)
- 実際にやってみて分かった、メリットとデメリット
を、実体験ベースで包み隠さず共有します。
こんな人に向けて書きました
- 動画編集ソフトを触ったことがなく、「MVなんて自分には無理」と思っている人
- SNSやYouTube用に、オリジナル曲付きの映像コンテンツを作りたい人
- Claude Codeを「コードを書くためだけのツール」だと思っている人
- AIツールを使いこなして、副業や案件受注につなげたい人
逆に、すでに動画編集や作曲の専門スキルを持っていて、AIを使わず自分の手で作りたい人には、この記事の内容はあまり向いていないかもしれません。
この先にどう広がりうるか(あくまで一例)
このスキル1つで急に稼げるようになる、という話をするつもりはありません。ただ、応用の幅は正直に書いておきます。
- 個人のSNSやYouTube用に、オリジナル曲付きの映像コンテンツを継続的に作れるようになります
- 知人・友人の記念日ソング(誕生日、結婚式など)に、映像付きで仕上げて贈るような使い方もできます
- 「動画編集はできないが、AIツールを組み合わせる設計はできる」という状態を武器に、映像制作の一部工程を代行する案件に関わっていく道も考えられます
いずれも「必ずこうなる」という保証ではなく、あくまで技術的にできることの一例として書いています。どこまで実際の収益や案件につなげられるかは、その人の動き方次第です。
そもそも「AIでMVを作る」とはどういうことか
結論から言うと、やっていることは4つの工程を、4つの別々のAIサービスに任せているだけです。
- 曲を作る → Suno AI(音楽生成AI)
- 絵コンテと画像を作る → OpenAIの画像生成AI(GPT Image)
- 静止画を動かす → Fal AI(動画生成AI)
- 音楽と映像を1本にまとめる → ここまで全部、Claude Codeが指揮します
ポイントは、この4つを人間が手作業で橋渡ししなくていいということです。
普通なら「Sunoで曲を作る→ダウンロード→画像生成AIに歌詞を貼って絵を作る→ダウンロード→動画編集ソフトで音楽と画像を合わせる」という、地味に面倒な受け渡し作業が発生します。ファイルを行ったり来たりさせるだけで、それなりに時間が溶けていきます。
Claude Codeを使うと、この受け渡しをAI自身がやってくれます。人間がやるのは「曲のファイルを渡す」「イメージを伝える」「完成品を確認する」という3つだけです。

結局いくらかかるのか(正直な費用感)
「AIって結局お金がかかるんでしょう?」という疑問に、先に正直に答えておきます。
- 曲を試しに作るだけ:Suno AIは無料プランでも1日50クレジット(約10曲分)まで作れます。ただし無料プランで作った曲は商用利用不可です
- 曲を収益化前提で作る:Suno AI Proプランが目安です。月額10ドル程度(2026年6月時点、年払いだと実質もう少し安くなります)で、月2,500クレジット(約500曲分)、商用利用も可能になります
- 画像を生成する:OpenAIのAPIは従量課金です。最初のお試しなら5ドル程度のチャージで、MV1本分の画像はまかなえる範囲です
- 動画化する:Fal AIも従量課金で、動画生成はやや単価が高いため10ドル程度のチャージが安心ラインです
つまり、「曲は無料プランで試作→本気で1本作るなら合計2,000〜3,000円程度」が現実的なスタートラインです。動画編集ソフトの月額サブスクや、外注に払う費用と比べれば、破格と言っていいと思います。
※ 料金は変更される可能性があるため、実際にチャージする前に必ず各公式サイトの最新の料金ページを確認してください。
メリット・デメリットを正直に書きます
いいことばかり書くと、逆に信用できないと思います。実際に触ってみて感じたメリットとデメリットを、両方書きます。
メリット
- 動画編集の知識がなくても完成する:「1本のMVにしてください」と伝えるだけで、音楽と映像が同期した状態で書き出されます
- 絵柄を統一しやすい:キャラクター設定を最初に固定しておけば、シーンごとに顔が変わるという初心者にありがちな失敗を避けられます
- 時間の節約になる:以前は、10分程度のYouTube動画を撮影・編集(ほㄢノー編集)するだけでも半日かかっていました。それが、プロンプトを入れるだけでここまでクオリティの高い映像になるのですから、正直驚いています
- 高価なソフトや機材が不要:必要なのはAIサービスの利用料だけで、動画編集ソフトへの課金は発生しません
- 歌詞の世界観と映像がズレにくい:歌詞をAIが読み取ってシーン構成を考えるため、あとから「曲と映像が合っていない」という修正が減ります
デメリット
- 完全無料ではない:前述の通り、本気で1本作るなら数千円程度のAPI利用料がかかります
- セットアップに最初だけ手間がかかる:「APIキー」という会員証のようなものを2つ取得する必要があり、ここで挫折する人が一定数います(この記事の特典で手順を潰します)
- 商用利用したい場合はプラン確認が必須:Suno AIは、無料プランで作った曲を後から有料プランに切り替えても、その曲を商用利用することはできません。収益化前提なら、曲を作る”前”に有料プランへ加入しておく必要があります
- 狙った画風を一発で出すにはコツがいる:「新海誠風」のように具体的なスタイル名を指定すると精度が上がりますが、最初は思った通りの絵にならないこともあります
- プロンプトの微調整が地味に効く:この記事の特典プロンプトはその調整込みで作りました
私が一番苦労したのは、やはり最初のセットアップでした。ただ、これもClaude Code自身に聞きながら進めれば解決できました。あとは、どうしてもコストがかかってしまう点は、正直なところです。
ここまでが無料で読める範囲です。ここから先は、実際の手順・つまずきポイントの解決法・そして特典として「APIキー取得完全ガイド」と「そのままコピペで使えるプロンプト集」を公開します。
