購入ボタンを押させる「感情を動かすPASONAの法則」|セールスレターの書き方と実践テンプレ
ペンくん
「商品説明はていねいに書いたのに、なぜか買われない」。セールスレターでよくある悩みです。原因の多くは、情報の量ではなく「順番」にあります。
そこで役立つのが、神田昌典氏が考案した文章技法「PASONAの法則」です。読み手の悩みから出発し、共感、解決策、購入条件、絞り込み、行動の順に並べることで、読み手が「買うかどうか」を自然に判断できる流れをつくります。
この記事では、PASONAの6要素を、Tipsやnoteの有料記事で使えるレベルまで具体的に落とし込みました。目的は「押させること」ではなく、「必要な人が迷わず判断できること」です。後半では、公開前に確認したい表示ルールもまとめています。
※効果は商品・読者・時期で変わります。売上を保証するものではありません。
第1章 PASONAの法則とは何か
PASONAは、神田昌典氏が1999年ごろに開発した、売れる文章の「要素」と「並べ方」をまとめた法則です。6つの要素の頭文字が名前になっています。

注意したいのは、2つ目のAです。旧版ではAgitation(煽り立て)とされていました。一方、近年はAffinity(親近感)として説明されることもあり、この記事では読み手への共感を重視するこちらの考え方で進めます。不安を強くあおる書き方は、読み手の信頼を損ねやすく、表示ルールの面でもリスクがあるためです。
第2章 「感情を動かす」とは、不安をあおることではない
感情を動かすとは、読み手が「これは自分の話だ」と感じる状態をつくることです。そのために、次の3つを意識します。
①抽象ではなく、具体的な場面で書く
「集客に悩んでいます」では、誰の心にも刺さりません。「投稿して3日たっても、スキが0のまま」のように、画面の前の状況まで書くと、読み手は自分の姿を重ねられます。
②1人に向けて書く
「みなさん」ではなく、「有料記事を1本書いたものの、売れずに止まっているあなた」のように、特定の1人を思い浮かべます。
③「感情→理由→行動」の順で書く
共感で心を動かし、理由で納得してもらい、最後に行動を示します。感情だけでも、理由だけでも、購入ボタンは押されません。
有料パートでは、6要素のテンプレ、例文、公開前チェック表、今日からの3ステップをお渡しします。
第3章 【実践】パート別・書き方テンプレ
まず、全体の文字数配分を決めます。目安は、P15%・A15%・S25%・O20%・N10%・A15%です。3,000字の記事なら、Sに約750字、Pに約450字を割く計算になります。

P(問題提起):最初の3行で「自分ごと」にする
手順は次のとおりです。
- 読み手の「今夜の悩み」を1つだけ決める
- 数字や場面を入れて1文で書く(例:「投稿3日で、スキが0」)
- 最後を「〜していませんか?」の問いで締める
問題を3つも並べると、焦点がぼやけます。1つに絞ります。
A(親近感):「分かっている」を示す
自分の失敗談や、同じ悩みを抱えていた経験を2〜3文で書きます。大切なのは、事実だけを書くことです。経験がないのに「私も苦しんでいました」と書くのは、読み手を欺くことになります。実体験が少ない場合は、「よく相談される悩みです」のように、事実の範囲で寄り添います。
S(解決策):商品ではなく「変化」を語る
「テンプレが3点付いています」ではなく、「冒頭の3行が書けるようになり、書き出しで手が止まらなくなります」のように、得られる変化を書きます。そのうえで、なぜ解決できるのか、理由や根拠を1つ添えます。
O(提案):迷わせない情報を並べる
内容、文字数、価格、特典、返金の有無を、箇条書きで示します。価格は購入ボタンの近くにも書いておきます。
N(絞込):実際の条件だけで絞る
「有料記事を1本でも書いた方向け」のように、対象を絞ります。「残り3名」「本日限定」は、実際にそう決めた場合だけ使います。
A(行動):次の一歩を1つだけ示す
「下のボタンから購入し、次の見出しから読み進めてください」のように、行動は1つだけにします。選択肢を増やすと、迷いが生まれます。
第4章 【実践】Before/After例文
架空の例で、冒頭の書き換えを見てみましょう。
Before 「この記事では、セールスレターの書き方を解説します。ぜひ最後まで読んでください。」
After(P+A) 「毎日投稿しているのに、有料記事が1本も売れない。そんな夜を過ごしていませんか? 実は、売れない原因の多くは文章力ではなく、書く順番にあります。」
Beforeは書き手の都合で始まっています。Afterは、読み手の状況から始まっています。この差が、続きを読むかどうかを分けます。
Pで興味を引き、Aで共感を得たあとに、次のように続けます。
After(S+O+N+A) 「原因は、買う理由が1つに絞れていないこと。この記事では、冒頭3行のテンプレ3点と公開前チェック表を、300円でお渡しします。有料記事を1本でも書いたことがある方向けの内容です。下のボタンから読み進め、まずは冒頭の3行を書き換えてみてください。」
書き換えるときは、次の3点を確認してください。
- 主語が「私」ではなく「あなた」になっているか
- 数字や場面が入っているか
- 事実に基づいているか
よくある失敗
- Sで機能の説明が長くなる:機能は「得られる変化」に言い換えます。
- Oの価格が最後まで出てこない:購入を迷う原因になります。早めに示します。
- Nの限定表示が実態と違う:信用を失うだけでなく、表示ルール上の問題にもなります。
第5章 【実践】公開前の表現チェック
購入ボタンを置く前に、次の表で確認しましょう。

特に注意したいのが、次の3点です。
広告であることを明示する
2023年10月から、広告であることが分かりにくい「ステルスマーケティング」が景品表示法の規制対象になりました。第三者を装った感想の投稿や、PR表記のない紹介は避けます。「PR」「広告」などの表示は、消費者が見て分かる大きさで示します。
購入条件を分かりやすく示す
通信販売では、2022年6月の特定商取引法の改正により、申し込みになることや、価格・支払時期などの条件を誤認させる表示が禁止されています。価格や課金の条件を、小さな文字で離れた場所に書かないでください。事業として継続的に販売する場合は、対象になる場合があります。
他人の文章を流用しない
PASONAは「構成の考え方」です。他の販売ページの文章を写すと、著作権の問題になります。型だけを借り、文章は自分の言葉で書きましょう。
第6章 今日からできる3ステップ
- 自分の販売ページの冒頭3行を、P(問題)の形に書き換える(10分)
- 6要素ごとに、1〜2文ずつ書き出す(20分)
- チェック表で6項目を確認し、1日おいてから公開する(10分)
まとめ
- PASONAは、読み手の心の動きに沿って文章を並べる技法
- 感情を動かすとは、不安をあおることではなく「自分ごと」にすること
- 各パートは、事実に基づいて書く
- 公開前に、広告表示と購入条件を必ず確認する
まずは冒頭の3行だけ書き換えてみてください。
参考情報(2026年10月20日時点で確認)
- 神田昌典氏が考案した「PASONAの法則」(ダイヤモンド・オンライン掲載の関連記事、およびビジネス系メディアの解説を参照)
- 神田昌典『稼ぐ言葉の法則 「新・PASONAの法則」と売れる公式41』(ダイヤモンド社、2016年)
- 消費者庁「景品表示法」:ステルスマーケティング規制(2023年10月施行)に関する解説
- 消費者庁「特定商取引法」:通信販売の詐欺的な定期購入対策(2022年6月施行)に関する解説
免責事項
本記事は、文章技法に関する一般的な情報提供を目的としており、売上・収益・成果を保証するものではありません。記載内容は2026年10月20日時点で確認できた情報にもとづきますが、法令や各プラットフォームの規約は変更される場合があります。景品表示法、特定商取引法、著作権などの法的判断が必要な場合は、消費者庁等の公式情報を確認するか、弁護士などの専門家へご相談ください。例文はすべて架空のもので、特定の個人・団体・商品とは関係ありません。本記事の情報を利用したことによって生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負いかねます。
