几帳面だった私が1年で20kg太った理由

shinobu

最近ウエストがきつくなってきた気がする…
いや気のせいかな…
私はそう思って部屋のPCに向かった。
私は夏美(29)今は某大手企業に勤めている独身の女性。とはいえ、ちょうど3ヶ月前までは3つ上の男性と結婚を前提にお付き合いをしていた。仕事も順調でそのまま結婚…なんて理想を描いていたけど、そんなに甘くはなかった。
付き合っていた彼氏が浮気をしていたことが発覚して、私はそのまま別れた。同棲までしていたからダメージはでかい。
でかいけど、最後に言われたのは
「夏美は几帳面すぎて疲れる…」
って言葉だった。確かに私は昔から几帳面と言われる。学生時代のバイト先、就職してからも「几帳面だね〜」と言われる。言われるけど、決してマイナスに言われているつもりはなかったし、それは結構大事なことだとお思う。
と言っても、ものを同じ場所に戻すとか、常に部屋を綺麗にしておくとか、ものの位置とか…その程度で、確かに口うるさかったのかもしれないけど、気になって仕方なかった。
まあ仕方ない…と思っていた矢先全世界でとあるウイルスが流行して在宅ワークってものが始まった。
「出会いもないわね〜」なんて友人たちとリモートで飲み会をして…次の日はまた仕事をして…同棲解消とともにいい感じの部屋に住んでいて別段在宅ワークが苦になるわけでもないからこれはこれで楽しい。
とはいえ数ヶ月もした。
私はやっぱりウエスト周りがキツくなってきたことを感じていた。普段部屋ではスウェットをきていたりするのが常で、外に出ると言っても少し買い物をする程度だから緩めの服装で出歩いてた。そんな状態でもお腹周りが少し苦しい…
と思い、脱衣所の隅へとしまっていたタニタの体重計にのってみた
「……!!」
今までに見たことのない数字が表示…
在宅に切り替わってはや半年…8.6kgの増加…
私のスペックは常に変わらなかったはず…身長は163cm 体重は47kg 我ながらいい感じの体型だとずっと思っていた。痩せすぎではないけどしっかりくびれていて、贅肉もなくて、バストだってD カップはある。そんな私が…
55kg…
「嘘でしょ…」
確かにお腹周りが苦しいとか、太ももがぱつっとしてきた、とか…なんならブラがキツくて痛いから、ネットでワンサイズ上のものを買っていた…
「だ、だよね…でも私が太るなんて…」
とはいえ体型を見てみると、お腹がぽっこり出ていて、足は多少ムチムチした程度だった。
「す、すぐ痩せれるはず!」
そう思って翌日からは食事も計量しながら食べ始めた。
「そもそも1日にグラム単位で管理すればすぐ痩せれるわけだから」そう思いながら食事管理を徹底して管理し始めた私だった。しかし、それがことの始まりだった。
在宅ワークで何が変わったかというと、食事量が増えたこと。普段は朝ごはんなんて食べなかったし、昼も忙しくてサンドウィッチや軽食で済ませていた。それに夜は疲れて軽くしか食べていなかったし、そこまで食に関心がなかった。そんな私が白米もしっかり3食食べるもんだから太っている、そういう風に感じていた。彼氏と別れてからはストレスでマンションの下のコンビニスイーツにもハマっていた。こんなに甘いものが欠かせないとは…
と、これが原因だと思い、単純に量を減らしていくことから始めたわけだ。ところが、減らない。というか、イライラする…。
私は食事量を減らして甘いものも食べないようにすると、イライラしたり集中力がなくなっていることに気がついた。そしてそのイライラだけでなく、性欲もなぜか溜まっていっていた。彼氏とは週に1回する程度でも十分だった私が、ここ最近は毎日いじりたくなってしまう。私はなぜか分からなかった。仕事中もムラムラしたり、我慢したりしていたが、日にひにイライラストレスがたまって、気づいたら少し肌も荒れてきていた。なんとか2週間我慢できた。
でも、体重計に乗ると
54kg
たった一キロしか変わっていない…私はどうしよ、どうしよと焦りに変わってきていた。
そんなある時
「チョコは健康にいいんですよ!カカオが多いものは特にストレスを改善してくれますし、太りにくいんです!むしろ積極的に摂取することが‥」
「これだ!」
私はたまに食べていたチョコを思い出した。確かにカカオ含有量が高いものはそこまで太りにくくてそれに体にいい!私はコンビニで買い漁った。それからしばらく、仕事の合間に食べるようになった。おかげでイライラも解消されるようになって私はホッとしていた。
しかし、気づいたらコンビニに毎日通うようになっていた。
在宅にも疲れが出て、自炊をせずにコンビニ飯にハマっていっていたのだ
「こんなに近くにあると便利ね〜」と思いながらスイーツや弁当を気づいたら食べてしまっていた。でも、朝を抜いて、昼は好きなものを食べて、夜はおかず、という生活にしていたから大丈夫なはず!!でもなかった。
とある出社日があった。
私は身支度を済ませスーツに着替えようとしていた。
が…
「あれ・・・」
ホックが閉まらない…ホックが閉まらない…というか…ファスナーも上がっていない…
「どうしよ。どうしよ。」
衣類も切れにクローゼットに管理していた私は焦りと動揺で着ては履けず脱いだスーツを雑に投げていっていた。
「どうしよ…嘘、私が太るなんて、そんなこと…」
頭の中では職場の人の「太った?」と言われるのが思い浮かんでいた
「だ、だめ絶対。私は、私は完璧なんだから…仕事もできるし」
気づいたら体調不良の連絡を送っていた。部屋の中が散乱し、私は意を決して体重計に乗っていた。

ー60.7
「なんでよえおおおおおおおおお」
おかしいおかしい
混乱がおさまらない
ただ、目の前の鏡に写っている自分は顔が丸くなり、二の腕はムチムチとしてる。バストは平たく脂肪がつき、はりがなくなっていた。体は下半身にかけて洋梨のように膨らんでいる。お腹はぽっこりと贅肉をつけていた。
「なんで…」
私はそれから毎日食べないようにした。
私ならできる私ならできる
しかし、2日も持たなかった。その反動でバクバクとコンビニ弁当を食べあさり、今ままで食べようとも思わなかったポテチやアイスを食べる。
「あ、え。これ、、私が食べたの…」
過食の症状が出る。
私は食べる
焦る
食べる
痩せようとする
食べる
ストレスとなる
食べる
私はそれからわずか2月で80kgの体にまでなっていた。
大きくなった体は毎日汗ばみ、あれだけ几帳面と言われていた私の部屋は汚く散乱していた。私は体調不良で会社を欠勤し、気づいたら退職していた。
友人が心配になって私の家に来た
「な、、、なに、、これ・・」
でっぷりと脂肪をつけ、肉われもひどい私の体。私は下着もつけず上半身裸の状態で毎日いた。かろうじて大きな短パンを履いてるが、1週間に一回しか入らない風呂のせいで体からは異臭がする。
「ご、ごおおめん…」私は涙を流しながら友達をみた
「だ、誰・・・ほんとに?」
end


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