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Nutshell wordS
ナット・シェル・ワード
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”好き?” OR ”嫌い?”
本気の言葉で心の隙間に、届ける。
”君”宛ての受話器越し。押しあてた耳が、火のように灯った日の事を。

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人間に羽が生えていないのには、
恐らく理由があって、
自由を奪われているからこそ見える世界がある。
『本気』で恋する者たちが、
簡単に結ばれないように、
見えない仕掛けが、至る所に張り巡らされている。
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簡単に結ばれないから本気になるのか?
それとも『本気』だからそうなるのかーー?
見抜けるようになるまで、
その正体不明の関係性は、きっと続く。
正直俺は、
試されるような日々に苦しんだ事もあった。
過去の恋愛とは大違いで、
”君”は離れても、忘れることが不可能な人だったからだ。
きっと人間には、
どれだけ本気か気付かなければ、
開けないドアがある。
本気で惚れこみ、
追いかけなければ、たどり着けない『場所』がある。
世界の中で、
二人にしか行けない場所。
”君”という存在と暮らす『部屋』
追いつめられる恋なんてリスクだらけだ。
生物学的にいい事なんて、ひとつも無い。
だからこそ人間は、簡単な恋の結実を望みたがる。
それでもこの世界には、
確実に、理解不能な”恋”が存在する。
人を寄せつけず、来訪者を死に至らす険しい高山と同じで、
そのドアを、
死に物狂いで開けなければ、決して見えない不思議な景色があり、
感じられない眩しさがある。
それが、
俺自身が『魂の対』と出逢った時の、
一番大きな感情だった。
ーー俺は、複雑な君の内面を記憶に残している。
かなり具体的に、詳細まで。
なぜかというと”感じ取れた”から。
だから君に関することは、ひと欠片も残さず、全部覚えている。
出逢ってから数週間後のある日、
俺は、外出先から社内に電話をかけた。
理由は知っているよね?
君がそう望んでいたからだ。
早く君の声を聴きたかった。
急いで鳴らしたのは、
自分の耳元でリフレクションさせれば、俺たちだけの世界になると思ったからだ。
だから仕事の要件を絡め、社外から電話を鳴らした。
そしたらどういう訳か、
いつもは電話応対しないはずの同僚女性が、
その日に限って俺からの電話を受け、